おしどり登山隊                                             |山便りへ ホームへ 
勝田ヶ山(かつたがせん):1149.0、甲ヶ山(かぶとがせん):1338.0 
 山の概要
  鳥取県の中西部、赤崎町と中山町の境に位置する甲ヶ山は、遠くから見ると山頂の形が鎧兜の甲に似て
  いることから名がついたという。
  この山は大山火山の噴火でできた外輪山の一部である。山頂から流れ出た溶岩が長い尾根をつくり、その
  先端は船上山まで続いている。甲ヶ山から船上山の間はブナやミズナラの自然林に覆われており、野鳥の
  生息数も多く森林の生態系が保たれている貴重な山域である。
        ーヤマケイアルペンガイド「中国の山」よりー
   
 Route Map東坂登山口から船上山、勝田ヶ山を経て甲ヶ山山頂へ、帰路は往路を下山
 Road Map米子自動車道溝口ICから県道45号線を東進し大山環状道路を経由して東坂登山口駐車場へ 

 2015年10月19日(月曜日)
  晴れ

船上神社7:43→ 8:40 941mピーク 8:52→ 9:47勝田ヶ山三角点→ 9:57勝田ヶ山10:07→ 

11:14ゴジラの背11:30→11:38甲ヶ山山頂(昼食)12:03→ 12:10ゴジラの背12:20→ 12:48勝田ヶ山12:58→

 13:08勝田ヶ山三角点 → 13:45 941mピーク→ 14:30船上神社14:35→ 15:15東坂登山口15:30..
.........19:15ホーム

 行動時間:8時間35分(休憩、昼食時間含む)
 昼食時間:25分

移り行く紅葉の道をたどって山頂へ
 船上神社の左手奥にある大山縦走路入口の標柱から勝田ヶ山・甲ヶ山に向かう。
 縦走路は広々とした笹床の樹林帯を緩やかに登っていく。かすかに色づき始めた木々が夏とは違う柔らかな雰囲気を醸し出し、周囲の展望を売ることはできないが楽しい山歩きを演出してくれる。大きなブナの木に混じり、際立って大きなミズナラの木が存在感を示している。船上神社から1時間ほどで天王屋敷の標識を過ごすと、その先に4等三角点のある941mピークに着く。
 ここからの笹漕ぎを覚悟して、小休止後出発するが笹が刈られており、笹漕ぎの苦労からは免れたようだ。
 
船上神社の左手奥にある大山縦走路入口の標柱から甲ヶ山に向かう
 森の主、ミズナラの巨木 色づき始めたブナの森
天王屋敷の標識 標高941mのピーク

 刈られた笹を踏みしめながら緩やかに登っていくと間もなく傾斜がきつくなり、木々の根が張り出した滑りやすい急登になる。梢の先に大山の雄姿を見、木々の間に勝田ヶ山を仰ぐと急登も本番だ。
941mピークから標高差100m程を1時間ほどかけ慎重に登ると勝田ヶ山三角点に着く。もうこの辺りは色づきもピークだ。 
 カエデやナナカマドが赤く色鮮やかに染まっている。三角点から平坦道をしばらく進むと再び急な坂になり、一登りすると明るい尾根道に着く。突き当たった稜線を右に曲がり、斜面に張り出して木の根をかわしながら進み再び稜線に登り返すと展望が開ける。少し先の開けた場所には砕けた標識が散らばっているが勝田ヶ山の表示が読み取れる。
 勝田ヶ山の山頂からの展望は素晴らしく、行く手にはこれから向かう甲ヶ山が見え、その奥には大山の峰々が聳えている。
       登山道から大山を仰ぎ見る                   刈られた笹藪と紅葉の紅葉
木の間越しに勝田ヶ山を見る                         美しいブナの木と紅葉
ツタウルシの紅葉 笹に埋もれて急登を登る
標高1100m付近の紅葉
・・・・・・・  勝田ヶ山の三角点
 
心も華やぐ紅葉の森 尾根に着くと直角に右に曲がる
       紅葉真っ盛りの縦走路                        木の根の張り出した登山道
勝田ヶ山山頂尾根から甲ヶ山と大山を見る         尾根道を甲ヶ山に向かう

 道に張り出した柘植などの小木を掻き分け、尾根から右に外れ稜線に沿って斜面を進んでいく。木の根と岩の歩きにくい斜面を小さなアップダウンを繰り返し進んでいくと分岐に出会う。右は甲川への下山道のようだが、標識の白いポールは折れ、表示盤は割れて転がっている。
 分岐から左の稜線を進むと尖峰が目の前に立ちはだかる。このピークの先が「ゴジラの背」かと思ったが、その名物尾根は更にその先だった。ピークから振り返ると崖の上に連なる、歩いてきた縦走路を見下ろすことができる。
 小さく下って登り返すと、あの、岩を積み重ねたような岩尾根が現れた。ネットの写真でしか見たことが無かった「ゴジラの背」が目の前にある。 さて、いったいこの岩尾根をどう越えていくか? 右手に小さく踏み後が見える。ワクワクしながら最初の岩に取り付く。
 なるべく危険な岩の上を通らないように、はじめは岩を掴みながら狭い道を進んでいくが、真ん中付近で大きな岩が立ちはだかり、どうしても岩を乗り越えなければならない。振り返ると副隊長は岩の上をスイスイ越えている!。
 「ゴジラの背」最難関の大岩にはロープが設置してあるが、ロープを使うと余計危険な気がする。掴む岩はしっかりしており、掴む場所もいろいろあって、自分に合ったホールドが出来る。スイスイとはいかないが案外スムーズに越えることができた。
 「ゴジラの背」を渡り終え、狭い尾根道を行くと甲ヶ山山頂に着く。
標高1338mの山頂は狭く、登ってきた尾根以外は切れ落ちた断崖だ。山頂には三角点は無く、石に書いた山頂表示があるだけだ。
 山頂からの展望は大山をはじめ矢筈ヶ山等、360度の大パノラマが広がっている。裾野を染める紅葉の森も素晴らしい。
錦秋の中を行く 甲川への分岐 折れた標識(マウス ON)
山頂手前のピーク ピークから縦走路を振り返る
甲ヶ山名物のゴジラの背      ゴジラの背を渡る
甲ヶ山山頂 記念撮影

甲ヶ山山頂でゆっくり休憩した後山頂を出発しようと立ち上がると矢筈ヶ山から縦走してきた長身の若者が頂上直下の崖を登ってきた。山頂で休むこともなくゴジラの背をひょいひょいと渡っていく。素晴らしい運動神経と体力だ! 
 我々も遅ればせながら岩に取り付く。帰りはルートも要領も分かっているので、余裕を持って歩いて行ける。 若者はゴジラの背を渡ったところで休んでいる。ここが今日の山行の終点で、一向平(いっこんがなる)まで引き返すと言う。
太陽の光を背に浴び燃えるような紅葉の中を下っていく。
勝田ヶ山山頂で石に腰掛、甲ヶ山を振り返り名残を惜しむ。
 勝田ヶ山山頂を後にすると樹林帯の中に入り展望は無く、急な斜面を下っていく。勝田ヶ山の三角点を過ぎると長い急な下り坂となり、傾斜が緩むと941mピークに着く。ここからはなだらかな快適な道が続く。朝にはいなかった小鳥が木々の間を囀りながら飛び回っている。ここは野鳥の宝庫でもある。
 勝田ヶ山山頂から1時間半、船上神社に到着。一休みした後、船上山に向かって広い参拝道を下りて行く。
 船上山を過ぎ、赤松の並木道まで来ると、間もなく東坂登山口に無事到着。
 山頂で出会った若者以外、誰にも会わなかった静かな山行だった。
 
ゴジラの背を帰る
赤く染まる森の中を進む
秋・秋・秋・・・・・・・
標高700m台の広々とした笹原はまだ緑
船上山を過ぎ、赤松林を下れば、もうすぐ登山口
 ひとこと:変化に富んだ登山道、素晴らしい森、ドキドキの岩稜渡りと楽しさいっぱいの山!        
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