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2019年5月15日  発心門王子ー水呑王子ー伏拝王子ー三軒茶屋跡ー祓殿王子ー熊野本宮大社ー大斎原
 発心門王子から先は、いよいよ熊野本宮大社の神域となる。発心門王子から熊野本宮大社までの間はなだらかな下り坂が中心
 で、歩きやすく整備されており、昔の旅人が初めて熊野本宮大社を望み、有難さに伏して拝んだと言われる伏拝王子等多くの
 見所が点在している。これらの見所を過ぎて、いよいよ雲奈本宮大社へ。そして旧社地の大斎原の大鳥居を潜ると長い古道
 歩きは終わる。 
発心門王子バス停 熊野古道入口 集落の中の舗装路
■ 発心門王子〜水呑王子       ルートマップはこちら(発心門王子〜伏拝王子)
 8:16 川湯温泉を出発。 8:46 発心門王子の駐車場に着く。今日は曇り空だが雨の心配はなさそうだ。バスの乗客は
  ほとんど発心門王子跡に向かっていくが、熊野古道はバス停に奥にある。集落の中を暫く進むと道が二分する。その分岐
  点に八咫烏の彫り物が立っている。「熊野古道は右ですよ」と案内している。
八咫烏に導かれて 静かな道 緑に囲まれた先に・・・
  バスの通る道から分かれ、右手の少し狭いが気持ちの良い舗装路を歩ていく。緑に囲まれた道の先に65番道標が立ち、
  水呑王子跡がある。
65番道標 水呑王子跡 三里小学校跡
 9:15 水呑王子跡。ここの石碑も享保8年(1723)に紀州藩が熊野行幸の史跡顕彰のために建てたとある。
 ここで舗装路と別れ、左折していくと三里小学校三越分校跡がある。現在はキャンプや研修施設として使われているようだ。
三里小学校跡から山道へ 快適な山道 67番道標
■ 水呑王子〜伏拝王子       ルートマップはこちら(発心門王子〜伏拝王子)
  三里小学校跡を出ると山道の登りになる。緩やかで快適な林間コースを進んでいく。山道は15分程で終わり、67番道標
  から坂を下るとまもなく舗装路にでる。賑やかなおばさんのグループを追い越して先に進む。
・・・ 緩やかな山道を下る 舗装路に出る
  舗装路に出ると伏拝口バス停がある。ここからは集落の中の小高い道を進んでいく。晴れ間も出て気持ちが良い。
不思議なモニュメント 菊水井戸 三里富士
 眼下に点在する集落を見ながら歩いていると不思議なモニュメント発見。さらに民家の前には菊水井戸と名づけられた井戸。
 この辺りの集落を菊水といい、その集落の水をこの井戸で賄っていたことからこの名前が付けられたということだ。
 さらに進むと果無山脈の看板が立っており、集落の向こうに聳える尖峰は三里富士(百前森山・782m)、奥に連なる山
 並みは果無山脈と説明してある。
68番道標 一里坂 伏拝茶屋
  68番道標を後にし、5分程行くと山道への分岐がある。この一里坂という坂を登って伏拝王子へ。ここから本宮大社まで
  ほぼ一里であることによる坂名という。一里塚があったのではないようだ。
  坂を登った所に伏拝茶屋がある。美味しいシソジュースが名物だそうだ。甘みを抑えた手作りの冷たいジュースは最高に
  美味しい。
茶屋前の石段を登ると伏拝王子(マウス ON) 古道整備をする高校生 緩やかな下り坂
■ 伏拝王子〜三軒茶屋跡       ルートマップはこちら(伏拝王子〜熊野本宮大社)
 10:00 伏拝王子へ。茶屋前の石段を登ると伏拝王子跡がある。京都を出発した熊野参詣の人々は約260km、12日前後
  でこの地に到着。熊野三山巡拝の最初の目的地である熊野本宮が遥か彼方に鎮座する光景を目の当たりにして、感動の
  あまり「伏して拝んだ 」という。またこの王子には熊野本宮を目前にして、月の障りとなって参拝を断念しようとした
  和泉式部を熊野権現が快く受け入れたという伝説も残っているという。境内には和泉式部の供養塔と13世紀に建てられた
  という笠塔婆がたっている。
  伏拝王子を出ると緩やかな下りの土道となる。道を補修している高校生が元気よく挨拶をしてくれる。この人たちのお陰で
  熊野古道がいつまでも保たれていると感謝してすれ違う。
70番道標 九鬼ヶ口吊り橋 三軒茶屋跡
 10:25 広くて緩やかな下り坂を降りていき、九鬼ヶ口吊り橋を渡り車道を跨ぐと三軒茶屋跡に着く。伏拝王子から約25分
  の距離だ。昔は伏拝王子から本宮大社まで左右松並木で道幅も広く、石畳が敷かれていたという。この地は三軒の茶屋が
  あり、特に近代は中辺路銀座と呼ばれるほど賑わっていたという。
九鬼ヶ口関所跡(マウス ON 左下の道標) 72番道標
■ 三軒茶屋跡〜熊野本宮大社       ルートマップはこちら(伏拝王子〜熊野本宮大社)
  ここは高野山と熊野を結ぶ果無街道(小辺路)と中辺路街道の分岐点で三軒茶屋の横には石の道標が立っており、「右かう
  や十九り半」、「左きみい寺三十一り半」と刻まれている。そのすぐ先に「九鬼ヶ口関所跡」があり、門が立っている。
  門を潜ると再び石畳の階段を上っていき、その後は杉木立が美しい林の中を緩やかに登っていく。
73番道標 左・展望台への分岐 展望台から大鳥居を・・
  73番道標から道は下りになり、その先に展望台への分岐がある。展望台への道を5分程進むと開けた場所に出、眼下に
  大斎原の大鳥居を見ることが出来る。
74番道標 石畳の急な階段
  展望台をそのまま進むと熊野古道に合流し、緩やかな幅広の階段を下っていく。やがて熊野古道の案内板の立つ舗装路に
  出て、カーブのところから急な石畳の階段を下りていく。
団地の中へ 祓殿王子(はらいど) 熊野本宮裏鳥居
  階段を下りて団地の中へ。祓殿王子まで0.3kmとある。この団地の中の坂道は袖切坂といわれ、ここで転ぶと片袖を
  ちぎって置いてこなければならなかったという。本宮大社のゴール間近で焦らないようにとの戒めの坂名だ。
  袖切坂を下ると祓殿王子跡がある。本宮大社直前の王子だ。前世や現世に心身に積もった汚れを祓い清め、熊野三所権現
  の神威にすがって祈願し、生命力を蘇らせることを目的とする熊野参詣では、祓いや契りが重視されたが、特にこの王子
  での祓いは熊野本宮参詣の直前に行うもので、最も重要視されたいたという。
 11:25 いよいよ熊野本宮大社に到着する。長い旅を終えた感慨に裏鳥居の奥に続く境内の神聖さがより伝わってくる。
??門 御社殿 表参道の大鳥居
  境内には平日にも拘わらず参詣客が多い。正面左手の本宮・第三殿から順次参拝し、「熊野大権現」の奉納幟が立ち並ぶ
  158段の階段を下り、大鳥居の立つ表参道入口に出る。
大斎原の大鳥居 参道 石造りの祠
■ 熊野本宮大社〜大斎原
 本宮参拝を終えた後、大斎原(おおゆのはら)へ行く。ここには熊野坐神社(現熊野本宮大社)が鎮座していたが、明治22
 年の大洪水によって社殿の多くが流出したため、水害を免れた4社を現在の熊野本宮大社がある場所に遷座した。現在
 遺構は残っていないが、高さ42m、幅34mという日本一大きな鳥居が平成12年に建てられた。
 スギ林の参道を進むと、かって多くの人々の祈りを受け止めた大斎原には、流出した中四社・下四社を祀る石造の小祠が
 建てられている。
 熊野本宮大社の参拝も終わり、中辺路の一つのコースを無事に踏破できた。蕎麦で腹ごしらえをし、川湯温泉へ
13:05バスは本宮大社前をYOU達を一杯乗せて出発する。15:16川湯温泉着。今日はゆっくり川中の露天風呂を楽しもう!
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