富良野岳:1912.0m 北海道川上郡美瑛町
山の概要
十勝岳連峰最南端の山。北に険しい尾根を曳いた姿が魅力的だ。十勝連峰の中では最も花の多い山であり、人気も高い。
フラヌとは匂いのあるという意味で、ヌッカクシフラヌイ川を指しているのだろう。本来のアイヌ名はオッチシパンサイウシベ「下の
峠山」であった。松浦武四郎は安静5年(1858)に「上の峠山」前富良野岳(1625m)との間を越えて新得に向かったと「十勝
日誌」に書いている。冬の登頂は、大正14年(1925)に北大山岳部が西尾根から成し遂げた。
登山の出発点は十勝岳温泉。安政火口手前で沢を渡り、長い斜めの上りで尾根に出ると、もう富良野岳は目前だ。頂上まで
3時間30分。さらに三峰山を経て、上ホロカメットク山、十勝岳へ足を延ばすのもいい。南方に広がる湿原「原始ヶ原」からの道
も興味深いが、登山口から5時間30分と長めのコースだ。 −ヤマケイオンラインからー
Route Map:十勝岳温泉登山口から山頂を目指し、往路を下山
Road Map :国設白金野営場Cから十勝岳温泉へ |
2017年7月15日(土曜日) 晴れ
国設白金野営場4:40.。。。。4:55十勝岳温泉駐車場5:10 → 5:40安政火口入口 → 6:10上ホロ分岐6:15 → 6:25水場 →
6:30雪渓6:40 → 7:30トラバース終点 → 7:42縦走路分岐7:53 → 8:34富良野岳山頂(昼食)9:05 → 9:45縦走路分岐9:55 →
111:15水場11:25 → 11:34上ホロ分岐 → 12:03安政火口入口 → 12:40登山口12:45。。。。白金温泉&国設白金野営場
行動時間:7時間30分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:31分 |
国設白金野営場から十勝岳温泉駐車場までは15分ほどの距離だ。絶好の登山日和の中、5時前に駐車場に着いたが区画された場所は
すでに満車。白線の外側はまだ余裕があったのでトイレの前の隙間に駐車する。
入山届に記入して、いよいよ富良野岳に登山開始。ここの標高は1300m弱で1912mの富良野岳まで600m強の登りとなる。標高差
だけを見ると楽な山に思えるが、ヤマケイのコースタイムは3時間10分となっている。休憩を入れると3時間30分は掛かるかな?
十勝岳温泉から安政火口までは遊歩道が続いている。登山口を出ると、すぐ舗装は終わり砂利道になる。その砂利道も次第に荒れて石の
ごろごろした道になり、掘れて歩きにくい道に変わる。前方が開けてくると安政火口の荒々しい山肌が目を引き、左手に三段山、右奥に上
ホロカメットク山が聳えているのが見える。化物岩が大きく目の前に立ちはだかると安政火口への下り道になる。
安政火口を左手に見て沢を渡ると安政火口分岐に着く。そこからUターンするように化物岩の下斜面をトラバースしながら登っていく。
ヒメイソツツジやゴゼンタチバナが足下を飾り始める。花の富良野の始まりだ。
大きな岩が重なる登山道はやがて涸れ沢になり、岩場を登ると上ホロカメットク山分岐に着く。登山口から1時間、先行者に交じって休憩。
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広い十勝岳温泉駐車場 |
富良野岳登山口 |
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左に三段山、右奥に上ホロカメットク山 |
正面に化物岩 |
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対岸の化物岩の下を登山道が登っている |
安政火口に向かって進む |
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安政火口入口を渡る |
安政火口 左に夫婦岩 |
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安政火口分岐 遊歩道が終わり、山道に・・・ |
遊歩道から安政火口への下り |
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化物岩の下をトラバースする登山道 |
ヒメイソツツジ |
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ゴゼンタチバナ |
大きな岩が重なる登山道 |
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涸れ沢を登ると上ホロカメットク山分岐に着く |
上ホロカメットク山分岐 |
分岐を右に少し行くと残雪を残す三峰山が大きな姿を現した。(富良野岳と勘違いする。)分岐からしばらく進むと水場がある。水を汲んで
いる人がいる。ここの水は大丈夫か?
水場を渡り、ウコンウツギが群生する登山道を少し進むと急な階段になる。長い階段を登り詰めると雪渓に出る。
雪渓を過ぎると百花繚乱の登山道だ。長いトラバース道を花に癒されながら登っていく。眼下には十勝岳温泉の建物が小さく望まれる。
次々と現れる小さな岩のコブがボディブローのように効いてくる。やっと長いトラバースが終わり、直登の道へ。急坂に壊れかけた階段が
続いている。階段の途中で色とりどりの花に包まれて休憩する。皆も休憩している。
傾斜が緩むと間もなく、十勝連峰の稜線・縦走路分岐にでる。
分岐から縦走路を見ると三峰山の後ろに十勝岳が天に向かって鋭い頂を突き出し、上ホロカメットク山が山頂部を覗かせている。
分岐からの火山性のザレ場には階段が山頂に向かっている。階段の取り付きには数は少ないがコマクサやエゾヒメクワガタが咲いている。
階段を登り、前衛峰のトラバースへ。南斜面はハクサンイチゲのお花畑だ。それに交じってツガザクラやコイワカガミ、ハクサンチドリに終盤
近いチングルマ等、色々な花が咲き乱れている。
前衛峰を回り込むと富良野岳の全景が現れる。最後の急登を登り切ると富良野岳山頂に着く。
山頂からの素晴らしい大展望。北には手前の三峰山から上富良野岳、上ホロカメットク山、十勝岳、美瑛岳と続く十勝連峰。左と奥には
大雪連峰が霞んで見えている。
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雪渓の残る三峰山の山肌 |
水場を越える |
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水場から長いトラバースへ |
ウコンウツギ |
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階段を上り詰めると雪渓に出る |
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雪渓を渡り、再びトラバース道へ |
眼下に十勝岳温泉の建物がみえる |
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ミヤマキンバイの咲く道を行く |
チシマフウロウ |
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長いトラバースが終わり、直登の道へ |
傾斜が緩むと縦走路分岐は近い |
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縦走路分岐から縦走路を見る 左のピークは十勝岳 |
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分岐からの長い階段 |
コマクサとエゾヒメクワガタ |
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階段を登り、前衛峰のトラバースへ |
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ハクサンイチゲ の群落 |
前衛峰をトラバース道はハクサンイチゲの群落 |
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前衛峰を回り込むと富良野岳の全景が現れる |
最後の急登を行く |
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十勝岳から大雪山 |
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十勝岳山頂 |
上ホロカメットク山から十勝岳への山並みと右に下ホロカメットク山 |
次々と登頂してくる登山者で山頂が溢れそうなので、名残惜しいが下山することに・・・。
大パノラマの中に飛び込んでいくような下山道だ。美しい花々の写真を撮りながらの幸せな時間を過ごし縦走路分岐へ。縦走も考えたが
今日の暑さに負けて来た道を帰ることにする。
長いトラバース道から富良野岳を振り返えれば、山々の一番奥に聳えるその大きさと美しさに感動する。
雪渓で休み、水場の冷たい水で顔を洗い、安政火口でまた休憩しながら降りていく。遊歩道の退屈な道をだらだら歩き登山口に帰ってきた。
駐車場は超満杯、駐車場へのアプローチ道まで車で溢れたいた。
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大パノラマの中へ |
富良野岳をバックに |
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ハクサンイチゲの群生 |
階段を下り分岐へ |
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ミヤマキンバイ |
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雪渓を渡り階段へ |
富良野岳を振り返る |
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ウコンウツギ |
フデリンドウ |
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安政火口入口へ |
安政火口入口から遊歩道に登り返す |
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遊歩道をのんびりと歩いて |
満車の駐車場に帰る |
ひとこと:展望も花も素晴らしい山! |