標高差500m白布峠を越え、天元ロープウェイとリフトを三つ乗り継いで
前日(6月25日)は白布峠に向かう山登りの途中で天候不順の為、登山を断念し引き返した。後で聞けば雷の為
リフトも止まったとか・・・・。今日は素晴らしい登山日和だ。西吾妻スカイバレーのヘヤピンカーブの連続する急坂を
上り、東鉢山七曲りの展望台に立つと眼下に磐梯山と桧原湖を望み、遠くには残雪の残る飯豊山が一望出来る。
標高1400mの白布峠が近づくと吾妻山のなだらかな山並が姿を現す。県境の白布峠にはトイレを備えた広い駐
車場があり、数台の車が駐車している。そこから山形県側に一気に下ると白布温泉に至るが、その手前で右に曲
がると天元台ロープウェイ湯元駅に着く。
ロープウェイの始発(8:20)までには、すこし時間があるが乗客は少ないようだ。数組の登山客を乗せて天元台高原
に出発。標高1350mの天元台高原はリゾート地のようだ。ホテルにレストラン、それにペンション群もある。
天元台からリフト3期を乗り継ぎ、30分かけて、標高1820mの北望台まで上がっていく。見ればゲレンデの中を歩
いて上っている人がいる。下山途中で出会ったが3人の内一人がバテたみたいだった。北望台まで来れば、後は標
高差は200mほどだが・・・・。
、 |
|
|
絶景の東鉢山七曲り展望台 |
磐梯山、麓に桧原湖が見える |
|
|
残雪の残る飯豊連峰 |
前方になだらかな吾妻山が見えてくる |
|
|
ロープウェイ 湯元駅 |
リゾート地の天元台高原 |
|
|
リフトを三基乗り継ぎ北望台へ |
リフトを降りると石ころだらけの登山道になる。すぐ人形石への分岐があるが、ここは直進して山頂を目指す。荒れ
気味の横木の階段が現れると足下には花が目に付くようになる。サンカヨウ、ショウジョウバカマ、ミヤマカタバミ、
ミツバウオーレン等が、次第に数を増してくる。暫く横木の階段を登り、登山道が左に曲がるとると岩石に覆われた
「かもしか展望台」に着く。石に覆われた小高い丘だが、そこからの展望は素晴らしい。伸びやかな東北の山々が
何処までも続き、雪の残る飯豊連峰で終わる雄大な景色だ。
かもしか展望台から下り始めるとすぐ木道になり、笹を分けて暫く進むと開けた湿原の先に大きな雪渓が見えてくる。
木道は人形石の分岐を右にとり、雪渓に向かって伸び、やがて雪渓の下に隠れていく。
長い雪渓を渡り、雪解け水の流れる湿原を過ぎ、森に入ると大凹の水場がある。水場から先は再び雪道になる。初
めは目印や踏み跡があるがいつの間にか無くなり、道を見失う。引き返してもやはり道らしきものは見当たらない。
後ろからきた人も右往左往している。仕方なく強引に雪渓を登ると大きな岩が重なる河原のような登山道にでた。
急な河原状の道を登り切ると再び木道の道になる。雪渓で体力を使い果たしたのか疲れて、堪らず木道に腰掛て
休憩する。
木道の先には梵天岩の頂が見える。巨大な岩が折り重なった梵天岩の狭い頂からは360度の展望が開けている。
、 |
|
|
人形石分岐 |
緩やかな横木の階段 |
|
|
|
20分ほどで石のゴロゴロしたかもしか展望台へ |
ミツバウオーレン |
|
雄大な景色が広がるカモシカ展望台 |
下り始めると木道になる |
|
雪渓に向かって木道を下って行く。雪渓の背後の山は梵天岩 |
|
|
足下に咲くチングルマ |
|
山腹に残る大雪渓とミズバショウ |
|
|
ベニバナイチゴ |
イワイチョウ |
|
|
雪渓を渡り、雪解け水の流れる湿原へ |
大凹の水場 |
|
|
次の雪渓では道を見失い悪戦苦闘 |
雪渓から這い出ると河原のような登山道へ |
|
梵天岩目指して木道の階段を登っていく |
梵天岩に到着 |
|
|
梵天岩から見る西吾妻山 |
梵天岩から振り返る |
梵天岩を過ぎると、もうたいした登りは無い。標識に従い10分も歩けば天狗岩の広大な石の原っぱに着く。此処まで
来ると西吾妻山の全容を一望出来る。石を踏み、広場の奥(西端)まで行くと石に囲まれた吾妻神社の祠がある。
その前を左に降りていくと西大巓に至る道がある。急坂を下ると平坦な道になり、湿原の木道が現れる。天狗岩から
10分で西吾妻小屋に着く。周りにはミツバウオーレンが花盛りだ。
西大巓への道から別れ、西吾妻山山頂への道に入り、樹林の中の退屈な道を登っていくと突然、西吾妻山の山頂
標識が現れる。登山道の途中にあって展望も無く、百名山の頂としては物足りない山頂だ。山頂をそのまま過ごすと
15分で天狗岩の東端に帰ってくる。ここで西吾妻山を見ながら昼食にする。
、 |
|
|
西吾妻山全景、奥に見えるのが西大巓、 左手の岩場が西大巓への道 |
|
|
湿地帯から天狗岩を振り返る |
ミツバウオーレンの群生 |
|
|
西吾妻小屋 |
西吾妻山山頂 |
|
|
天狗岩まで帰り、西吾妻山を見ながら昼食 |
帰途は人形石を経由して帰る。木道の分岐からは素晴らしいお花畑が道の両側に展開する。愛らしいチングルマと
イワカガミの競演だ。楽しい漫歩に時間も忘れ、あっという間に人形石のある広場に着いた。ここも石の原っぱだ。
岩場のピークには「吾妻山高度指導標 現在地人形石1963.6m」の標柱が立っている。ここで西吾妻山ともお別
れだ。樹林帯の中の長い下山道が始まる。幾度か雪道を過ごし、サンカヨウショウやジョウバカマが足下を飾りだすと
登りの登山道に合流する。
この山のエピソードはもう一つある。一番上にあるリフトで下山中、ゲリラ豪雨に襲われたことだ。後数本の支柱を
残し、それは突然、激しく襲ってきた。リフトにしがみつき為すすべも無く、ずぶ濡れになるよりしかたなかった。
雷を伴って居なかったのが、不幸中の幸いか・・・・。 |
|
|
チングルマとイワカガミの群生 |
|
|
ミネズオウ |
ミヤマキンバイ |
|
|
人形石 ここも石の広場 |
|
人形石から 西吾妻山も見納め |
ひとこと:山頂を除けば、さすが百名山! |