倭建命の白鳥伝説に想いを馳せ、落ち葉の縦走路を歩む
古事記の中の悲劇の英雄、日本武尊の化身の白鳥が降り立ったという伝説の山、白鳥山を訪ねてみる。
JR西高屋駅から東へ200m余り行ったところの踏切を渡り、正面に白鳥山を見ながら高屋中学校の峠を越えると
のどかな田園地帯が広がっている。駅から25分ほど歩くと立派な屋敷の前に「羽休の松」の石碑と説明板がある。
そこからもうひとつ峠を越えると史跡解説板とともに白鳥神社参道入口の門柱がある。ここから電波塔の立つ白鳥
神社を目指す。田園風景を見ながら緩やかに登っていくと10分ほどで山陽自動車道に突き当り、標識に従って右
折し、牛舎に沿って坂を登ると山陽道を跨ぐ別所橋の上に出る。別所橋を渡った所が登山口だ。
「白鳥神社参道」の大きな案内板と説明板が立っている。
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西高屋駅 |
高屋中学校の坂を登れば正面に白鳥山 |
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羽休の松 |
白鳥神社参道入口 |
羽休の松(白鳥伝説)の説明板
日本武尊は九州征伐の後すぐに、東国に向かった。関東を平定して尾張まで戻ったところで、伊吹山の荒神を平らげに
出掛けるが、そこで手痛い攻撃を受け、ついに伊勢の国で亡くなる。その魂は白い鳥となって河内、讃岐と飛んでいき、
安芸の国のこの地の松の木で羽を休めたということだ。そのとき、郷村の白い犬が吠えたため、白鳥山(神山)に飛んで
いった。すると、こんどは雉が鳴いたので恐れたという。その後、郷村では白い犬は飼わず、神山には雉は棲まないとい
う言い伝えがある ー 高屋西小学校区住民自治協議会ー |
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田園風景を見ながらのんびりと・・・・ |
山陽自動車道の突き当りを右へ
(マウス ON 角にある「白鳥社七丁」の丁石) |
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牛達に見送られ、いざ出発! |
山陽自動車道に架る別所橋(マウス ON 山陽道) |
登山口を入ると幅の広い参道が緩やかに樹間を上に延びている。落ち葉の美しい道を所々に残る丁石に導かれ
木漏れ日の参道を登っていくと露岩の目立つ開けた道になる。 ここからはジグザグの急な登りになり、一気に高
度を稼いでいく。展望の開けた場所を過ぎ、稜線に上がると石造りの鳥居が迎えてくれる。鳥居を潜り、暫く進むと
再びジグザグの急登になる。やがて自然石の大きな手水鉢が現れると白鳥神社はもう直ぐだ。登山口の説明板に
あった「天狗岩」は残念ながら見つけることは出来なかった。
日本武尊を祭神とする白鳥神社は、本殿と拝殿のほかに春日神社と神楽殿を擁する立派な神社だ。熊手の掃き目
も新しく、手入れの良い境内は清々しく、気持ちがいい。
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白鳥山郷登山口 |
美しい落ち葉の参道 |
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露岩の目立つ開けた参道 ここからはジグザグの登り |
稜線に立つ白鳥神社の鳥居 |
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参道脇の小さな祠 |
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白鳥神社入口の門柱 |
白鳥神社 |
参拝の後、神楽殿の横から、真新しい石灯籠の並ぶ舗装道を南に下ると、すぐ林道終点の駐車場に出た。3台の車から十
人程が降りてきた。いくら立派で由緒があろうが、それほどの観光名所とは思えないが・・・・。
駐車場から100mほど進むと右手に金網で囲まれた上水池があり、その先に説明板が立つ縦走路入口がある。
緩やかな登りを200mほど行くと十字路のある鞍部に出る。松子山を示す小さな手製の標識に従い、右手の道に入る。直
進方向は西国街道と記してある。
縦走路は落ち葉の積もった登山道で気持ちのいい道がゆるやかに登っている。小ピークを越え、右に曲がり、尾根道を進ん
で行くと、この山系で一番高い松子山山頂の三等三角点が待っている。明るい山頂広場?からは刈り払われた南側が、か
ろうじて展望が得られる。
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石灯篭の並ぶ裏参道 |
駐車場から白鳥神社を振り返る |
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縦走路入口 |
平坦な道を行く |
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西国街道(直進)分岐 縦走路は右折 |
落ち葉の積もった登山道 |
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露岩の点在する道を少し登ると三等三角点の鎮座する松子山山頂に着く |
初冬の日差しが落ち葉の積もった登山道を明るく照らし、青空に映えて美しく輝いている。そんな縦走路がどこまでも続き、
やがて小さなピークを過ぎるとロープのあるこのルート一番の急坂が484m手前の鞍部に向かって下っている。
登山道は484mのピークには登らず、南側を巻いき、再び尾根道に。同じような緩やかな下り道が続き、394mピークはい
つの間にか通過し、松子山から45分懸かって、やっと昼食予定地の展望岩に到着した。展望岩とは名ばかりで展望は無く
弁当岩に名を変えたほうがいいみたいだ。なにしろ、この縦走ルート上では松子山山頂か、ここしか昼食に適当な場所は無
い。 昼食は何時もの定食。いつまで飽きずに続くのか?
展望岩から少し溝状になった道を下ると竹林に出る。竹林があると里はもうすぐ、民家が見えるはずと思うが竹林を抜けて
も雑木林の中を暫く歩かなくてはならない。 10分ほど下ると東西条小学校と墓場の上に出た。あとは西条駅まで酒蔵通り
を抜け、30分余りの西条の街の散策だ。
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どこまでも続く落ち葉の絨毯を堪能しながら歩く |
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484mピーク手前の鞍部へ、このルート一番の急坂 |
484mピークは南側をトラバース |
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落ち葉が積もる緩やかな登山道を下り展望岩へ (ここで昼食) |
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竹林を抜ける |
東西条小学校前の登山口 |
ひとこと:この冬一番の散策コースを堪能! |