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 十種ヶ峰(とくさがみね):988.8m        山口県山口市阿東町徳佐

 山の概要
  山口県阿東町と島根県津和野町との境に位置し、その秀麗な尖峰は南麓の徳佐から眺めると、マッターホルンを彷彿させる。
  しかし、西側から見ると、北西斜面は、標高約600mと800mの2段の緩斜面で、その上に小さな尖峰をのせた形をしている。
  毛無しの山頂からの展望は日本海、瀬戸内海をはじめ、遠く三瓶山まで及び、その美しさとともに県内では山の女王の座に
  ある。長門富士とも呼ばれ、御食主命(みけぬしのみこと)が「十種の神宝」をこの山に埋めたのがこの山の由来という。
  入会地であったために、昔は山焼きが行われ、樹林が貧弱な草山であるが、中腹以高は貴重な植生を示し、チシマザサの群生
  は県内でも他に類がなく、8合目辺りの黒松の点生も珍しい。ホソバシロスミレは北方系の日本では稀な種類で、またアカモノ
  はこの山が南西限という。
  標高590mにある野外活動センターから山頂まで1時間10分、南東の福谷池からは名賀越を経由し1時間30分、また南麓の
  神角(こうづの)からは、ヤマシャクの群生する谷を登るヤマシャクルートと尾根を登る神角ルートはともに2時間の行程である。
       −ヤマケイオンラインからー
  
 Route Map神角ヤマシャクルート登山口から山頂を目指し、神角ルートを下山
 Road Map中国道鹿野ICから国道315号線を北上し、神角の道標に従い右折して登山口へ
 以前の十種ヶ峰:2010.11.28(8合目駐車場から) 

 2017年5月11日(木曜日)
  晴れ

 ホーム6:30.。。。。8:35神角シャクヤク駐車場9:00 → 9:03 生木のお地蔵さん → 9:42林道終点9:47 → 9:52谷に降りる→ 

 10::00ヤマシャク下山道分岐10:08 →10:40尾根道 → 11:05十種ヶ峰山頂(昼食)12:00 → 12:05熊野神社→ 12:20神角分岐 →
 12:34植林帯 → 12:45ジグザグ道 → 13:12工事中の砂防堤 → 13:27駐車場13:35。。。。 16:30ホーム

 行動時間:4時間27分(休憩、昼食時間含む)
 昼食時間:55分

 天気が悪く、神角コースからの登山を断念した2010年頃は、まだヤマシャクのことは一般的に知られていなくて、登った場所を非公開に
 してブログで紹介されていたが、その後自生地が一般公開され展望の山は花の山としても人気の高い山になった。
 今回は少し遅くなったが、花が残っていることを祈りながら、ヤマシャクルートを登り神角ルートを下る行程でリベンジすることにした。
 国道315号線から、神角の道標に従い右折して2kmほど進むと、駐車場のマークと共に、八幡宮に入る細い道の入口に「十種ヶ峰ヤマ
 シャクヤク鑑賞登山案内図」の大きな案内板が立っている。
 案内に従い神角八幡宮に入る細い道を進むと正面に神角神社が祀られており、神社の境内とその右手に広い登山者用の駐車場がある。
 駐車場には車が1台駐車しているだけで閑散としている。やはりヤマシャクは終わってしまったのか?
 登山支度をして、神社横の舗装された林道を十種ヶ峰を正面に仰ぎながら登っていく。
 「神角の枝垂桜」が葉桜となって道を覆う、その下を潜り緩やかな舗装路を進んでいくと、大きな椿の下に生木地蔵が祀られている。
 昔、この椿の根元は二本に分かれていて、その間に仏像が置かれていたが、木が大きくなるにつれ仏像を包み込んでしまった。それでこ
 の仏像を生木(いきき)地蔵と呼んでいるそうだ。
 お地蔵様を過ごすとイノシシ避けの柵があり、ゲートの中に入って閂をしっかりかけておく。ゲートにはヤマシャク登山道は登りの一方通行
 をするように注意書きがある。
 路傍に咲く春の山野草を楽しみながら歩くと間もなく植林帯に入っていく。黄色のガードレールの橋を渡り、明るい登山道を進むと、左に
 堰堤を過ごす。左に水源かん養保安林を見て、更に進むと足下は未舗装路からコンクリート舗装の道に変わる。一旦、未舗装の道になり
 再びコンクリート舗装の道になると傾斜が増して、きつくなってくる。そしてスギ林を抜けると間もなく林道終点に着く。林道終点の広場から
 一段高みに登ると大きな砂防堰堤に上がる。堰堤に腰かけて小休止。
登山者用駐車場 駐車場の案内板
十種ヶ峰(中央)に向かって進む 枝垂桜の巨木
生木(いきき)のお地蔵さんとイノシシ避けの柵(マウス ON) 直線コースの林道は結構な坂だ
林道終点 一段上の堰堤で休憩 ガマズミの花

 林道終点からは山道となり、左下に沢を見ながら”注意!!”書きのある山腹の道を辿ること5分で谷へと入っていく。 谷道とは言え水の流
 れは無く、荒れた谷道も歩くのに支障はない。暫く歩くと目の前に大きな岩壁が現れるが、ここには補助ロープが設置してあり簡単に上の
 段に登ることが出来る。 ラショウモンカズラやハクサンハタザオが競い合って咲く道を登っていくと一旦谷底から離れるが再び谷底へ降り
 ていく。「危険」と書かれた倒木の横をする抜け、古い堰堤の手前から左手の道を登っていくと堰堤の左端に着く。
 堰堤の対岸には一方通行の下山口の標識があるが、登りはそのまま直進する。
 やがて沢が二股に分かれ、左手の沢に最後の堰堤が見えてくる。沢を渡り、右手の沢へ入っていくと保護ロープ柵に囲まれた荒れた道に
 続き、歩きやすい道に変わるとヤマシャク自生地が現れた。 
 観賞用ロープに囲まれた登山道をヤマシャクの花を求めて登るが、谷を埋め尽くすのは花を落とした株ばかり。この2日間の雨ですっかり
 花びらを落として、残っているのは3輪だけだった。自生地入口から終点の稜線まで約20分の鑑賞道は左右にロープが渡されており、ヤ
 マシャク鑑賞はこのロープ内でするように注意されている。稜線が近くなると傾斜が増し、急な階段道を登ることになる。
 
林道終点からは山道 ”注意!!”の看板
谷へ降りていく キランソウ
渓谷歩き、岩場にはロープが張ってある              ラショウモンカズラ&ハクサンハタザオ
一旦谷底から離れるが再び谷底へ 倒木の横をすり抜け古い堰堤の上に出る
ヤブジラミ?            新緑に包まれた渓谷を行く
谷間を埋めるヤマシャクの株 まともな花はこの一輪だけ
保護ロープの張られた急坂 稜線に出る

 稜線に出ると福谷池からのルートが合わさってくる。イカリソウやスミレの咲く尾根道は展望が開け神角集落を眼下に一望できる。
 この尾根道、展望も良く、爽やかな風も吹くが、真上に山頂部が見えるほどの急登だ。25分ほどかかり、独特の形をした方位盤と
 一等三角点の鎮座する十種ヶ峰山頂に到着。360度の大展望も霞み気味で、津和野の青野山や高岳山・三ヶ峰・野道山・飯ヶ岳と続く
 山並みは確認できたが、写真では霞みの中に隠れてしまう。
 山頂から少し北方面に移動し、昼食を採っていると、8人組のグループが賑やかに登ってきた。更に夫婦が二組。この人たちもヤマシャク
 の残り花を求めて登ってきたのだろうか?
 
急な稜線の道 眼下に神角集落を見ながら 25分で山頂へ
十種ヶ峰山頂

 ゆっくりと昼休憩した後、賑やかな山頂を後にする。下山は熊野権現社に向かって擬木階段の道を下る。登山道の左右にはチシマザサ
 の草原が広がり、素晴らしい展望の中を歩いていく。 5分で熊野神社を右に過ごすと、やがて山頂からの直登ルートが合わさってくる。
 その先に広がる平坦な笹原を西に向かって緩やかに下ると、平成20年に建立された大鳥居の前に着く。
 ここを右に採れば前回来たルートになるが、今回は「神角」への案内に従い左折する。
 下山途中には笹原の先に聳える十種ヶ峰や、チシマザサと新緑の美しいコラボが広がっている。緩やかな歩きやすい、美しいササの道を
 楽しみながら下っていくと、やがて植林帯の中に入り、林道を横切った後、再びヒノキ林へと入っていく。
 植林帯を抜けると、よく踏まれた登山道へ降り立ち、急斜面をジグザグを描きながら高度を下げていく。ジグザグ道が終わり、傾斜も緩く
 なってくると、明るく開けた砂防堤の工事現場に飛び出した。平成25年の土石流の跡に建設されている砂防堤の工事現場からコンクリート
 舗装された急坂を、コンクリートの硬さを感じながら下っていくと神角集落に出た。
 車道に出る手前の田圃の畦道にパーキングの案内があり、登山者用の歩道が整備されている。十種ヶ峰を振り返りながら、柔らかい草地
 の畦道を通って神角神社に帰り、一周回りの登山は無事終了した。
 
帰途は熊野権現社コースへ 展望の斜面を下る
熊野権現社 平坦な笹原から振り返る
鳥居井の右手に神角コースの分岐がある
十種ヶ峰を振り返る 見事なチシマザサの群生地を行く
林道を横切り植林帯へ ジグザグ道の急坂を下る
建設中の砂防堰堤 コンクリート舗装の作業道
駐車場への近道 十種ヶ峰を振り返る
ひとこと:7年ぶりのリベンジは成功したが、何か心残り!
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