白滝山(しらたきやま):257.0m 広島県尾道市因島重井
山の概要
白滝山は因島北部に位置する標高226.4mの低山である。
地図上では白滝山と書かれているが、地元重井では「かんのんさん」と呼ばれている。また山頂一帯に安置された
仏像群は「白滝山と五百羅漢」として有名である。
永禄12年(1569)、因島村上水軍6代当主「村上吉充」が布刈瀬戸の見張り所として、白滝山の頂上に観音堂
を建立。以来、修験者の修行の場であったが、文政10年(1827)神道・仏教・キリスト教・儒教の教えを一つ
に融合した新興宗教「一観教」の創始者で、この島で生まれた「柏原伝六」は、この山上に「清浄世界」を現そう
と、弟子や石工達と「五百羅漢」を造り始め、3年後に700体に及ぶ石仏を完成させた。
しかし、この間の文政11年(1828)、押しかける大勢の参拝者による一揆を恐れた広島藩は、その首謀者で
ある「伝六」に忍者を放ち毒殺してしまった。この後も弟子や石工達により石仏造りは続けられたが、最盛期には
信者の数が一万人を越えたという「一観教」も、わずか10年足らずでその姿をけしていったという。
「白滝山の五百羅漢」は「一観教」という新興宗教を背景に造られたため、従来からの仏像造りのルールに則ら
ない自由奔放な石像表現が特徴だという。
頂上から見る「因島大橋」、瀬戸内海に浮かぶ大小の島々の多島美と石仏のコラボレーションの素晴らしさは、他に
類を見ないであろう。
Route Map:フラワーセンター駐車場から山頂を目指し、往路を下山
Road Map :しまなみ海道を因島北ICで降り、因島フラワーセンターの案内に従って進み因島フラワーセンター
駐車場に入る |
2021年3月15日(月曜日) 晴れ
ホーム7:50.。。。。9:05フラワーセンター駐車場9:17 → 9:23百華園登山口 → 9:33表参道に合流 →
9:37仁王門 → 9:57フラワーライン駐車場分岐 → 10:00裏参道分岐 → 10:16白滝山展望台10:37 →
10:58仁王門 → 11:03表参道駐車場 → 11:12フラワーセンター駐車場
行動時間:1時間55分(休憩時間含む)
昼食時間:30分(五百羅漢見学) |
今日は因島の地元重井で「かんのんさん」、「ごんげんさん」と呼ばれてきた白滝山と竜王山の二山を登ることにする。
フラワーセンター駐車場に車を停め、支度をして出発する。今日は白滝山では昼食を採らないので小さなザックで登る。
駐車場を出て右に進みフラワーセンターの角から案内に従い登っていく。突き当りの左に駐車場があり、正面の「百華園」石碑
の処から遊歩道を登っていく。百華園とは百種の花木の自然公園ということらしい。
左手下方にフラワーセンターの大温室を見ながらジグザグに登っていくと表参道駐車場からの道と出会う。暫く進むと「五百羅
漢創始者伝六の一代記」の表札が立つ墓地に出る。ここに埋葬された伝六の墓と共に歴代堂守の墓が祀られている。
良く整備された道を登っていくと仁王門に至る。仁王門を潜り、「六地蔵」の出迎えを受けると白滝山の聖域に入る。仁王門か
ら少し上がった所で奥の院への道が分岐するが生憎土砂崩れの為通行止めになっている。
段差の少ない緩やかな階段を登っていくと沢山の石仏が立つ岩場に出る。岩場を過ぎると重井の町並みが見渡せ、その背後
には午後に登る予定の竜王山も見えている。
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フラワーセンター駐車場(マウスON 本因坊秀策の記念碑) |
フラワーセンターと白滝山 |
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フラワーセンターの角を曲がり登っていく |
坂道を上がっていく |
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百華園登山口 左手に駐車場 |
サツキが植樹された道 |
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眼下にフラワーセンター |
百華園の中をジグザグに登っていく |
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表参道駐車場からの道と合流 (丸印が駐車場) |
五百羅漢創始者 伝六の一代記 |
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伝六の墓 |
歴代堂守の墓 |
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仁王門 |
六地蔵の出迎えを受け登っていく |
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奥の院への分岐 通行止めの案内がある |
緩やかな階段 |
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岩場に立つ石仏群 |
午後に登る予定の竜王山 |
頭上に観音堂の建物が見えてくると八合目のフラワーライン駐車場からの道が合流してくる。舗装された緩やかな階段を登って
いくと遊歩道は表参道と裏参道に分かれ、登りは表参道を登っていく。
「慈母観音」が彫られた岩を左に過ごし、急になった石段を登っていくと山門下の石段の前に立つ。石段を登り白滝山の山門を
潜るといよいよ五百羅漢の並ぶ境内に入る。
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フラワーライン駐車場からの道が合わさる |
観音堂を仰ぎ見ながら階段を登る |
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裏参道分岐 |
急な階段 |
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最後の階段 |
山門 |
山門を潜ると正面に管理室、左に展望台と観音堂がある。展望台は土足厳禁とあるので通過し、岩の上にある天狗三種と十字架
観音を見ながら観音堂の裏に回り込み「恋し岩」を見学する。
山門まで戻り、五百羅漢が並ぶ白滝山山頂へ向かう。(山頂石仏案内図クリック)
いきなり釈迦三尊像と四天王、それを取り巻く釈迦の十大弟子と十六羅漢に圧倒される。
直径2m程の石が積まれた高台に、33体の石仏が二重の円形に並ぶ「西国33番札所」と「過去七仏」の間を抜け、右回りに
展望台ぬ向かう。
三大師坐像を左に過ごすと参拝道の左右は所狭しと羅漢の石像が並んでいる。展望台手前には「伝六夫婦像」と「弘法大師
立像」がある。
伝六夫婦像の右に一体分のスペースが空いているのは二代目の石像を造る予定であったが、早世したためそのままになった
という。
その奥に立つ「弘法大師立像」はこの中で唯一四国を方向を向いて立っているという。
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展望台(土足厳禁) 右手の石造は天狗三種(マウス ON) |
恋し岩(マウス ON) |
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釈迦三尊像と石仏群 |
釈迦の十大弟子と十六羅漢 |
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過去七仏 |
三大師坐像 |
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参道に並ぶ石仏群 |
展望台からの眺め 2体の石像は伝六夫婦 |
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ユーモラスな表情の羅漢さん |
展望台から撮る、「釈迦三尊像と因島大橋」と「伝六の背中越しに見る石仏群」は白滝山五百羅漢の定番の写真である。
帰りは左手の道を下り、「ゴリラ岩」を確認して、裏参道をげざんする。 管理室の前にある多宝塔には8人の石工達が、
各々の代表作ともいえる石仏を一体ずつ彫ったと言われ、中でも石工頭の「太兵衛」が彫ったといわれる不動明王は見事
な作品と言われるが残念ながら写真に納めていない。
「ウサギ岩」や「カエル岩」を見ながら下ると仁王門、帰りは六地蔵み見送られる。表参道駐車場を経てフラワーセンター駐
車場に帰る。
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展望台から阿弥陀三尊像と因島大橋を見る |
鐘楼とゴリラ岩 |
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西国33番札所 |
裏参道下山口 |
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ウサギ岩 |
カエル岩 |
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生口島に架る生口大橋 |
石仏の眺める先に権現山(竜王山) |
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六地蔵に見送られて下山 正面に竜王山 |
春満開の花 |
ひとこと:階段続きの登山道、思ったよりキツイ! |