大森山(おおもりやま):1433.0m・佐々連尾山(さざれおやま):1404.3m 高知県本山町沢ヶ内
山の概要
佐々連尾山は、愛媛県四国中央市と高知県長岡郡本山町にまたがる四国山地中央部に座する標高1404mの
山である。
予土県境にあり、美しい笹原を持つ奥深い山で、西からは白髪トンネル脇から登り始め大森山を越え本峰に至る。
東からは県境の中川峠に両県から駆け上がり、スズタケの中を掻き分け、いくつものピークを越え本峰に至る。
どこから登っても厳しい山行である。
新居浜市の別子銅山に次ぐ産出量の佐々連鉱山が北側中腹にあったが、いずれも閉山し時が流れている。山名
の由緒はこれより前か後か定かでない。ーウィキペディアよりー
Route Map:白髪隧道出口登山口から大森山・佐々連尾山に登頂し、往路を下山
Road Map :松山自動車道土居ICから国道11号線・319号線と乗り継ぎ、県道126号線で白髪隧道へ |
2016年5月21日(土曜日) 晴れ
ホーム4:45.。。。。 8:00白髪隧道駐車場8:05 → 8:33猿田峠(休憩)8:45 → 8:55 1194mピーク →
9:30岩場(ロープ) → 9:55 展望岩(休憩)10:05 → 10:12 尾根に上がる → 10:25大森山山頂 →
10:42稜線鞍部(休憩)10:52→ 11:25佐々連尾山頂(昼食)12:10 → 13:05大森山 → 13:17尾根先端 →
14:13猿田峠 → 14:35登山口16:30。。 。。。19:20ホーム
行動時間:6時間30分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:45分 |
急登を登ればブナの楽園
国道319号線の法皇トンネルを抜け、金砂湖に架る赤い橋を渡り右折して別子方面に向かう。猿田川(富郷バス停)の所で
左折し上猿田の集落を目指す。 のどかな上猿田集落を過ぎ暫く走ると植林帯の道になる。「全面通行止め」の看板が立って
いるが行けるとこまで行くことにする。県道とはいえ林道のような道だ。 上猿田集落から10分ほどで白髪トンネルが見えて
きた。証明が無く真っ暗なトンネルを抜けると猿田峠経由の登山口だ。トンネルの先は本当に「通行止め」になっている。最近
になって一段と崩落がひどくなったらしい。
トンネルの先の広場に駐車。我々の車だけ。アケボノツツジの終わったこの時期に登る者はいないのだろうか?
トンネル横の崩落したところが登山口だ。崩落とともに登山口の標識も流れ落ちたのか、今は何もない。
崩落して細くなった道を渡り、林道を歩きだす。所々崩れているが平坦な道だ。過っては猿田峠への林道だったのだろうか?
10分程で左手の斜面に取り付くと杉林の中に「佐々連尾山」の道標を確認する。 急な山道を少し登ると瓦のような敷石が
重なった緩やかな広い道が植林帯の山腹に続いている。登山口から約20分、目の前が開けてきた。眩しいほどの青空が
広がっている。間もなく鉄塔のある猿田峠に到着。
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トンネル出口の駐車地 |
高知県側は全面通行止め |
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トンネル手前に登山口 |
崩落して細くなった入口 |
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荒れた林道 |
佐々連尾山の標識 |
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石畳の道を進み、明るく開けるとやがて猿田峠に着く |
峠で一息つき、今から進む方向を見上げると凄い傾斜の尾根を持った山が聳えている。道標に従い藪ががった道に入る。
ウワサでは手強いスズタケの藪漕ぎがあると言うが、笹は刈られて歩きやすい。10分程でブナのある1194mピークに
着く。 ここからが今日の本番!峠から見た、あの急登の始まりだ!
小ピークを過ぎ、5分もすると急登が始まる。さらに10分で第一段階の急登が終わり、第二段階へ。
ここからは次々と行く手に立ち塞がる巨岩を周りの木々に掴まりながらかわしていく。そしてシャクナゲの群落を過ぎるとこの
岩場最難関の垂直な岩へ。 ロープに掴まり、腕の力で体を持ち上げ岩を乗り越える。ホッとする間もなく次から次へと現れる
岩を巻いて登っていく。
猿田峠から約1時間、頭上に巨大な岩が現れる。この岩場最後の巨岩だ。岩の右手を巻いて岩頭に出ると素晴らしい展望が
広がっている。
高度感たっぷりに猿田峠の鉄塔が眼下に見え、その左手には我が愛車も見えている。
そして東には奥工石山、南に大登岐山、西に目を転じると二ヶ岳から東赤石・西赤石の山々が連なっている。
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猿田峠(石碑の立つ峠はも少し先 マウスON) |
峠からは細い登山道 |
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1194m辺りの緩やかな道から岩場の急登へ 苦しさを癒すシャクナゲの花 |
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大岩を巻き、ロープの岩場を攀じ乗る |
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立ち塞がる大岩 |
岩頭から眺める絶景 |
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駐車場(左)と猿田峠の鉄塔(右) |
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急峻な山容を誇る法皇山脈の二ヶ岳から東赤石・西赤石の山々 左手奥には笹ヶ峰も・・・ |
展望岩から尾根までは10分程。やっと境界杭にある尾根道に出た。
大森山方面に向かうと素晴らしい風景が待っていた。広くなだらかな笹原の中にブナの大木!なかでも青空に大枝を広げ、
若葉を纏ってどっしりとした3本の大ブナは見る者に感動を与える大きさだ。
コバイケイソウの群生する稜線を進み、小さなコブを駆け上がると今日の最高地点大森山(1433m)山頂だ。
山頂は狭く木々に覆われ展望はほとんど無いが、ここにもシャクナゲが1本、いまを盛りと咲いていた。山頂には小さな山頂
表示板が木に掛けてあるだけだ。
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ブナの巨木 |
コバイケイソウの群生する稜線 |
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コバイケイソウとブナのコラボレーション |
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ここにもシャクナゲ |
大森山山頂 |
大森山を後にし、佐々連尾山を目指す。笹床の樹林をぬけると佐々連尾山が見えてくる。鞍部に向かってシャクナゲの斜面
を下って行く。南面のこの辺りのシャクナゲは既に終わりかけている。鞍部に着くと涼しい風が吹き抜け、たまらず北斜面に
入り座り込むと、頭上にはシャクナゲの群生に花が咲き誇っている。
鞍部からスズタケのトンネルとブッシュを抜けると痩せ尾根のアップダウンが続く。一つのピークに見えた稜線は3つのピーク
から成っている。岩場にロープの架ったが二つのピークを過ごし、やっと佐々連尾山手前の広い笹原に出た。
背丈の低い笹を漕ぎながら緩やかに登っていくと笹に囲まれた佐々連尾山山頂(1404.3m)に到着。
尾根が交差する山頂からの展望を楽しみながら昼食にする。
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笹尾根を緩やかに下る |
樹林をぬけると佐々連尾山が見える |
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鞍部に向かって下って行く |
鞍部の北斜面に咲くシャクナゲ |
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鞍部からはスズタケのトンネルとブッシュ |
ブッシュを抜けると痩せ尾根の稜線 |
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シャクナゲのトンネルを潜りながら、アップダウンを繰り返す |
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最後のピークを越えると目の前に佐々連尾山 |
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尾根が交差する山頂からの展望 中央の山は大登岐山 |
昼食後、往路を帰ることにする。大森山に向け、大パノラマの稜線をルンルン気分で進む。 沢山の鹿の道が走る吸い込まれ
そうな笹原や大展望の岩尾根を楽しみ、大森山手前の鞍部で再び小休止する。そこからシャクナゲの斜面を登れば大森山。
巨大ブナに別れを告げ、境界杭が打たれた小さなコブからは激下りが待っている。猿田峠に見える鉄塔まで標高差300m弱
を一気に下る。道端の笹や木々の助けを借り、垂直な岩場はロープにぶら下がり、転がり落ちそうな急坂を下って行く。
猿田峠を過ぎ、緩やかな道を10分ほど下り、「佐々連尾山へ」の道標を過ごすとところどころ崩壊した林道を歩いて行くと
白髪トンネルの駐車場に着いた。
アケボノツツジは終わっても、シャクナゲやブナの新緑は素晴らしかった!あとすこしするとコバイケイソウの白い花がブナの
森を一面に埋め尽くすだろう!
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大森山への稜線 |
稜線を大森山へ |
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この森1番の大ブナ |
北側に見える赤星山 |
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岩場の急坂 |
登山口に帰ってきた |
絶体絶命のピンチに奇跡が起こる
無事駐車場まで帰ってきたが、とんでもないことが待っていた。ライトを点けたままで山に登りバッテリーが上がってしまって
いた。この時間帯に全面通行止めのこの道に車が通ることは皆無に等しい。携帯電話はエリア外!万事窮す!
気を取り直し高知県側に暫く下ってみるがやはり圏外。冷たい風が吹き抜ける白髪隧道を通り、愛媛県側に出ると電波状態
のマークが1本立った。大喜びでJAFに電話するがつながらず!? やはりだめか!
車の中で一夜明かすか 、集落まで10km近く下るか、決断を迫られた時、なんと1台の車が上がってきた!奇跡が起きた!
これでどうにかなるとホッとした。 通行止めを知りながら、高知まで行くつもりだったらしい。
上猿田の集落まで乗せて頂き、たまたま農作業に来ていた集落の人に引き継いでくれた。集落の人は親切にも近所から
ブースターケーブルを借りてきてくれ、軽トラで駐車場まで帯同してくれ無事エンジンを始動することができた。
感謝!感激! 日本人の親切とやさしさを実感した一日だった!
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