福王寺山(ふくおうじやま):496.2m 広島県広島市安佐北区可部
山の概要
福王寺山は広島市安佐北区可部の市街地の西北にある標高496mの山で、山頂近くには「安芸の高野山」といわれる真言宗
の古刹・福王寺がある。南原(なばら)からの登山道・大師坂参道が古いが、次第に亀山からの登山道・不動坂参道や観音坂
参道、それと大畑からの登山道・阿弥陀坂参道の利用が多くなっている。
仁王像のある山門を潜って階段を登ると燈明杉と呼ばれる巨木群があり、荘厳な本堂をはじめ多くの宇堂が並ぶたたずまいは
「安芸の高野山」と言われるに相応しい。裏に回ると金亀(きんき)伝説を有する池があり、金亀山が福王寺の山号になっている。
金亀池から「頂上 三鬼堂」の標識を辿ると10分で最高地点の三鬼堂に着く。さらに5分ほど歩くと三角点のある山頂に着く。
1977年9月(昭和52年)落雷による火災が発生し、旧金堂を焼失。現在の金堂は1982年(昭和56年)再建されたものである。
Route Map:福王寺口登山口から不動坂参道を登り、大師坂参道を周回下山する
Road Map :山陽自動車道広島ICから国道54号線を北進し、可部バイパス民文化センター入口交差点を左折し福王寺口へ |
2018年11月27日(日曜日) 曇り後晴れ
ホーム8:00.。。。。福王寺口9:20 → 9:47堰堤 → 9:55峠の分岐 → 10:04展望台10:25 → 10:48観音坂参道分岐 →
10:51福王寺駐車場10:55→ 11:07仁王門〜福王寺境内〜金亀池11:40 → 11:53三鬼堂 → 12:00福王寺山三角点(昼食)12:55→
13:23大師坂参道下山口 → 14:00大師坂参道登山口 → 14:20峠の分岐14:26 → 14:50福王寺口。。。。 16:00ホーム
行動時間:5時間30分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:55分 |
広島市近郊には「寺」の名が付く山が4山ある。蓮華寺山、極楽寺山、鎌倉寺山、そして福王寺山。このうち、鎌倉寺山には現在お寺は
残っていないが、鎌倉廃寺跡がある。蓮華寺山は、かっては山頂付近に蓮華寺があったが、現在は麓に移転している。そして極楽寺山と
福王寺山には、現在も山頂付近に大きな寺が残っている。 今回はそのうち未踏の福王寺山に登ることにする。
国道191号線にある福王寺口バス停の石柱から北に向かって住宅街をゆるやかに登っていく。参詣道らしい法灯を過ぎると不動坂心経道
と記されている丁石がある。ここから福王寺口のの入口まで般若心経の文言を彫った丁石に導かれて登る参道ということだろう。
しばらく行くと「仁王門迄二十四丁」の丁石がある。約2.6kmの距離だ。その丁石の先で福王寺自動車道が分岐し、歩道の参道となる。
分岐には小さな石柱に「左 福王寺自動車道」とあるが、車で来た場合、見分けることが出来るのだろうか?
福王寺口から25分で大きな砂防堰堤の下に着く。堰堤の左手の舗装された緩やかな階段の坂を登っていくとやがて地道の登山道となり、
やがて南原からの道が合わさってくる峠に着く。7,8人の年配の団体が賑やかに降りてきた。毎朝恒例の展望台までの散歩だという。
峠から少し傾斜の増したジグザグ道を登ると十四丁の丁石がある展望台に着く。ここでも休憩中のご老人と長い山談義で時を過ごす。
目の前の白木山はガスの中だが、阿武山は間近に見える。阿武山と白木山に挟まれて可部の町並みが南に延びている。
北の堂床山と可部冠山はかすかに見えている。未踏の高松山は白木山の手前では小さく見える。いつか登ろう!
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福王寺口の石柱 |
参詣道らしい法灯 |
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不動坂心経道と記されている丁石 |
仁王門迄二十四丁の丁石 |
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自動車道分岐 小さな石柱に「左 福王寺自動車道」とある |
大きな堰堤 |
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左手の坂を登っていく |
遊歩道をいく |
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大師坂参道入口からの道が合流してくる峠 |
広く整備された地道の参道 |
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ジグザグ道を行く |
展望台 |
展望台から車道を横切り、岬のように突き出た尾根への階段を登る。開けたところからは揚水式ダムの南原ダムが見えている。
福王寺自動車道を下に見ながら、緩やかなアップダウンを繰り返し、ほぼ尾根上を進んでいく。六丁の丁石で観音坂参道が合わさって
くると、間もなく階段を下りて車道に合流する。ここが車道の終点で福王寺駐車場だ。ここは四丁石。
金亀山福王寺の石柱と金仙の亀の石碑がある。寺発祥の縁起の良い亀の背中を撫でて、残り四丁の参道に向かう。
入口にはモノレールがあり、ここから先も平坦ではないんだと思わせている。不動明王が並ぶ参道を登っていく。やっぱり急だ!
駐車場から10分ほどで「南原(可部バイパス) 1.5km」の分岐がある。帰り道に予定している大師坂参道だ。ここが1丁石だ。
ここからは石畳と石段の道となり、山門の手前で寺をガードするように巨岩がむき出しとなって屏風のように尾根を遮っている。巨岩の
隙間から尾根を迂回して大岩の裏側に回って行くとやがて仁王門が見えてくる。
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車道を横切り参道へ |
揚水式ダムの南原ダム |
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観音坂参道下山口 |
福王寺駐車場 |
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駐車場の紅葉 |
金亀山福王寺の石柱と金仙の亀の石碑(マウス ON) |
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モノレール |
不動明王が並ぶ参道 |
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大師坂参道下山口 |
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福王寺で最も古い建築物の仁王門を潜ると石段が聳え、本堂の屋根が見えてくる。石段を登ると巨大な本堂が聳えている。
大屋根と下屋根の間に大斗と肘木、木組みを露にして荘厳さを増している。大屋根の下に裳裾の屋根を巡らしている。この本堂は1982年
(昭和56年)に再建されたものだが、昔の規模のまま再建されたと思うと、この山中にどうやって建築したのか、唯々驚くばかりだ。
大師堂、阿弥陀堂、鐘楼、客殿、事務所、他にも多くの堂宇が並ぶ境内は大寺院の風格が溢れている。
本堂の前に立ち並ぶ燈明杉と呼ばれる巨木群の前を通り、大師堂と本堂を繋ぐ廊下の下を抜けて、歩いていけば金亀池(寺の起源に関
わる瑞翔の池)がある。
池を半周して、尾根の方向に進むと「お山めぐり」の標識があり四国八十八か所を模した石像が並んでいる。荒れ気味の急な道を登って
いくと歩きやすい道と合流して進み、急登を登ると福王寺山の最高地点に達する。
山上には三鬼堂、三鬼大権現のお堂がある。これは拝殿、後ろに回ると、本殿の屋根は風に吹き飛ばされ哀れな姿になっている。
気持ちの良い尾根道を緩やかに下っていくと電波塔の立つ三角点峰の山頂に出る。明るく切り開かれた山頂広場で昼食にする。今年初
めてのうどん定食だ。
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仁王門 (福王寺最古の建物) |
福王寺本堂 |
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燈明杉 |
宇堂の並ぶ境内 |
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阿弥陀堂 |
金亀池へ |
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金亀池 |
頂上 三鬼堂の標識 |
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お山めぐり |
三鬼堂(福王寺山最高地点) |
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気持ちの良い尾根道 |
福王寺山三角点峰 |
昼食後、小春日和の山頂でぼんやりと時間を過ごし、尾根道を引き返す。三鬼堂を過ぎて、帰りは金亀池からの分岐を直進すると異様な
風景が広がっている。白骨林となった杉林が林立している。焦げた跡があるから山火事になったのだろう。本堂も落雷で何度も焼失して
いる。焼け跡で道が二分している。焼け跡の中の道は踏み跡が薄いので、左の道を採ると阿弥陀堂の裏に出た。
山門を潜り、南原分岐まで戻り大師坂参道を降りていく。この道は整備などされていなくて、階段は崩れたままで落ち葉の積もった荒れ放
題の道だ。ただ、道幅は広くて立派な道だ。かっては多くの参詣者が通った表参道の面影が残っている。
それにしても、凄いジグザグ道で切り返し、折り返し、しながら下っていく。この参道にも丁石があるが、不動坂参道とは違って下り方向に
カウントダウンしている。これは珍しい!
ジグザグの急坂は20分も続く。広い参道の中央部は落ち葉と枯れ枝が集積し歩くことが出来ないので、斜めになった縁を歩かなくては
ならない。
傾斜が緩み、平坦になると快適な道になる。出口の大分手前に一丁の丁石を見つけるとその先に民家が見えてくる。
墓地の前に「仁王門迄□□」の石柱がある。ここが大師坂参道の入口だ。
舗装路を右に採り、緩やかに登っていく。民家が尽きて、資材倉庫や土砂採り現場を過ぎると間もなく車道終点となる。終点には広場があ
り、数台は駐車できそうだ。
広場の左手にある細い山道を登るとベンチのある峠に着き、不動坂参道に合流する。
ススキの揺れる遊歩道を下ると砂防堰堤。向かいの山の紅葉が陽光を浴びて美しく輝いている。
市街地の参道をのんびり下れば、参道入口だ。
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白骨林となった杉林 |
鐘楼と紅葉 |
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南原へ 大師坂参道下山口 |
ジグザグの広い道 |
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やっと歩きやすい平らな道へ |
どこまでも広い参道 |
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大師坂参道入口 |
林道終点 駐車広場 |
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秋が進む遊歩道 |
堰堤 |
ひとこと:素晴らしい伽藍は噂通りだ! |