おしどり登山隊                                             |山便りへ ホームへ 

 前穂・奥又白池(おくまたしろいけ):2570・0m
     長野県松本市

 山の概要
  奥又白池は、前穂高岳の南東に位置し、前穂高岳から梓川の徳沢付近に流れ落ちる、奥又白谷と中又白谷に
  鋏まれた尾根のほぼ中間の台地にある。直径20mほどのやや楕円形をした小さな池で、前穂高岳北尾根から
  見下ろすと小さな瞳のようで可愛らしい。そんな小さな池でありながら岳人からは「奥又の池」とか「又白の池」と
  して親しまれ、前穂高岳北尾根や東壁などを登るクライマーの基地となっている。
  
 Route Map徳沢から奥又白池を往復
  

 2014年8月19日(火曜日)  徳沢〜奥又白池
 

 徳沢7:35 → 7:50 新村橋 →  9:20涸沢分岐9:25 → 9:36尾根取り付 → 14:10奥又白池(キャンプ) 


 行動時間:6時間35分(休憩時間含む)
 昼食時間:ー
8月19日(二日目) 急登の先に感動の絶景が・・・
 
今日も曇り空だ。パンや餅にコーヒーで朝食を済まし、7:35 キャンプ場を出発。徳沢から横尾方面に向かって
 20分くらいで対岸に渡る新村橋がある。
 新村橋を渡り、川沿いを上流に10分も歩くとパノラマ新道への登山道が分岐しているが、入り口には「パノラマ新
 道は残雪の為、通行不可」のプレートが下がってロープで進入が規制されている。しばらくは、屏風岩の頭を経由
 して涸沢に至るパノラマコースを進む。奥又白谷の夏草の茂る広い道から樹林帯に入ると小さな慰霊塔が立って
 いる。井上靖の小説「氷壁」のモデルになったと云うナイロンザイル切断事故で亡くなった若山五郎さんの慰霊碑
 です。河原に沿った木立の中の道は、まだ傾斜が緩いが木の根と石で歩きにくい。ダケカンバの林を抜けるとガス
 に覆われた前穂北尾根と松高ルンゼが見えてくる。そして、ゴーロの中、奥又白谷の河原に出るとパノラマ新道と
 奥又白池に向かう中畠新道の分岐がある。大きな石がゴロゴロしたこのあたりは奥又白谷の雪渓から流れる冷た
 い水が流れる絶好の休憩ポイントだ。
 分岐から中畠新道を100mほど進むと奥又白池への登山道の奥又尾根の取り付になる。左側の涸れた沢は松高
 ルンゼだ。
 
朝食 徳沢を出発
山はガスに包まれている 新村橋
   通行禁止の看板を潜って進入。          延び放題の草が帰りには綺麗に刈られていた
遭難碑 暫くは樹林帯の中
樹林帯を抜けると松高ルンゼやこれから登る尾根・奥又尾根が見えてくる
目指す尾根は右手の山 中央は松高ルンゼ パノラマ新道分岐で休憩
ガレ場を登り尾根に取り付く

 奥又尾根の入り口は岩場になっており、最初から激登だ。30分余りで尾根上に出ると傾斜が緩み草地になる。そ
 こで疲れた体を休ませる。ここを過ぎると再び小潅木帯の中、木の根に掴まりながらの急登が始まった。登山道は
 細く、熊笹が生い茂っている。この熊笹がありがたかった。テント泊の装備や食料で20Kgはあろうかというザック
 の重さで足が上がらない。笹を掴み、必死で高度を上げていく。昼食は急斜面に身体をあずけたままで「カレーうど
 ん」をすすった。
 いけども、いけども目的地に辿り着かない、きつい登りが果てしなく続く。
 木立の中の道が若干緩くなって、道が左にそれてくると、ようやく奥又白池が近いことを感じさせる。潅木帯から草
 地に出て、振り返ると梓川の対岸に常念山脈が悠然を聳えているのが見える。
 草木の生い茂る崖を斜め左に登ると目前に奥又白池が飛び込んできた。 長かった苦労が報われる一瞬だ。
 池の畔にテントが一張りあったが、我々もその隣にテントを張って今夜の宿にした。
 先日の残り物で作った、わけの判らない料理を肴に、重いザックに忍ばせたビールで乾杯し、今宵の宴が始まった。
 
 今夜も雨音を聞きながら眠りにつく。
 
奥又尾根の取り付の岩場
厳しい登りの間に一時のやすらぎ
再び草木に掴まりながらの急登
急登を登り、振り返ると梓川の対岸に常念岳が出迎えてくれる
常念・蝶ヶ岳の表銀座の山々
青空を映して美しい奥又白池 前穂高岳東壁
今宵も楽しい夕餉が始まる
 ひとこと:こんなキツイ登りは初めてだ!
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