月 山(がっさん):1984.0m 島根県西の島町
山の概要
月山は山形県の中央部にあり、出羽丘陵の南部に位置する標高1,984mの山である。山域は磐梯朝日国立公
園の特別区域に指定され、日本百名山、花の百名山に選定されている。
雲の峰 いくつ崩れて 月の山 芭蕉
鶴岡の駅でおりた時、ほんとうに月山の上に雲の峰が立っていた。八月の半ば過ぎ、山は濃い群青で、牛の背の
ようにゆったりと伸びていた。どんな山でも頂上のあたりはいくらか鋭く立っているものだが、月山にはそれがない。
撫でたような緩やかな線であった。 −深田久弥「日本百名山」よりー
標高1500mの湯殿山、418mの羽黒山とともに出羽三山のひとつに数えられ、修験者の山岳信仰の山として知
られる。山頂には月山神社が鎮座し、多くの修験者や参拝者が訪れる。蜂子皇子が開山したと伝えられ、古くか
らの名では犂牛山(くろうしのやま)という。
Route Map:姥沢口からリフトを南麓の道を山頂へ、下山は牛首から姥ヶ岳に周回
Road Map :寒河江から国道112号線を西進し、県道114号線で姥沢駐車場へ |
2016年7月13日(水曜日) 晴れ後雨
寒河江6:45.。 。7:35姥沢口駐車場7:43 → 8:00リフト下駅8:02 〜 8:17リフト上駅8:18 → 8:24姥ヶ岳分岐 →
8:42リフト分岐 → 9:12牛首(休憩)9:20 → 10:10鍛冶小屋跡10:20 → 10:35頂上小屋10:40 →
10:43月山神社10:45 → 10:52頂上小屋11:00 → 11:56牛首12:02 → 12:22金姥(湯殿山分岐) →
12:38姥ヶ岳12:44 → 13:02リフト上駅13:05〜 13:20リフト下駅 → 13:33姥沢口駐車場13:50 17:50肘折温泉
行動時間:5時間50分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:ー分 |
雲の峰 いくつ崩れて 月の山
芭蕉が歩いた八合目からのコースで登頂予定だったが、休暇村「羽黒」が満室でキャンプ場まで一杯という。適当な宿が見つ
からず寒河江(さがえ)まで足を延ばし泊まるはめになった。その為、今回の登山は姥沢からリフトを使って登ることにする。
寒河江から月山に向かう途中の国道112号線から見る月山(上の表題写真)は犂牛山(くろうしのやま)の名前の通り、残雪を
多く残して、ゆったりと横たわっている。
7:30姥沢駐車場に到着。500台駐車可能という広い駐車場はまだ疎らだ。駐車場からも月山が見えている。快晴の空がまぶ
しい。楽しい登山になりそうだ!
身支度を整え出発する。 10分程歩くと姥沢小屋の下にある登山口で「月山環境美化協力金」(200円/人)を払ってリフト乗
り場へ向かう舗装道路を登っていく。
リフトの運行時間は8時からで、動き出したばかりだ。リフト下駅から標高差300mを15分で標高1500mのリフト上駅まで
運んでくれる。
リフト上駅から200mで姥ヶ岳と牛首の分岐に出る。姥ヶ岳は帰りに寄ることにして牛首への道を採る。はたしてこの選択は
正しかったのか?
登山道は姥ヶ岳の東面を巻いて、西俣沢の段丘を牛首へと延びている。木道をしばらく歩き、雪渓を渡るとリフト上駅と月山
の中間点の標識が建っている。 どちらへも1.5kmあるようだ。
やがて木道が終わり、石の階段道になる。登山道は左にカーブし稜線に向かって、まっすぐ登るようになると傾斜も増してくる。
しばらく登ると雪渓歩きになる。ロープが設置してあるが、上りでは殆ど滑ることはない。4〜50m雪渓を登ると、また階段道が
続き、間もなく牛首に到着する。
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姥沢駐車場 |
駐車場からリフト下駅へ |
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ニッコウキスゲの上を行くリフト |
リフト上駅の案内板 |
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姥ヶ岳に向かって |
チングルマ |
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姥ヶ岳分岐 |
山腹の道を牛首へ |
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雪渓を渡る |
リフト上駅と月山の中間点 右手鞍部が牛首 |
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青空に雪がまぶしい |
雪渓を登る |
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牛の首 |
帰途に使う姥ヶ岳のルートが見える |
牛首で姥ヶ岳からの道と合流する。 道標によると「月山山頂まで1.1km、湯殿山神社まで4.5km」とある。
合流点から5分ほどで稜線上にでる。そこからは北方面の庄内平野が一望できる。
月山〜湯殿山には難所が三つあるらしい。それぞれ名前が付いていて、鍛冶月光(かじかっこう)、金月光(かながっこう)、水
月光(みずがっこう)という。鍛冶月光は月山直下から始まる急坂で、あとのふたつは湯殿山に向かう鉄梯子とクサリ場の岩
場のことだ。
稜線上をのんびり歩く間もなく、鍛冶月光と呼ばれる石段状の急登が始まる。月山は気楽な山登りと思っていたが、なかなか
手強い!休憩を採りながら、その急登を登り切ると鍛冶小屋跡に着いた。古にはここで月山丸という日本刀が鍛錬されていた
という。今は取り壊された建物の遺構の石積みが残っており、そこに稲荷神社が祀られている。
鍛冶小屋跡からも石段の道は続くが傾斜は緩んでくる。やがて石ころだらけの広くなった緩斜面を登ると山頂部の平坦な草原
に立つ。
広い草原の北端にはピラミッド型をしたピークに月山神社が聳えている。一緒に登った若者が「ジブリの世界だ!」と叫んだ。
それほど感動的な風景が広がっている。 しかし月山神社への石段を登るころには雲行きが怪しくなってきた。
社務所で記帳し、500円払うと人形(ひとがた)と小さなお札を渡される。神主さんのお祓いを受け、人形で全身を撫でて、息を
吹きかけ、穢れを人形に移して禊をすると、先に通され、小さな社でお神酒を頂き、参拝は終わる。
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なだらかな稜線の道から鍛冶月光の急登へ |
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鍛冶月光を見下ろす |
鍛冶小屋跡 |
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月山山頂部と池塘 |
月山神社全景 |
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石畳の階段道を神社へ |
神社入口 この先撮影禁止 |
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ミヤマダイコンソウ |
ハクサンリンドウ |
コバイケイソウ |
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「山を降りるまでは・・・」と思っていた好天も、神社を後にするころには雨が降り出した。月山では天気の急変はよくあるそうだ。
頂上小屋の庭先を借りて雨具を装着し下山の途に就く。山頂部の草原から鍛冶小屋跡を過ぎ、鍛冶月光の急坂を下る。
山頂から牛首まで登りは1時間以上かかったが、下りは50分ほどで降りてきた。 牛首で、雨が止んだので雨具を脱ぐ。ここか
らは姥ヶ岳へは石畳の稜線漫歩になるはずだったが、霧のため視界不良。ただひたすら歩くのみになったが、足下の花々には
心癒された。
途中2^30mの横歩きの雪渓を渡り、しばらく進むと湯殿山分岐の「金姥」に着いた。山頂からここまで芭蕉が歩いた道程は1時
間10分程。感慨にふける余裕は無かった。ここから姥ヶ岳山頂まで道標によると0.5km。石の急階段を登り、1688mピーク
を掠めて、桟道の遊歩道を進むと姥ヶ岳の山頂に着く。
雨足が一段と強くなった姥ヶ岳山頂ニッコウキスゲが一面に咲いていたが、霧と雨の中では霞んでしか見えない。こちらを最初
に登っていれば、その美しい風景を見ることが出来ただろうが、雪渓の下りは大丈夫だっただろうか?
降りしきる雨で下半身びしょ濡れ(手抜きしてズボンを履かなかった報い。)になりながら、20分程でリフト上駅に戻ってきた。
姥沢駐車場には、このことを予測してか、立派な更衣室を備えたトイレがある。濡れた衣服を着替え、やっと一息ついた。
素晴らしい月山登山も最後はとんだことになった! 手抜きは戒めるべきだ!
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牛首を直進 姥ヶ岳へ |
稜線部の雪渓 |
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金姥(湯殿山への分岐) |
チングルマとイワカガミの花畑 |
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1688mピークへの急な登り |
ニッコウキスゲの尾根道 |
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ハクサンフウロウ |
イワイチョウ |
アカモノ(イワハゼ) |
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・・・・・ |
姥ヶ岳山頂 |
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分岐 |
リフト上駅 |
ひとこと:出羽三山は芭蕉が歩いた「奥の細道」ルートが最良か! |