紅葉の登山道からブナの原生尾根を山頂へ
岡山県津山市の院庄から人形峠を越え鳥取県に入る国道179号線を奥津温泉の先、上斎原で分かれる
国道482号線は辰巳峠で鳥取県に入る。国道482号線沿いにある恩原湖はコナラの紅葉に包まれて秋たけなわだが、県境の辰巳峠を越えると紅葉は一段と色鮮やかに彩り豊かになってくる。山の頂まで種々の木々が競って色を織りなしている様は信州の紅葉にも劣らない中国山地随一の景観であろう。
辰巳峠を下り、佐治町栃原の民家が現れると間もなく、三国山登山口の見逃しそうな小さな標識がある。
左手の佐治川を渡り、山王谷林道を約7.5km行く。紅葉に染まった道を慎重に車を走らせ30分ほどで林道終点に着く。
駐車場には林野庁森林管理局の車が1台。今日、山で出会ったのはこの車の一人だけ。右手下には三国山
避難小屋が紅葉に染まっている。屋内には薪が沢山用意され利用可能だ。 |
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紅葉に染まる山王谷林道 |
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林道終点の駐車場 |
三国山避難小屋 |
車止めの左手に「三国山登山道入口」の道標があり、急な丸太の階段が上に延びている。ナラやカエデ、ブナ、クヌギなどが色とりどりに秋の紅葉を演出してい中、階段を登りきると緩やかな山道になる。 尾根からはこれから登る三国山が望まれワクワクしてくる。、途中、杉の門柱を潜り、暫く行くと再び横木の階段が始まる。
今度は長い階段だ。平坦になると「山頂まで1.6km」の標識がある標高1006mのピークに辿り着く。
ベンチの腰掛、汗が引くのを待つ。 |
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車止めの左手に登山口 |
いきなり横木の急階段 |
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紅葉に癒され急登の階段を登っていく |
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階段を登り切るとなだらかな尾根道になる。 杉の門柱を潜る |
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美しいブナの紅葉 |
三国山北峰の雄姿 |
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再び横木の急階段 |
山頂まで1.6kmの標識とベンチ |
少し下り鞍部から登り返すとね曲がり竹の茂る斜面を登り、やがてコースは主稜線を右から巻くようにして山頂を目指す。トラバース道は狭くて傾斜があり、足の踏み場所を探しながら進んでいく。と、突然その細い道も深い谷に遮られる。木の梯子段があるが斜めに傾き、滑ってとても使えない。傍にセットしてある細いトラロープの助けを借りて10m程の崖を登る。
最初の谷を越え、ホッとしたのもつかの間、次の谷越えが現れる。今度はV字に梯子の架った谷だ。丸太の梯子は靴が滑って危ない。縦杭を滑り止めに、大股を広げて越えていく。
三国山名物?の谷越えが終わり安心していると思わぬ難所が待ち受けていた。道が消失した岩の斜面だ。ここにも細いトラロープが渡してあるだけだ。足を滑らせるとこのロープではとても支えきれない。足場を慎重に選び、恐る恐る渡っていく。
やっと難所が終わり、登山道は主稜線に向かって登っていく。稜線に出て振り返れば三国山南峰はすぐ後にある。
頂上直下まで、すでに葉を落としたブナの原生尾根を行く。クマザサに覆われこんもりした山頂付近の切通を越えると一等三角点の設置されたなだらかな頂上に達する。
傾いた丸太の展望台からは北東方向に高鉢山、鷹峰山、鳥取市街から日本海を見渡すことができ、また西方には大山、東方には氷ノ山の山並みを捉えることができる。 |
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根曲がり竹の回廊を進み、やがてトラバース道へ |
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この山の三大難所 の谷越えと岩の斜面 |
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難所を越えて稜線への緩やかな道 |
振り返れば三国山南峰 |
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葉を落としたブナの原生尾根を行く |
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傾いた展望台のある山頂 |
正面(北)には鷲峰山 |
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山頂から東方の眺望 遠くには氷ノ山 |
帰路は往路を引き返す。また、あの難所が待ち構えている。谷を越え、歩きにくい傾いた細い道が終わり「山頂
まで1.6km」まで帰ると一安心だ。あとは紅葉燃える森の中を気持ちよく下っていくだけだ。
まだ1時半を回ったばかりだ。ゆっくり楽しみながら帰ろう。
登山口では我が愛車がぽつんと1台待っていた。
急階段や難所はあったが素晴らしい紅葉に心癒される山旅だった!
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道が消失した岩の斜面 |
三国山北峰 |
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V字の谷渡り |
傾いた梯子の谷越え |
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「山頂まで1.6km」のところで休憩 |
再び錦の中へ |
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ただ感動するばかり・・・・・ |
無事登山口へ |
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山王谷林道から三国山(南峰)を見る |
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どこまでも続く紅葉の森 |
ひとこと:難所のトラロープは何とかしてほしい!もう少し太いロープとか・・・・・! |