おしどり登山隊                                          日程表へ山便りへ ホームへ 

 岩手山(いわてさん):2038.1m
     岩手県滝沢村

 山の概要
  盛岡の風景は岩手山によって生きている。一つの都会に一つの山がこれほど大きく力強く迫っている例は、他に
  ないだろう。(中略)
  岩手山は古くから南部冨士と呼ばれた通り、秀麗な一個の独立峰には違いないが、しかし単純なシンメトリでは
  ない。その常型を破ったところにこの山の傲岸不屈な力強さがある。一に「南部の片冨士」とも称せられたのは、
  見る場所によって(北側や南側からは)半分は冨士形のなだらかな線を持っているが、あと半分は一様ではない
  からである。
  最も端正に見えるのは東側からであるが、しかしそこから頂上に登った時、この山はしたから察したほど単純で
  ないことを悟るであろう。われわれが東ノ山麓から仰いだのは、岩手山の首脳部には違いないが、更にそこから
  西岩手と呼ばれる複雑な地形が続いているのである。  −「日本百名山」深田久弥著よりー  
 Route Map馬返し登山口より新道を通り、山頂のお鉢を周回し、旧道を下山
 Road Map網張温泉から、県道212号線、219号線、279号線と乗り継ぎ、馬返し登山口駐車場へ。
 

 2014年7月3日(木曜日)
  晴

 網張温泉キャンプ場4:35。。。5:05馬返し登山口駐車場5:15  → 5:20キャンプ場5:25 → 6:05一合目6:10 →

 6:33 二・五合目旧道分岐 → 8:53七合目8:58 → 9:07八合目避難小屋9:14 → 9:31九合目不動平(軽食)9:46 → 

 10:02お鉢稜線 → 10:34岩手山山頂10:41 → 11:04九合目 → 11:16八合目避難小屋11:36 →

 11:44七合目(旧道分岐) → 12:22五合目(旧道) → 13:17 二・五合目新道合流 → 13:39 一合目13:45 →
 14:15キャンプ場14:23 →14:26馬返し登山口駐車場14:35。。。。 15:10国民休暇村網張温泉

 行動時間:9時間11分(休憩時間含む)
 昼食時間:15分
標高差1400m、急な登りにバテバテ
 
陸上自衛隊岩手山演習場に沿って、真っ直ぐな道を登り詰めたところにある馬返しに表登山路ともいえる柳沢
 コースの登山口がある。
 100台以上も停められそうな広い駐車場には前泊を含め、すでに10台以上の車が停まっている。
 馬返しの登山口から芝生の綺麗なキャンプ場を登っていくと休憩所と水場がある。この「鬼又清水」と呼ばれる岩手
 山の湧き水が溢れる水場で水を補給し、出発する。
馬返しの駐車場 馬返し登山口
キャンプ場とキャンプ場の水場(鬼又清水)

 駐車場の登山口とは別に、ここにも登山口があるが、こちらの登山口が正規のようだ。案内図や注意書きも多いし、
 登山届けのボックスもある。
 さて、いよいよ山頂まで標高差1400mに挑戦だ。登山口から一旦下り、緩やかに緑の森の中を登っていく。
 踏み固められた登山道は雨でも降れば結構滑りそうだ。それに木の根も複雑に張って歩きにくい箇所もある。
 30分ほど掛かり、やっと0・5合目。0.5合目なんて標識見た事が無い。旧道分岐があるが新道を行く。 更に20分
 登山口から40分も費やして、ようやく1合目に着く。標高差で250m登ったことになる。ベンチが設置されて休憩場
 所になっている。ここまでで結構疲れる。少しペースが速いようだ(標準では50分とある)。このまま行くと10合目の
 山頂へは何時間かかるの?
 まずは最初の休憩。水分を補給し、息を整えたところで1合目を出発する。
 1合目を後にすると、次は整備された横木の階段になる。見上げれば岩手山の稜線が青空をバックにくっきり見え
 ている。階段を登り切るとザレ場の開けた場所に出る。四角な豆腐石のある2合目だ。今度は所要時間15分だ。
 2合目を通過して、樹林帯に入ると2・5合目の分岐点がある。ここでルートは新道と旧道に分かれる。
 3合目にも休憩できるベンチや座りやすい石がある。2合目から20分ほどで着いた。旧道へ0.1kmの案内がある。
 せっかくの好意に甘えて2度目の休憩。
 4合目まで約20分。時間がコンスタントになってきた。此処にも旧道へ0.1kmの案内がある。ガイドブックにはこ
 こからは展望の良い旧道を登るのがいいとあるが歩き易いといわれている新道を登ることにする。風が当らなくて
 暑い森の中か、日光に当って暑いガレ場を行くか?迷うところだ。5合目辺りにに来ると視界が開け、旧道の急斜面
 を登る登る登山者がみえる。
 6合目は4合目から30分、 展望の開けた、つかの間の緩やかな道からの展望に一息つくが、すぐ樹林帯の掘れた
 道に入って行く。次々、ゴツゴツした火山性の岩場が現れ、乗り越えるたびに体力が奪われる。そんな道もついに行
 き止まりになり、梯子で脱出することに。砂防工事が施された道を通り、登山道は緩やかに左に向かって曲がって
 行く。
 登山口から3時間30分。7合目到着、これでキツイ急坂もいったん終了だ。晴れた空に聳える岩手山がまぶしい!
キャンプ場からの登山口 ブナの森を行く登山道
珍しい0・五目標識 登りやすい道が続く
遠くて長〜い 一合目 横木の階段が・・・稜線が見えてくる
四角な豆腐石 ザレ場
二・五合目旧道分岐 三合目 旧道へは0.1km
掘れた道には時々急な岩場が出てくる ハクサンシャクナゲ
五合目付近から見た旧道 人影が見える 六合目 展望の開けた、つかの間の緩やかな道
登山道が行き止まり梯子で脱出 砂防工事が施された道
旧道が合流する七合目  岩手山の全貌に感動する

 あとは8合目小屋まで、ほとんど平らな道だ。疲労困憊して、呆然と岩手山を見ながら休憩する。
 避難小屋までは10分ほどで着く。又、休憩するがどうも元気が出ない。元気良く出発する人が羨ましい。不調の原因はシャ
 リバテのようだが食欲は無い。9合目不動平まで行き、岩手山を正面に見ながらパンを甘いコーヒーで流し込む。さらに二杯
 目のコーヒーも飲み干すとやっと元気が戻ってきた。
 不動平から暫く緩やかな道を進むと急傾斜のザレ場をジグザグに登っていく。15分程で展望のよい火口縁に立つことが出
 来た。
 大多数の人が時計回りにお鉢を廻るが、50年前を想い出して、お鉢の中を歩いてみる。あの当時は噴煙も上がり、硫黄の
 匂いと地熱の熱さに戸惑ったものだが、今は静かで、穏やかな噴火口になったようだ。再び、お鉢の稜線に上がると赤く燃
 えるような岩手山が姿を現す。その山頂に向かって稜線を歩き、頂上直下のザレ場の急登に差し掛かると、外側の斜面に
 沢山のコマクサを見ることが出来る。
 急坂を登りきると360度の大パノラマが広がる頂上に達する。歩き始めて5時間20分、やっと標高2035mの岩手山山頂
 に立つことが出来た。
まだ先は遠そう! オオバスミレ
八合目避難小屋 「御成清水」の水場
            九合目 不動平                        岩手山を見ながらエネルギー補給
   1升目噴火口の縁から見る岩手山        花はコマクサ  
噴火口の中を歩く 稜線に上がると岩手山が姿を見せる
赤い山肌が印象的な岩手山       10:35 標高2038m岩手山登頂
山頂から下山方向を見る   後の雪の残る山は八幡平

 お鉢巡りは標高2000mの空中散歩だ。左に変化に富んだ噴火口、正面の遠く残雪の残る八幡平を見ながら、山
 頂から下って行くと火口縁の分岐がある。ここから火口縁と別れ不動平に下山する。登りに使った荒い砂礫のジグ
 ザグ道とは異なり、砂のような道が直線的に下っている。砂すべりの要領で一気に下り不動平へ。
 八合目でゆっくり休憩し、7合目から旧道を下る。
 岩場の道から急なザレ場の道へ。大蔵岩と呼ばれる大きな岩まで来ると5合目が近い。この岩、平成8年の地震で
 割れて現在の姿になったものらしい。見下ろせば遥か下に馬返しのキャンプ場と駐車場が見える。
 長い下りを降り切り、14時26分、総時間9時間10分で登山口に帰り着く。
 キツサが身にしみた山行きだった!
 、
 
標高2000mの空中散歩 お鉢から分かれて下山道へ
下山道は砂すべり 不動平へ 
7合目 旧道分岐 ミヤマハンショウヅル
エゾツツジ 岩場もある
         急なザレ場が続く旧道                 大蔵岩と呼ばれる大きな岩まで来ると5合目が近い
旧道五合目標識           遥か下に馬返しのキャンプ場と駐車場が見える(丸印)
キンコウカ 穂になったチングルマ
1合目からの長い道のりを経て登山口へ
 ひとこと:コマクサは焼き走りコースの方が多いようだ!
ページTOP 山便りへホームへ 

osidori登山隊