自然のままの深堂山、手入れの行き届いた南条山
国道486号線(旧2号線)磯松交差点を左折して県道を福富町方面に向かい、山陽自動車道手前で左折し高速道
路沿いに西に進む。橋を渡った先に十字路があり、角に説明板と清滝の標識がある。右手に見える鉄塔が登山口
で、鉄塔下に車2台分の駐車スペースだある。
駐車場には先行者の車が1台。土曜日だといっても所詮マイナーの山、登山者は少なそう。藪漕ぎも覚悟して出発
する。
黒瀬川支流の清滝川に架る橋を渡り、公園?広場を左に過ごし、緩やかな道を200mほど行くと滝が見える。これ
が、入口の説明板にあった清滝だ。登山道からは下りることは出来ないが、公園から川伝いに上流に進むと滝の下
に出ることが出来る。 滝のすぐ上には「千度のかけはずし」という、農業用水の堤跡が残っている。堤跡を覗いて
少し進むと堰堤がある。明るく開けた感じが良かったので寄ってみる。ここで大発見?
本州、四国九州の深山で、比較的乾燥した尾根に生育し、個体数が少なく発見が困難というオオズミ(オオウラジロ
ノキ)がこんなところに・・! ここは深山? |
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清滝入口 |
清滝駐車場 |
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登山道入口 |
清滝 |
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「千度掛け外し」の石柱と堤跡の現場 |
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堰堤から稜線を仰ぐ 右手に南条山 |
オオズミの実 |
気分を良くして先に進む。道が半分崩れたところを通過し、樹林帯に入って暫くすると再び沢と合流し、小さな流れ
を渡り右岸へ。2,3度渡渉を繰り返すと左手にマーキングテープがあり、社への道がある。清滝川ルートは直進だ
が 、左手の道を採って登ってみる。畑の跡らしきところを過ぎると左手に道が分岐し、奥に社が見える。焚き火の
跡があり、ここを訪れて何か行事が行われたのが判る。この場所が登山口の説明板にあった清滝寺跡だろうか。
社の分岐を直進し、藪を漕いで深堂山に登った「こういちさん」のレポートがある。このルートも面白そうだ。
探索を終え清滝川ルートに戻って沢伝いに進み、やがて左に曲がり沢から一時離れる。右下に沢を見ながら登って
いくと、やがて石のゴロゴロした涸れ沢を登るようになる。涸れ沢から左斜面に取り付くとえぐれた登山道になり、傾
斜が増してくる。荒れた急な道を登り詰めると登山道は右手の斜面へ。路面の状態は良くなったが傾斜は一段と増
し、厳しさに木に掴まりながら体を引き上げながら登っていく。その急登の行く手を羊歯が遮る。このルート最大の急
登個所だが、足下の道は明瞭だ。その道もやがて羊歯に囲まれ不明瞭になった地点で右に曲がり、羊歯を抜けると
棚のような開けた場所に出る。一瞬展望が開け、左手に南条山、眼下に西条の街並みが見下ろせる。
この先、稜線へは右寄りにジグザグ道を登り、稜線に乗る。分岐には沢山のテープが巻かれている。あちこち寄り道
をしたせいで1時間半も掛かってしまった。
分岐を左折し、深堂山に向かう。分岐から西へ2〜30m進んだところで登山道は稜線上を左に曲がる。稜線上の
踏み後をたどりながら急坂を登ると550m台のピークに達する。やっと正面に深堂山が見えてきた。2つほどコブを
越え、最後の城壁のような壁を登ると2等三角点の鎮座する深堂山山頂に辿り着いた。清滝城の本丸跡の山頂部
は広く、四方は切り立った急斜面になっている。山頂からの展望は樹木に遮られ、乏しいが西方面には高鉢山や高
鉢槍、安駄山の稜線が見え、その上に白木山の山頂が覗いている。
シャリバテ寸前の腹具合を癒すため、冷たい風に震えながら、ここで何時もの鍋焼きうどんで体を温める。
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渡渉を繰り返しながら進む |
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ひっそりと佇む神社 |
沢歩きが続く |
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掘れた登山道から荒れた道へ、そして右手の急登へ |
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羊歯漕ぎを抜けると一瞬展望が開ける 左手に南条山 |
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稜線の道 |
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最後の急登 |
深堂山山頂(マウス ON 二等三角点) |
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山頂からの展望 正面は高鉢山と高鉢槍 |
腹も満たされたので南条山に向かう。山頂直下の急坂を下り、ヌタ場を過ごすとコナラの巨木に出会う。20分ほどで清滝分
岐を過ごす。分岐からは倒木もなく歩きやすい道が続いている。一旦少し下り、登り返す。次第に傾斜が増して、一汗かいた
頃傾斜が緩み登山道が右に曲ると木の間越しに深堂山が見え隠れする。しばらくは緩やかな登りで小さなコブを越えると
鞍部から猛烈な登りになる。 テープで仕切られた谷方向への道を過ごすと間もなく南条城跡の南条山西峰に着く。南条山
山頂(650m)と書かれたプレートが懸かっている。東峰までは100mほどの距離だ。こちらは登山道の一部で何もないが
山頂から少し下ったところに「第2展望台」があり、西方面の展望が開け、深堂山を望むことができる。
南条山からの下山道は急坂の連続だが、素晴らしく手入れされ、急坂部にはロープが設置してある。
第2展望台から10分で第1展望台に着く。ここは標高560m 南条山四等三角点が設置されている。三角点は地形的に
張り出したところにあり、一帯は綺麗に刈り払われ視界を遮るものはない。この山域随一の展望所だ。
野呂山から曾場ヶ城山、小田山を始め東広島の山々は勿論、遠く三原の山も遠望できる。
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山頂直下の急坂を下り、ヌタ場を過ごすとコナラの巨木に出会う |
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沢山テープが巻かれた清滝分岐 |
南条山への尾根道 |
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快適な登山道 |
南条山西峰と東峰 |
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第2展望台の標識 |
展望台から深堂山を見る |
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第1展望台 |
展望台標識と????? |
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北側には虚空蔵山 |
綺麗に伐採された岩場の展望台 |
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南側の展望 |
第2展望台からもよく整備された登山道が続き、快適に下っていく。第2展望台から30分ほど下ると4連の堰堤を渡り、右岸
の道を進むと南条林道の登山口に出る。登山口標識や注意書の看板が立ち、広くなった路肩には4〜5台は駐車出来そう
だ。ここから清滝川登山口までは20分あまりの距離だ。初冬の風景を楽しみながら、のんびりクールダウンしながら駐車場
まで歩く。
まだまだ近場でもいい山がありそうだ!
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よく整備された登山道 |
急坂にはロープ |
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4連堰堤を渡り右岸を下る |
ヤブムラサキ |
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林道に出る |
林道登山口(マウス ON 丸印拡大) |
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南条林道をクールダウンしながらのんびり駐車場へ |
ひとこと:マイナーの山だが、なかなか面白い! |