秋田駒ヶ岳(こまがだけ):1637.0m 秋田県仙北市・岩手県雫石町
山の概要
秋田駒ヶ岳は男女岳(おなめだけ・1637m)、男岳(おだけ・1623m、女岳(めだけ・1512m)の総称で、十和
田八幡平国立公園の南端に位置する秋田県の最高峰である。
春先の山肌に残る駒形の雪が、ふもとの村人の農作業の目安となり、昔から「だけ」と呼ばれ親しまれてきた。
各地の駒ヶ岳と区別するため「秋田駒ヶ岳」と呼ばれ、「秋田駒」とも呼ばれる。
登山ルートは、標高1305m地点にある「八合目」を利用するのが手軽である。そこから新道コース約50分で阿
弥陀池という沼に到着する。新道コースは展望も優れ、急登がないので、最も一般的なコースである。阿弥陀池
の湖畔には避難小屋があり、そこから、約20分で男岳や男女岳に行くことができる。旧道コースは道が荒れて
おり、急登があるが40分程で避難小屋まで到着する。焼森(1551m)コースは、焼森や横岳(1583m)を通過
する1時間程度のコースでシャクナゲが多く、シャクナゲ通りともいわれている。また、大焼砂や焼森山頂付近に
はコマクサの群生も見られる。
Route Map:八合目登山口から男岳、男女岳、横岳、焼森と周回
Road Map : |
2016年7月11日(月曜日) 晴れ 山は霧
乳頭キャンプ場5:30.。。 。。5:45アルパこまくさ駐車場6:01。。 。。6:26八合目登山口6:50 →
6:54旧道分岐 → 7:23片倉岳 → 7:50男岳分岐 → 8:18男岳山頂8:30 → 8:47男岳分岐 →9:10男女岳山頂 →
9:30阿弥陀池避難小屋(休憩)9:40 → 9:54横岳山頂 → 10:07大焼砂10:12 → 10:27横岳山頂(昼食)10:45 →
10:58焼森山頂 → 11:50八合目登山口12:55。 。。13:20アルパこまくさの湯(入浴)。 。乳頭温泉鶴の湯。
。 。。 15:10乳頭キャンプ場
行動時間:5時間00分(休憩、昼食時間含む)
昼食時間:18分 |
秋田に滞在も5日目、天気待ちも限界に近付き、そろそろ離れる時がきた。キャンプ場から見る秋田駒ヶ岳は依然として雲に
覆われているが、意を決して出発する。幸い天気予報は晴れになっている。後は晴れ女の副隊長の運に賭けるばかりだ。
この時期は車両通行規制のため、アルパこまくさ駐車場に車を停め、シャトルバスで八合目に向かう。深く雲が垂れこめた
駐車場から満員の乗客を乗せたバスが、狭い林道をジグザグに登り高度を上げていく。25分ほどで八号目駐車場に着く。
霧雨の中、八合目小屋はバスを降りた人でいっぱいだ。登山を躊躇するのか?天候回復を待つのか?なかなか出発しない。
少し明るくなったので、カッパを着て登山開始だ。登山口からの舗装はすぐ終わり山道になる。5分ほどで旧道分岐に出るが
右手の新道を進む。登山道は山腹を巻くように、緩やかに登っていく。天気が良ければ展望が素晴らしいのだろうが、霧の中
では何も見えない。、タニウツギやハクサンチドリの花を見ながら歩いていくと、登山口から30分で片倉岳に着く。ここも深い
霧の中。田沢湖や鳥海山を見ることは出来ない。
片倉岳を過ぎると登山道は高山植物を保護する為ロープでセパレートされている。5分程進み、小さないわばを超えると少し
ザレた広い道が緩やかに登っている。両側にはマルバシモツケや濃いピンクのエゾツツジ、鮮やかな黄色のミヤマダイコン
ソウが足下を彩っている。
ザレ場を抜け、緩やかな横木の階段を登ると男岳と男女岳の間の広い草原に出る。道は木道に変わり、間もなく男岳分岐
に着く。
|
 |
 |
アルパこまくさ駐車場 |
八合目小屋 |
 |
 |
八合目登山口 |
登山道入口 |
 |
 |
タニウツギ |
ハクサンチドリ |
 |
 |
緩やかな登りの新道 |
片倉岳 |
 |
 |
片倉岳山頂広場 |
ハクサンシャクナゲ |
 |
 |
小さな岩場 |
シャクナゲ |
 |
 |
緩やかな、ザレた道 |
マルバシモツケ |
 |
 |
お花畑が広がる谷合を行く |
 |
 |
木道の道 チングルマはすでに終わり穂の状態 |
阿弥陀池手前の男岳分岐 |
男岳分岐から横岳の稜線に出て馬の背から男岳に向かう。稜線への道は岩場の急登だが、斜面は高山植物の花盛りだ。
ニッコウキスゲやエゾツツジ、その下には小さなミヤマウスユキソウが群れを成している。今日一番の花園だ!
馬の背の反対側には昭和45年9月から昭和46年6月に掛けて噴火した女岳、その麓にはチングルマで白く染まるという
ムーミン谷が広がっている筈だが・・・・。 これから向かう男岳もガスの中だ。
両岸が切れ落ちた痩せ尾根は足場も悪く、注意しながら登っていく。山頂かと思ったピークから左に曲がって下ると男岳山頂
に着いた。
|
 |
 |
馬の背へは岩場の急登 |
霧にかすむ稜線 (馬の背) |
 |
 |
 |
ミヤマウスユキソウ |
エゾツツジ |
ミヤマダイコンソウ |
|
 |
 |
稜線の尾根道 |
男岳山頂 の駒形神社 |
男岳山頂で小休止しエネルギーを補給して、阿弥陀池分岐まで戻って池の縁の木道を歩く。 男女岳の登り口から木製の
階段が山頂まで続く登山道を登る。20分ほどて秋田駒ヶ岳最高峰の男女岳山頂到着。相変わらずガスの中だ。
登頂写真を撮影しただけで、阿弥陀池避難小屋に向かって下山。避難小屋で小休止。避難小屋の東側には旧道の木道が
下っている。その横の浄土平には、まだ雪渓が残っている。この浄土平はチングルマの群生地で、間もなく雪消えの後を追う
ように秋田駒で最も遅い見事な群落をつくるだろう。
阿弥陀池を見ながら登ること15分、横岳山頂に着く。山頂の分岐から南東に延びる国見温泉への尾根を下れば コマクサの
群生地・大焼砂に着く。
コマクサの育成池は全国で20座ほど、東北では岩手山、蔵王山、秋田駒ヶ岳の3座を数えるのみである。
大焼砂のコマクサはすでに盛りは過ぎていたが、強酸性火山砂礫の過酷な環境に生き抜くこの花は黒い石ころの原っぱの
中に、鮮やかな緑の葉と天女の髪飾りのような桃色の花を咲かせていた。
ロープで囲まれたコマクサロードを横岳に引き返し、横岳からハクサンシャクナゲが群生するシャクナゲ通りの尾根道を焼森
へ向かう。
|
 |
 |
ニッコウキスゲとミヤマウスユキソウの咲く尾根道 |
阿弥陀池 天気が良ければ絶好の撮影ポイント |
|
男女岳へは急坂の階段道 |
男女岳(オナメダケ)山頂 |
|
阿弥陀池避難小屋 |
横岳登山道から振り返る |
|
横岳山頂 |
大焼砂への進入路 |
 |
 |
大焼砂のコマクサ |
シャクナゲ通りを焼森へ |
シャクナゲ尾根を鞍部まで下ると目の前に黒く禿げた丸い丘が広がる。これが焼森。ここも登山道はロープで仕切られている。
黒い砂礫の丘にはコマクサが一面に群生している。ここのコマクサは最盛期のようだ。また、この丘に群生するもう一つの花 イワブクロも盛りを迎えている。
山頂には三角点は無いが山頂標識の柱とケルンが立っている。砂滑りのような砂礫の中を次々と登山客が逆回りで登って
くる。砂礫の砂滑りを降りると乳頭山への分岐がある。分岐から斜面を巻くように、黄色のダイコンソウ、ピンクのエゾツツジ、
白いマルバシモツケが縁どる華やかな登山道を降りていく。
左手上方に阿弥陀池避難小屋を見ながら岩場の急坂を下り樹林にの入る。涸れ沢を渡り、振り返れば焼森の上空は青空
が広がっている。木道が現れると、間もなく八合目登山口だ。入れ違いにシャトルバスが出発していく。
1時間待ち満員バスに揺られ、アルパこまくさに到着。今日はここで汗を流す。展望風呂から岩手山の眺めが素晴らしい!
秋田最後の日、秋田の名峰・駒ヶ岳に登れてよかった!
|
 |
|
鞍部から振り返る |
焼森への登り |
|
砂礫の丘に群生するコマクサ |
 |
 |
この丘に群生するもう一つの花 イワブクロ |
焼森山頂 |
 |
 |
山腹の巻道 |
縁を彩るダイコンソウ |
|
カラマツソウ |
急坂を一気に下る |
 |
 |
遠くに阿弥陀池避難小屋 |
沢を渡る |
 |
 |
焼森山を振り返れば青空が・・・ |
木道に来ると間もなく八合目 |
 |
アルパこまくさの湯で汗を流す |
乳頭温泉鶴の湯
アルパこまくさの湯に入浴後、鶴の湯に足をの延ばす。
鶴の湯には洗い場が無い。話のタネに湯に浸かろうと思ったが、今日は清掃日で湯を張っている途中だとか。残念!
|
 |
 |
江戸時代の名残が残る鶴の湯 |
 |
 |
|
|
 |
 |
混浴湯はまだ澄んでいるが女風呂はすでに白濁している |
ひとこと:花の百名山もガスに包まれ美しさ半減! |