中山仙境(なかやませんきょう):316.9m 大分県豊後高田市前田
山の概要
中山仙境は国東半島の中ほどに位置し、旧香々地町の山奥にある夷耶馬の中心をなす山塊で、切り立った奇岩、怪岩が林立
しており、稜線のピークが三角点のある高城(標高316.9m)となっている。
この秀峰の岩稜を尾根伝いに歩く登山道は道標やクサリがよく整備されており、多くの石仏を巡りながら、スリリングな石橋や
クサリ場を楽しむことが出来る。
Route Map:前田登山口から坊中下山口へ縦走
Road Map :竹田津から国道213号線を西進し、香々地で県道653号線に乗り夷(えびす)を目指す |
2019年3月17日(日曜日) 晴れ 強風
竹田津港9:20.。。。。9:45前田駐車場9:50 → 9:55中山仙境登山口9:57 → 10:20木の根のトンネル →
10:32 189mピーク → 10:42 207mピーク(休憩)10:47 → 10:53 十字路 → 11:22無明橋 → 11:45高城(昼食)12:05 →
12:23 下山口分岐 → 12:35隠洞穴 → 13:00坊中下山口 → 13:08河川プール登山口駐車場13:12 → 13:25前田駐車場13:30
1。。。。宇佐神宮。。。。熊野摩崖仏。。。。16:40山香温泉・風の郷
行動時間:3時間35分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:20分 |
竹田津から国道213号線を西進し、香々地の中心部で県道653号線に乗り、東に向かっていくとこんもりとした低山の奥にゴツゴツした
岩稜の山が見えてくる。その手前にある前田駐車場に車を停め、駐車場の隅にある「釣り鐘狩り場の話」?の説明板を読み、出発する。
駐車場からは5分で前田の中山仙境登山口に着く。立派な案内板に目を通し縦走コースの概略をインプットして登り始める。
登山口の庚申塔に見送られて階段を登り始めるとるとすぐ弘法大師の石像が出迎えてくれる。 照葉樹主体の自然林の中、整備された
登山道を登っていく。
丸太の横木の階段が随所に現れ、小さなアップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。コース沿いには札所の標識もあり、
次々と石仏が現れる。これは弘法大師とそのお伴で、2体が一対となっている。
登山道は椿や樫などの照葉樹林で、尾根筋の木漏れ日の道が気持ちいい。野鳥のさえずりを聞きながら登っていくと大きな木の根っこが
道を塞いでいる。根っこの穴を潜り抜け、更に登っていくとアップダウンの小さなピークごとに札所の石仏があり、展望も開けてくる。
木の根が道一面を覆う平坦な道を過ぎ、小さな岩場を登ると189mのピークに着く。
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前田地区駐車場 |
消防団の建物の裏にトイレがある |
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登山口にある中山仙境案内図 |
中山仙境登山口 |
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登山口にある庚申塔 |
整備された横木の階段 |
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2体の石仏 |
この痩せ尾根は怖くない・・・ |
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第?番札所 字が消えて読めない! |
倒木の根のトンネル |
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根のトンネルを潜る |
札所の案内が無くても石仏はある |
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木の根が覆う道 |
少し岩場が出てくる |
標高189mピークの木の間からは、次に目指す岩峰の岩肌が間近に迫り、それから連なる中山仙境の荒々しい稜線を一望出来る。
つぎのピーク(207m)までは約10分で着く。このピークは樹木が無く360度の展望が広がっている。その代わり、今まで感じなかった強風
がまともに吹き付けてくる。
山頂には2対の石仏が鎮座している。ふりかえれば、先程まで居た標高189mピークの岩峰が眼下に見え、左手には夷耶馬の大パノラ
マが展開している。そして行く手には山頂の高城をはじめとする岩峰群が聳えている。 岩峰群の手前にはこれから向かうピークが小さく
なって、岩峰群にかしずいている。
そのピークにも一対の仏様が祀る祠がある。ピークから下っていくと小鞍部の四差路分岐に着く。案内標識によると北からの夷耶馬コース
と南からの小野迫コースが合流しているようだ。南北を抜ける昔の峠道だったのかもしれない。
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標高189mピークからの眺め 連なる岩峰が凄い! |
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標高189mピークにある石仏は第三番札所 |
標高189mピークの岩峰が眼下に (207mピークから) |
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標高207mピークの石仏は4体 |
夷耶馬の景観 |
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行く手に聳える岩峰群 矢印が次のピーク |
ピークにある祠 |
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坊中からの登山道が合流する四差路 |
無明橋まで500mの標識 |
四差路の先に「無明橋まで500m」の標識があり、クサリ場も見えてきた。いよいよ岩稜コースの始まりだ!クサリでピークを乗り越し、岩
稜の尾根道になると周囲の様子が一変してくる。奇岩怪岩の林立した耶馬の景色が広がり展望は抜群だが、両側が切り立った崖の上に
立つと突風をもろに受け、思わず足がすくむ。 階段状に足場を切ったクサリ場を登ると巨岩の岩窟に石仏を祀った第?番札所がある。
巨岩のピークから少し下り、鞍部から連続するクサリ場を登るとやがて、中山仙境一の見所、無明橋が目の前に現れる。
岩と岩との間に架けられた3m程の石橋で、2枚の平石を両側から突き合わせた形式の橋だ。
副隊長は突風の合間を縫って渡ったが、隊長は安全な横道で通過する。 橋を渡って振り返る景色も抜群だ! 登ってきた尾根筋が北西
に連なり、所々に突き出た岩峰が懐かしい。
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最初に現れたクサリ場 |
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痩せ尾根から下を覗く副隊長 |
長いクサリ場を登る |
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巨岩の岩窟に第?番札所の石仏 |
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連続するクサリ場を登る この岩場を越えると・・・・・ |
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無明橋を渡る |
無明橋から歩いてきた岩稜を振り返る |
無明橋を過ぎ、クサリ場を登ると石のゴロゴロした痩せ尾根になり、稜線の先には中山仙境の最高点、高城の山頂が見える。
「高城(山頂)まで300m」を見て、尾根から右下へとクサリの張られた斜面をトラバースしながら最低鞍部まで降り、小さな石橋を渡って
右尾根へと登っていく。第九番札所の洞窟を過ぎると間もなく尾根上に出る。クサリ場を伴った高城はもう目の前だ。
岩のゴツゴツした稜線を辿り、クサリ場をクリアすると中山仙境の最高点・高城(316.9m)に達する。山頂には第十番札所の祠と天照
皇大神の石碑が天に向かって立っている。
素晴らしい展望が広がっているが、強風で立っていることもできない。山頂の裏に廻り、風を避けながら昼食にする。
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クサリ場を登ると石のゴロゴロした痩せ尾根になり、稜線の先に高城の山頂が見える |
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一旦尾根から降りて、谷底の石橋を渡り、山腹の斜面をトラバースする |
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尾根に登り返すを高城は目の前 |
高城へのクサリ場を登る |
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高城(316.9m)山頂 |
高城から縦走路を振り返る |
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山頂の祠は第十番札所 |
縦走ルート最後のピークが見える |
山頂の裏側からは縦走ルート最後のピークが見えている。ピークから樹林の中を鎖を伝って一旦下り、岩のゴロゴロした痩せ尾根を鎖に
掴まりながら登ると最後のピークに到着。ここは高城の陰になるのか風は和らいでいる。腰を下ろして、高城や奇岩など夷耶馬の絶景を
ゆっくり楽しむ。
これから進む道は両側が切れ落ちた見事な釣り尾根の道だ! もう一度、気を引き締めてクサリで降りていく。ナイフエッジは両側に草が
生え、さほど恐怖心はわかないし、快適な道だ。
ナイフエッジの岩稜をそのまま進むと、断崖のてっぺんに出て行き止まり。千尋の谷を覗いたら、岩稜の縦走コースは終わる。
少し引き返えして、北側の崖からクサリにつかまって急激に下る。この辺りが、このコースの一番危険個所。斜面には樹木があり、気分的
には恐怖感は薄れるが、細心の注意が必要だ!中腹まで降りてくると、崖際に付けられた細い道を鎖に捕まりながら渡っていく。左上は
先ほど歩いたナイフエッジか? 右下は千尋の谷だ。
しばらく行くと「隠洞穴」と呼ばれる洞窟があり、そこから右下に入っていくと自然林の谷筋の道になる。荒れ気味の苔むした岩ゴロ道は歩
き難く、気を緩めることは出来ない。 やがて植林帯になり傾斜が緩くなってくると、歩きやすくなり周りも見えてくる。 林床にはサツマイナ
モリの白い花が咲き、開花を待つフタリシズカが群生している。
荒れた竹林が見えてくると下山口は近い。車道に出ると「下山口」と書いてあり、ここに降りてくるコースが正規と言うことだろう。
キケマンやミヤマハコベが道端に群生する車道を歩き、橋を渡って県道に出ると、夷耶馬の駐車場に到着する。ここが河川プール登山口
、トイレが改修中だ!
夷耶馬駐車場から約15分、出発点の前田駐車場に無事帰還。岩稜のクサリ場や無明橋の天上歩きなど面白い山歩きだった!
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最後のピークへ |
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高城を振り返る |
奇岩の先にダムも見える |
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両側が切れ落ちた見事な釣り尾根 |
最後のピークから降りてくる副隊長 |
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痩せ尾根を行く |
下山口分岐 |
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分岐からは今日一番の危険地帯 |
鎖の張られた断崖の道 |
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隠洞穴 |
谷筋を下っていく |
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サツマイナモリ |
フタリシズカ |
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下山口 |
夷耶馬駐車場(河川プール登山口) |
ひとこと: 中山仙境の全体写真は県道沿いの「一路一景公園」から! |