女亀山(めんがめやま):830.3m 広島県三次市作木町
山の概要
女亀山は広島、島根の県境に位置し、標高830mの玄武岩丘である。山頂付近は、ブナなどの落葉広葉樹が残っており、この
ため昆虫相をはじめとする動物相が豊かである。特に鳥類の生息地、繁殖地、及び中継渡来地として好適な環境になっており
貴重な地域である。
山頂からの展望もよく、晴れた日には大山、三瓶山、琴引山などの山々が望める。
また、女亀山は古くから神聖視された山であった。「芸藩通志」に「女亀山池、岡三渕村にあり、池は頂にありて四時水涸れず
神亀 これに居る 里人雨を祈るに杭を地中に立つと云う」とある。山中には雨乞池と称する池があり、古来干ばつに際し、郡内
一円から農民が集まり雨乞いの祈願をしたと云う。この池は、今では決壊したらしくその跡をとどめない。 ー山頂説明板よりー
登山ルートは赤名峠の北、島根県側赤来町と広島県側作木町岡三渕の2コースがある。
Route Map:岡三渕登山口から山頂を目指し、往路を下山
Road Map :中国道三次ICから国道54号線を北上し、赤名峠手前で県道437号線に入り、岡三渕に向かう |
2017年11月1日(水曜日) 晴れ
ホーム7:45.。。。。 9:50庄屋屋敷駐車場10:00 → 10:10集落分岐 → 10:45林道終点鳥居 → 10:50木橋 →
11:05休憩11:10 → 11:15洞窟 → 11:45稜線分岐 → 11:52女亀山山頂(昼食)12:45 → 13:10洞窟 → 13:28鳥居 →
14:10登山口14:15。。。。 16:25ホーム
行動時間:4時間10分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:53分 |
広島、島根県境の赤名峠に向かって国道54号線を登って行き、県境手前2km程の所から左折し県道437号線に入っていく。2車線の
道路は集落を過ぎると狭い1車線の山道となって山を登っていく。峠を過ぎて、暫く行くと林道分岐があり「女亀山県自然環境保全地区」
の説明板が立っている。更に進むと女亀山の山頂が見える場所に着く。山頂付近は紅葉しているのが見て取れる。これは期待してもい
いようだ!
伐採作業や道路工事のが行われている狭い道をくねくね下っていくと「女亀山」、「殿敷」の案内があり、間もなく岡三渕の旧庄屋屋敷・殿
敷に着く。
旧庄屋屋敷の駐車場で登山支度を終え、出発する。すぐ先のカーブミラーの後ろに「女亀山登山道入口」と書かれた大きな標識が立てら
れている。案内に従い、ここから右折して林道に入っていく。
イノシシ避けの電気柵に囲まれた収穫済の田園風景を見ながらのんびりと登っていく。分岐毎に立っている大きな案内標識に従いながら
登っていると右手に集落への分岐があり、そこからは女亀山全容が見えている。
植林帯と灌木帯を交互に過ごし、日当たりの良い場所ではむかごを収穫しながら登っていく。
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山頂部が赤く紅葉する女亀山 |
女亀山と殿敷の案内 |
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旧庄屋屋敷の駐車場 |
広島県側の岡三渕登山口 |
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田園風景を見ながらのんびりと・・・ |
集落分岐を直進 |
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分岐ごとにある女亀山登山道の標識 |
林道から女亀山を・・・ 後に小さく見えるのが山頂 |
歩き始めて45分、林道終点に到着。ここが実質の登山口だ。大きな横書きの案内標識の矢印の先には鳥居が見える。鳥居を潜って
谷に向かって下っていく。途中に大きな株立のカツラの木があり、そばには朽ちた小屋の跡がある。
谷に降りて「頂上まで1200m」の案内標識の先で木橋を渡り、右に折れて、湿地帯で朽ちかけた橋を2か所ほど渡り、植林谷へと入って
いく。羊歯の林床が美しい植林帯はピンクのテープに導かれ渡渉を繰り返しながら、森の奥へと入っていく。
山頂まで「1000m」、「800m」の標識を過ごし、右手に谷を見ながら登っていき、洞窟の手前で谷に降りていく。 (うっかり直進すると道
が消失するが道案内は無し) 谷に降り、平坦な道を少し進むと谷の突き当りに「頂上まで600m」の標識があり、右手には3つの洞窟が
並んで見える。この人工的な洞窟はたたら製鉄の跡なのか? 足下には鉱滓のような石も転がっている。
ここからは足場の悪いガレ場の急登に変わる。急登を登り切ると、登山道は緩やかになり流れを横切って右に曲がり、750m台ピークの
北側に回り込む。
こおからは女亀山本体の円錐形の斜面を真っすぐ登っていく。緩やかに見える登山道も意外と急坂だ。やがて明るい広葉樹の森に変わり
「頂上まで200m」の標識が現れる。
標識の前に立ちはだかる3本のブナの木をする抜けると、道は左にカーブし、紅葉の稜線尾根に向かう。
黄葉の落ち葉を敷き詰めた、急坂を登ると巨大なブナが待ち受ける稜線尾根に乗る。今が盛りのブナの黄葉に包まれた登山道を進み、
最後の急階段を登ると女亀山神社に着く。その先にはブナの紅葉に囲まれた一等三角点の鎮座する山頂が静かに待っていた。
この山頂の雰囲気はとても心地よく、周囲の展望は無いものの美しい紅葉に囲まれ、いつまでも座っていたい気持ちになる。
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林道終点と鳥居 |
カツラの木 |
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「頂上まで1200m」の標識 |
木橋を渡る |
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湿地帯を行く |
いくつか渡渉を繰り返す |
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植林帯の沢沿いの道を登り続ける |
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「山頂まで600m」標識 たたら製鉄の跡が残る洞窟 |
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鞍部からなだらかな植林帯へ |
緩やかに見えた登山道も意外と急坂 |
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自然林の森に入ると傾斜は一段ときつくなる |
「山頂まで200m」標識 登山道はここから左へ |
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県境尾根への急坂 |
県境尾根へ |
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県境尾根の素晴らしいブナの巨木と黄葉 |
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美しいブナの黄葉に囲まれた一等三角点の鎮座する山頂と女亀山神社の社 |
美しい樹林の下で昼食を採った後、山頂を出発する。午後の光を浴びて益々美しく輝くブナの巨木が茂る県境尾根を下り、名残を残しつつ
急坂の岡三渕への道に入っていく。
下坂に一段と急さを感じながら、洞穴の「600m」地点へ。ここからは傾斜も緩くなり、沢沿いを林道終点へ。
林道では、再び楽しい秋の味覚の収穫だ。今夜のビールは一段と美味しいだろう!
旧庄屋屋敷・殿敷を見学(内部の見学は予約とのこと)して、女亀山の山旅は終わった。
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美しい紅葉を眺めながら下山 |
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下りは一段と急さを感じる |
急傾斜のガレ場を下り600m地点へ |
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集落分岐から女亀山を振り返る |
岡三渕の集落へ 殿敷の藁屋根も見える |
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山代巴原作の「荷車の歌」の舞台となった旧庄屋屋敷の「殿敷」 |
ひとこと:史跡と登山の組み合わせは楽しい。今日はブナの黄葉にドンピシャだった! |