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 南暑寒岳(みなみしょかんだけ):1296.3mm
         北海道雨竜郡雨竜町

 山の概要
  南暑寒岳は北海道増毛郡の雨竜町と新十津川町の境に位置する山で、増毛山地の主峰、暑寒別岳(標高1492
  m)の南に一峰をなす標高1296.3mの山である。その東麓、標高850mの台地に東西4km、南北2kmにわたっ
  て広がる雨竜沼湿原は日本有数の山岳型高層湿原として有名である。
  大小数十個の池糖(ちとう)と呼ばれる沼が点在し、春の雪解けから秋まで200種以上の草花を観察できる。
  また、北海道の尾瀬ともいわれ、湿原の中には一周3.5kmの木道が設置され湿原を散策することができる。

 Route Map南暑寒荘登山口から雨竜沼湿原を経て山頂を往復するコース
 Road Map道民の森キャンプ場から国道275号線を北に進み、雨竜町から県道432号線で雨竜沼湿原へ
 

 2015年7月24日(金曜日)
  晴

 道民の森キャンプ場5:00.。。。6:50南暑寒荘7:05 → 7:20第一吊り橋 → 7:40白糸の滝 → 7:45第二吊り橋 →

 8:50雨竜沼入口9:05 → 10:05展望台10:15→ 12:10肩のピーク → 12:17南暑寒岳12:30 → 13:40展望台13:45→
 14:36雨竜沼入口14:46 → 15:40白糸の滝15:45 → 16:00第一吊り橋 → 16:15南暑寒荘駐車場16:25。。。。。
 
 19:15道民の森キャンプ場

 行動時間:9時間10分(休憩、昼食時間含む)
 昼食時間:13分
夏を待つ湿原の花々
 
雨竜市街から西へ道道432号線を自動車で進むと、12km地点に暑寒ダムがある。ここから細いダート道と舗装
 道を交互に走り、第二駐車場をさらに進むと登山口のある南暑寒荘に着く。暑寒ダムから14kmの距離だ。
 登山口のある南暑寒荘の周りは公園のように整備され、キャンプ場や宿泊施設、それに広い駐車場も用意されてい
 る。雨竜沼湿原を訪れるハイカーが沢山いるのだろう。それほどこの高層湿原は有名ということだろう!
 
 出発するには管理棟に届け出を済ませていかなければならないようで、この時に協力費の500円を払う仕組みに
 なっている。登山道や湿原の維持をするには、当然の負担であり十分とも思えない金額である。管理人に山の状況
 や熊情報を聞いて、管理棟の前の橋を渡ってスタートする。
 広い作業道を暫く歩くと「渓谷第一吊り橋」となり、橋を渡ると山道の登山道になる。登山道に被る、露に濡れた草が
 ズボンの裾を濡らすが、スパッツまでは必要ないようだ。
 左岸から右岸へ、木の根や石がごつごつ出ている自然のままの登山道を進み、再び「渓谷第二吊り橋で左岸に移
 る。 急な登山道に咲く、エゾアジサイと季節違いのタニウツギが蒸し暑さに疲れた体を癒してくれる。 やがて左足
 下から沢音が聞こえてくると急登も後少しの辛抱だ。
 道が平坦になり、根曲がり竹の道を暫く進むとペンケペタン川の流れに合流する。雨竜沼湿原から流れ出る渓流は
 明るく美しい。沢から離れて、ゆるやかに登っていくと辺りが開けて鮮やかなシモツケソウの赤い花やシナノキンバイ
 の黄色の花が出迎えてくれ湿原の端に出たことが分かる。
第一駐車場 建物は左トイレ・右管理棟 管理棟
 ゲート前の種々の案内板に交じって協力金のお願いの看板
管理棟の前の橋を渡って登山スタート。正面は宿泊棟
「渓谷第一吊り橋」を渡ると山道の登山道になる
公園のように整備された登山口の様子からは想像できないような自然の道
白竜の滝分岐をやり過ごし滝上の休憩所へ(マウスON 白竜の滝)
 
渓谷第二吊り橋を渡ると湿原入口までの中間点(残り1500m)
道端に咲く、アジサイとタニウツギ
急登を頑張るとやがて傾斜が緩み、なだらかな道に
ペンケペタン川に合流
・・・・・ シナノキンバイ エゾノシモツケソウ

 湿原入口には、靴洗い場があり、ブラシも置いてある。ここで靴を洗って雨竜湿原へ。
 北海道の尾瀬ともいわれる、ラムサール条約登録の湿原だ。
 入口のテラスで軽く腹ごしらえをして、いざ出発!。
 前方に見える、南暑寒岳その右手にある増毛山地の主峰、暑寒別岳は雲を被っているが、青い空の下どこまでも
 広がる緑の湿原には、白い木道がすーっと延びている。湿原を渡る風が心地よい!
 湿原を埋め尽くすエゾカンゾウの姿はすでになく、見えるのは一面の緑に原だ。
 湿原中央部あたりに展望テラスが設置されており、湿原入口で追い越したグループが休憩している。
 池糖(ちとう)が美しく弧を描く辺りにくると湿原の縁にヒオウギアヤメが咲いている。木道の分岐まで来ると色鮮やか
 なシモツケソウに混じってエゾクガイソウ、ハクサンボウフウ、タチギボウシやエゾノサワアザミ等が賑やかに色を競っ
 ている。そして池糖(ちとう)には雨竜沼湿原の固有種ウリュウコウホネが黄色の可憐な花を咲かせている。
 湿原の木道は右回りで、3,5kmを一周するようになっている。湿原を半周したところにある分岐を左にとると、木道
 が途切れ、笹原の中の急な階段を上ると湿原展望台がある。そこで広大な湿原を見下ろしながら、ゆったりと休憩
 する。
 雨竜沼を根城にする熊がいると聞いたが、今日はそんな痕跡は無かった。
 
 
湿原入口のテラス 広大な緑の湿原
展望テラス 美しく弧を描く池糖(ちとう)
ヒオウギアヤメに縁どられた池糖の青さが美しい             シモツケソウ&クロバナハンショウヅル
イワイチョウ&タチギボウシ                   エゾクガイソウ&シモツケソウ                  
 エゾノサワアザミ、シモツケソウ     エゾクガイソウ
シナノキンバイ&シベリアシオガマ        諦めていたエゾカンゾウの残り少ない花      
 
急な階段 湿原展望台(今はベンチのみ)

 展望台から山頂までは3、5km。我々より年配のご夫婦に続いて出発。あとの人達はここまでのようだ。
 樹林帯のなかの平坦な道を進んで行くと、やがて根曲がり竹に囲まれた広い道になる。笹の中の道は今年一番の
 猛暑でむせ返るようだだ、斜度も標高差もそれ程なく、コガネギクの咲く道をウソに先導されながら、だらだらと登って
 いく。それにしても長い行程だ。暑さとキツさにしだいにへばってくる。標準時間の1時間15分はとっくに過ぎた。
 下山してくる人に「山頂はまだですか?」と問うと「まだまだです」との答え。ガックリして休憩。
 笹の背丈が低くなり、開けたところに出ると山頂尾根が見え、涼しい風が吹いてきた。ハイマツ帯を過ぎると山頂直
 下の草原にに出る。山頂尾根は目の前だ。エゾフウロウやハクサンボウフウ、ウメバチソウが咲いている草原を過ぎ
 急登を一登りすると三角点のある山頂尾根に立った。ここが山頂だと勘違いしそうなピークだ。眼下には雨竜沼が
 広がっている。そこから山頂へは平坦な道を100mほど歩けばいい。
 山頂からは増毛山地の山々が一望できるが、暑寒別岳はまだ雲が懸かっている。思いのほか時間を費やしたので
 慌てて昼食していると暑寒別岳がくっきりと姿を現してきた。これは湿原からの眺めを期待できそうだ。
 帰りも長い道のりだ。湿原展望台で一休みして、湿原へ。 思った通り、南暑寒岳も暑寒別岳も湿原の背後にクッキリ
 姿を見せている。
 往復18km余りの道のりは遠く、標準7時間のところを9時間かけての山行だった。
 
 
竜の形をした立ち木 根曲がり竹に囲まれた道にはコガネギクが咲いている
木陰では休みたくなる 振り返れば雨竜湿原が一望
山頂直下の草原にはエゾフウロウやハクサンボウフウ、ウメバチソウが咲いている
肩のピークの三角点 南暑寒岳山頂
三等三角点の鎮座する南暑寒岳山頂 後方は暑寒別岳
池糖に影映す南暑寒岳 ウリュウコウホネと登山口
 ひとこと:花の百名山! 今度はエゾカンゾウが一面ひ広がる風景を見たいね! 南暑寒岳登山はもう結構!・        
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