鋸山(田原山)(のこぎりやま・たはらやま):542.0m 大分県豊後高田市
山の概要
鋸山は大分県北東部の豊後高田市と杵築市にまたがる標高542mの山である。鋸歯状の山容から地元では鋸山と呼ばれ、
地形図には田原山と表記されている。
国東半島特有の岩峰が連なる田染耶馬(たしぶやば)の中心にあり、山頂部は鋸の歯のように凸凹の岩尾根が長く連なって
いる。山頂からの視界は開けており、南側に由布岳・鶴見岳や別府湾・大分市街を望み、北側には周防灘を望む。
標高はそれほど高くないものの、鋸歯状の岩塊に架けられたクサリなどを使って登り降りする個所も多く登山の面白みを味
わえることと、岩稜からの眺望が良好であることから、幅広い登山者に人気があり、九州百名山および大分百山に選定され
ている。又、西側の中腹には国の重要文化財に指定されている国東を代表する熊野摩崖仏がある。
Route Map:鋸山登山口から反時計回りに周回
Road Map :山香温泉・風の郷から県道655号線を直進、約5分で鋸山駐車場に着く。 |
2019年3月18日(月曜日) 晴れ
山香温泉・風の郷8:45.。。 。。8:55鋸山登山口駐車場9:05 → 9:15見返り岩分岐 → 9:22囲観音分岐 → 9:35雫石 →
9日:50南尾根に乗る → 10:00大観峰分岐 → 10:15大観峰10:25 → 10:405八方岳10:45 → 11:00股覗き岩11:10 →
11:40無明岩(昼食)12:10 → 12:20熊野摩崖仏分岐 → 12:40大観望登山道合流 → 12:45登山口駐車場13:00。。 。。
13:20真木大堂。。 。。13:45富貴寺。。 。。14:34天念寺。。 。。15:45鉄輪温泉・東屋
行動時間:3時間40分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:30分 |
山香温泉・風の郷からは国東を代表する九州百名山の鋸山(田原山)と津波戸山が至近距離にある。今日はその一つの鋸山(田原山)
への登山だ。
国東といえば鋸山、その岩稜歩きは国東一である。昨日は中山仙境で岩稜歩きを練習して、痩せ尾根にも慣れてきた。
朝食をゆっくり済まし、宿の前の道を山に向かって車を走らせる。熊野摩崖仏分岐を左に過ごし、アップダウンする道を進むと鋸山トンネル
があり、その手前右に登山口駐車場がある。3段に分かれているが舗装されているのは一番下の駐車場だけだ。可愛いトイレと案内板の
ある雰囲気の良い駐車場だ。
目の前にはこれから行く鋸山のガタガタした痩せ尾根が顔を覗かせている。平日のせいか、駐車場には他の車はいなくて我々だけだ。
鋸山の散策ルートを示した案内板には、ルートとして時計と逆回りの矢印が記されている。我々も案内図に従い登ることにする。
登山口は駐車場から道路を挟んで反対側にあり、刈り込まれたサツキの間を通って行く。杉木立の中を緩やかに登っていくと前方が開け
「見返り岩」分岐が現れる。5年前の伐採された切株の残る道を大観峰に向かって登ってい。左手には縦走路の断崖の壁が迫ってくる。.
しばらく行くと「囲観音」分岐ががある。伐採したお陰で、鋸山の荒々しい岩峰が行く手に聳えるのが一望出来る。
岩壁に囲まれた登山道はその中心に向かって伸びている。暫く行くと「雫石」という岩に出会う。鬱蒼とした杉林の中に有ったときは苔むし
ていたが、今はただの丸い岩にすぎない。
雫石をすぎると急激に傾斜が増し、南尾根に向かって一気に高度を上げていく。今日一番の急登だ!。
斜面をトラバースしながら回り込むとやっと南尾根に乗る。南側は切れ落ち、まさに馬の背だ。右手の南尾根先端へは通行止めの看板が
掛かっている。
下の方には山香方面の町が見え、反対側にはこれから向かう大観峰、そして八方岳から続く痩せ尾根の景観が広がっている。
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鋸山駐車場 |
鋸山登山案内板 |
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鋸山登山口 |
スギ林を抜けると「見返り岩」分岐がある |
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伐採された切株の残る道を大観望へ |
「囲観音」分岐 |
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目の前に聳える岩峰に向かって登っていく |
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巨大な岩峰が威圧してくる |
雫石 |
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南尾根から縦走路の岩稜を望む |
南尾根を左手に登っていき、八方岳手前の鞍部から大観峰に向かうが、どうもこれは大観峰への迂回路だったようだ。ザックをデポしてい
た為、ここに引き返すことになってしまった。デポするなら八方岳が正解のようだ。
鞍部からロープの張られた急坂を下り、大観峰の根元へ。木の根が絡まる先は長いクサリのある岩が立ちはだかっている。右手には迂回
路もあるようだが、迷わず鎖を登る。一旦、長い岩場を登ると平坦な踊り場に出て、次は団子を重ねたような痩せ尾根の岩場が現れる。
クサリ場を登り切り、少し行くと待望の大観峰のピークだ!
大観峰からの展望は最高だ。振り返ると八方岳の見事な岩峰群が展開し、南には山香平野の彼方に由布岳が霞んでいる。
暫く、景観を楽しんで、大観峰を後にする。足場を探しながら慎重にクサリ場を下り、急坂を登ってザックをデポした鞍部へ再び戻り、ゴツ
ゴツした痩せ尾根を登ると鋸山の山頂部になる八方岳のピークに達する。ここからも絶景を楽しむことが出来る。
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「南尾根・大観峰」の標識 |
南尾根のピークから大観望を望む |
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鞍部の大観峰分岐 |
ロープの張られた急な下り |
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大観峰のクサリ場 2段になったクサリ場はこのコース最大の難所か? |
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大観峰から八方岳の岩峰を見る |
大観峰山頂 |
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由布岳を見て、直下の岩を降りる |
次のクサリ場へ |
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八方岳と三角点 |
鋸山縦走路全景 |
三角点を確認し、鋸山の縦走路全景を見渡した後、無明岩へと続く痩せ尾根の周遊コースに入っていく。八方岳から一旦下っていく。
滑落事故が多いのか、頻繁に事故多発の看板が目に入る。先に進んでいくと足場のアンカーが打たれた垂直な登りの岩が現れる。
アンカーを使って登り切ると、次は岩峰の端に取り付けられたクサリ場をトラバース気味に回り込みながら登ると再び痩せ尾根の上に出る。
目の前の急坂を登ると股覗き岩のピークに出る。ここで絶景を見ながら小休止し、エネルギーを補給する。
股覗きを後にすると、ここからはしばらくは軽快な痩せ尾根歩きとなる。青空の下、心地よい風を受け、周りの景色をたのしみながら軽快
に進んでいく。眼下には南尾根への急坂を登る一組の登山者も見える。
暫く進み、ロープの架る崖を谷底に下ると、「囲観音」の標識がある分岐に降り立つ。 そこには「囲観音周辺地点間距離図」の案内板が
立っている。囲観音への道を左に見送り、樹林の中を登り返し、再び痩せ尾根に出ると丸い岩が道を塞いでいる。岩には足場が掘って有り
岩の上部には取っ手のアンカーが打ってあるので容易に乗り超えることが出来た。
断崖の縁に付けられた登山道を進み、頂上の岩を越えて緩やかに下っていくと断崖の先端からUターンするように一気に下っていく。
登り返すと無明岩の下の棚。縦走路から回り込むように少し登ると無明岩のピークだ。
ここも素晴らしい展望が広がっている。目の前には先ほどUターンした崖の先端が見えている。11時40分、ここで昼食にする。
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大観峰を振り返る |
岩稜歩きの周遊コースへ出発 |
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最初の難関 足場のアンカーが打たれた垂直な岩を登る |
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クサリを持って岩棚をトラバース |
股覗き岩への登り |
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股覗き岩で休憩 |
南尾根 |
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快適な尾根歩き |
「囲観音」分岐にある案内図(画像クリックで拡大地図) |
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丸い岩をよじ登り、絶壁の上の縦走路へ |
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無明岩 |
無明岩から振り返る |
無明岩を過ぎると痩せ尾根は目の前の行者尾根だけだ。昼休み中に無明岩にも登らず追い越していった登山者が登っているのが見える。
無明岩から少し下って、登り返せば行者尾根だ。ゴツゴツした痩せ尾根を登り、ピークの岩を越えると杉林の中へと入っていく。
もう危険なところはない筈だ? 樹林帯をしばらく行くと熊野摩崖仏への分岐がある。荒れ気味の急な道が下っているが・・・・。
熊野摩崖仏への分岐を過ぎると見返り岩の標識があるが、展望は望めないが、その近くの木立の間からは大観峰や八方岳から城壁のよ
うに連なっている岩壁を望むことが出来る。
見返り岩を過ぎると支尾根の急で長い下りの岩場が待っている。上りならともかく、下りは危険だ。まだ、こんな岩場があるとは!
前を向いたり、後ろ向きになったりしながら岩場を下り切り、登山口まで510mの標識まで来るとやっと傾斜が緩んでくる。
見返り岩分岐で登りの登山道と合流し、12時45分、無事駐車場に帰ってきた。
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縦走路最後の岩場 行者尾根 |
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やっと樹林帯へ |
熊野摩崖仏分岐 |
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見返り岩から縦走した岩稜を振り返る 城壁のような岩壁が続いている「 |
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見返り岩を過ぎると支尾根の急で長い下りの岩場が待っている |
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「登山口へ510m」の標識 |
駐車場へ無事帰還 |
ひとこと:昨日の中山仙境ほどの高度感はないが、尾根の狭さ、クサリ場の多さ、険しさから言えば鋸山の方が上だろう! |