三つの滝とブナの新緑に癒されてー
福田頭は4年ぶりの山だ。今年はタニウツギの花付きはどうだろうか? ヤマシャクは咲いているだろうか? この
山には「熊注意!」の看板も「マムシ注意!」の立て札も無い。安心して登れる山だ!
集会所前の駐車場の大きな「福田頭登山口」の標識の上に「福田頭登山道入口 駐車場」の小さな標識が新しく
乗っかっている。この駐車場を正式に登山客に開放したということだろう。有りがたいことだ。
山仕度をして町道井西谷線を井西谷に向かって出発する。福田頭の山頂付近はまだ雲が懸かっているが、その内
晴れるだろう。
最終民家の前に架かる青い橋には真新しい頑丈な扉が設置されている。ここも猪対策には苦労しているのだろう。
圃場整備され、田植えの終わった田圃を横切り、林道に合流する。井西川?を渡る地点には新しい立派な橋が架
かり、その先も舗装された道が続いている。見覚えのある栗の木を巻くように、さらに工事中の林道が西に延びて
いる。広かった登山口広場も林道に占拠され、広場は無くなりカーブの先端に登山口の標識が立っている。
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福田頭登山口駐車場(マウス ON 拡大) |
町道井西谷線を山に向かって |
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山頂は雲を被っている |
最終民家のところから右へ |
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イノシシ避けの柵 |
荒れていた林道に立派な橋が付けられている |
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植林帯の中も・・・・・ |
登山口の栗の大木は無事だったようだ |
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福田頭登山口 |
木橋を渡って植林帯へ |
登山口からすぐの木橋を渡って、ヒノキ林の中を高巻いて登っていく。足下にはユキザサやチゴユリ等の白い花が咲
いている。左手に沢を見下ろしながら歩いて行くと沢に出る。補助ロープのある丸太の橋を右岸に渡り、斜面をジグ
ザグに登っていくと「一の滝」の分岐がある。よく踏まれた道を辿り、一の滝までは3分ほどの道程だ。分岐まで戻り
登山ルートを進み滝上に上がる。ここまではなだらかな道だったが、ここからは斜度が増し、小さなアップダウンを
繰り返しながら登っていく。沢が近づくと杉林の間から「二の滝」が垣間見えてくる。登山道から5mほど下り、滝を目
の前にして一休みする。「三の滝」までは15分ほどだ。滝の前を通り左岸に渡るのだが、そこにあったサワグルミの
巨木が無くなっている。初めて来た時には木の名前も知らず、そのすらりと伸びた姿に感動したものだが・・・・。
三の滝からジグザグの急登を過ごすと沢沿いの道を行く。三の滝上流の連続した小さな滝に沿って歩く道は沢歩き
のようで楽しい。暫く楽しむと道は沢から離れ、石積を越えて渓流の上の平坦な場所にでる。沢に架かる丸木橋を
右岸に渡り、さらに小さな流れを渡り返し、沢を詰めていくと湿地帯の広い谷間にでる。ネコノメソウやヤマエンゴサク
が咲き誇っているがヤマシャクヤクは見つからない。
再び谷筋の道を進むと沢の源頭部、登山道の左手に水場を確認できる。水場を過ぎ、ブナが目立ち始めると井西山
との鞍部、大波峠に着く。福田頭に向かう登山道だけで、西条町熊野に至る道は既に失われているようだ。
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植林帯の中から渓流沿いへ |
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丸木の橋を渡って右岸へ |
一の滝分岐 |
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沢に沿って |
石積を越えて渓流の上へ |
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丸木橋を渡り、更に小さな流れを横切り、沢を詰めていく |
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明るい広い谷 すらっと伸びたサワグルミ |
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明るい新緑の中を進むと水場がある |
峠で小休止した後、ブナに覆われた尾根をまっすぐに登っていく。大波峠(おおはのとうげ)から、このコース一番の急登を
20分頑張ると稜線の肩に上がる。そこから緩やかな稜線を10分ほど歩くと福田頭の山頂に達する。ナナカシワの木が疎
らに生えているだけで、ひときは明るい登山道を進むとレンゲツツジに色どられた山頂標識が迎えてくれる。やがてタニウ
ツギがレンゲツツジに代わり、これから山頂を華やかに飾るだろう。
山頂からの展望は辺りの木々の成長にともない、見え辛くなってきているが、岩の上に立てば中国山地の山々を遥かに
遠望できる。
木陰に陣取り、涼しい風に当りながら弁当を食べる。今日はなんとか食欲があるようだ。
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ツツジが色彩を添える |
開けた山頂部 |
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福田頭山頂 |
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山頂から西側の眺め 大万木山・猿政山の山並(左)と吾妻山(右) |
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山頂から東側の眺め 竜王山(左)と道後山(右) |
下山は稜線をさらに北に向かう。山頂部の「下山道」の標識のところから稜線を辿り、稜線の先端、「兎舞台頭」から急斜面を
西方の大規模林道の降りる。途中の開けたところからは池の段・立烏帽子が目の前に現れ、展望所からは眼下に広がる福
田集落が見下ろせる。
「兎舞台頭」から西に広がるブナの森は、大波峠からの登りに見られるブナと違い、素晴らしい巨木の森だ。
「兎舞台頭」から急坂を駆け下りながら見る、ブナの木の間越に比婆山系の山々は雄大で素晴らしい。笹床の尾根道から
ジグザグ道に入ると登山道脇もブナの巨木を見ることが出来るが、何とした事か二俣に枝分かれした片方が折れて無くなっ
ている。そして巨木の下には巨大な残骸が横たわっている。巨大な木も風雪に耐え切れなかったのか。
植林帯から急坂を下り、昇竜の滝へ。 昇竜の滝からは沢沿いの道へ、時には沢の中も歩き下山口へ。
後は大規模林道を重力に任せ、花を見ながらのんびり下って行く。
今年のタニウツギは花芽は多いが、時期がすこし早かったようだ。
林道から振り返ると福田頭の稜線がなだらかに空に線を描いている。
二人だけで滝を新緑を独占した静かな福田頭だった。
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下山道の標識 |
気持ちのいい尾根道 |
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池の段・立烏帽子は目の前 |
展望所から福田地区を俯瞰する |
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新緑が美しい尾根道を進むと稜線先端の兎舞台頭へ(マウス ON) |
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標高1066m当りから見る比婆山(上)と吾妻山(下) |
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河原の中を歩いて・・・・ |
下山口 |
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長い林道歩き |
ホウの花 |
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タニウツギ |
ガマズミ |
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振り返ると福田頭の長い稜線が・・・・・ |
集会所と駐車場 |
ひとこと:登山道脇のブナの巨木が折れていた事意外、何も変わらない優しい登山道に癒されました!・ |