小春日和の一日は暖かい島の山へ
先週は灰ヶ峰の藪山に痛めつけられたので、今回は瀬戸内海国立公園ハイキング道として整備された因島の山、
青影山から奥山までの因島アルプスをのんびりと歩くことにする。
この山塊は南側の登山口から登るのが一般的だが、今回は北側の中庄から青影山に登り周回することにする。
国道317号線から県道12号線に入り250mほど行くと路側が三角形に広くなった所がある。隣の人に聞くと県道
を造った時花壇にすると云うのを断って空き地にしてもらったらしい。車3台は十分停められ、駐禁にもならないし、
登山道にも近く絶好の駐車場だ。
「ここからの登山道、整備もしてなく、倒木があるかもしれないが、青影山に水軍城を復元した暁には正面登山道に
なるはずだった」と熱く語ってくれた。県道からその道に入っていくと右手に青影山登山道改修記念碑の立派な石碑
が立っている。
収穫を終えた蜜柑畑に沿って、舗装された道を登っていくと10分もしないうちに舗装路の終点に着く。標識は無いが
ここが登山口だろう。しばらくするとコンクリート舗装の道になり、現在地を記した地図のところから急なS字カーブを
描いて左手の斜面に回り込むと青影山が正面に姿を現す。ここからは広い地道になり、「青影山まで700m・県道
まで1000m」の標識を通過すると丸太の階段道になる。整備をしていないというが道を塞ぐ倒木が1本あっただけ
のりっぱな登山道だ。
傾斜が急になってくると前方に鞍部の明かりが見えてくる。急坂を登り鞍部に上がると、 突然、顔相の悪い怖そう
な山犬?の出迎えを受け、ビビッたが猟友会の人が田熊側から登ってくる姿を見かけホッとする。
話を聞けば「この山塊はいのしし天国で数多く生息し、今年になって、もう11頭も仕留めた」そうだ。それと「この犬
は人には危害を加えないし、登山道を歩いている限り鉄砲で撃たれる危険は無い」とのことだった。
青影山へは急斜面にジグザグに付けられた道を登っていく。東屋のある手前の広場が二の丸で、その先が本丸。
空気が澄んでいれば絶景だろうが、今日は春霞が掛ったようで、目の前の岩城島さえ霞んでいる。
二の丸の東屋で休んでいると二匹の猟犬が上がって来た。首にはアンテナの着いた首輪をしている。
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県道120号線青影山入り口 丸印が駐車地 |
入り口を反対側から見る |
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青影山登山口の標識 |
青影山登山道改修記念碑 |
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青影山登山口?ここまでは車で来れそう |
コンクリート舗装の道 |
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現在地を記した地図が要所にある |
斜面を回り込むと青影山が目に入る |
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朽ちかけた青陰城跡の説明版 |
青影山まで700m・県道まで1000mの標識 |
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道を塞ぐ倒木はこれだけでした |
峠の鞍部が見えてきた |
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鞍部の十字路にある道標 |
山犬?猟犬でした
この犬は猪との戦いで片目が見えなくなり、
腹も裂かれて大手術したそうです |
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急坂を登り青影山山頂へ |
青影城二の丸跡 |
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「村上義弘公青影城址登山路改修碑」の横を通り、本丸跡の山頂へ |
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二の丸跡から見る田熊町と瀬戸の島々 |
鞍部まで戻り、大山峠に向かう。中間点の大山峠までは1400mの道程だ。鞍部から一登りすると見晴らしの良い
展望地に着く。振り返ると青影山の二の丸東屋が見える。
キツイアップダウンと楽な平坦道を繰り返していると後ろから犬の吼える声と銃声が、二度、三度と聞こえてきた。
足元を先程とは違った猟犬が走り去っていく。何か凄い緊迫感を覚えた。
鞍部から20分、縦走路脇に小さな三角点のある大山山頂を通過する。枯れたコウヤボウキを眺めながら暫く進む
と十字路のある鞍部に着く。ここが大山峠かと思ったが大山峠まではさらに300mの標識がある。急な横木の階段
を登った先のピークに東屋がある。疲れて一休みしたくなると休憩所が現れる。実に良いタイミングだ。
東屋から横木の急階段を下り、斜面を回り込むと地蔵堂がある。その先が縦走路の中間点、大山峠だ。
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鞍部から一登りすると展望所に着く
振り返ると青影山が・・・・・ |
落ち葉を敷き詰めた登山道 |
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急坂を落ち葉で足を滑らせないように注意して下る |
青影山から900m、大山峠まで800mに標識 |
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大山山頂の四等三角点 |
気持ちの良い縦走路 |
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大山峠と間違えた十字路から急な横木の階段道を登ったピークに東屋がある |
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東屋から急階段を下り、斜面を回りこむと 地蔵堂に出る |
大山峠から奥山へのルートは、前半の青影山・大山峠を違い、登り一辺倒の縦走路だ。
峠から横木の階段を登ると、もう汗が噴出してくる。奥山山頂まで1100m、1000mと頻繁に標識が設置してある。
休んでくださいというようにベンチも何箇所も・・・・・。思った以上に急でキツイ登りが続く。途中に338mピークに登
山道から外れた尾根の上に東屋があるが尾根伝いに登山道に降りることは出来ない。
少し緩やかになった登山道は三庄分岐から再び、斜度を増し最後の急坂となる。山頂部の平坦な道になると石仏
の並ぶ旧道と平行して山頂に向かう。やがて葉を落とした楓のトンネルの先に明るい山頂広場が見えてくる。
東屋と石仏が並ぶ頂上は広々として、素晴らしい展望が広がっている。四国の山々まで見えるというが、今日は生
憎の天気だ。近くの島も霞んで見える。
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縦走路の中間点大山峠 奥山まで1300m |
横木の階段 かなり急 |
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山頂まで1000mの標識 |
ベンチを見れば休みたくなる |
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右手、丘の上に東屋 (東屋の先は行き止まり) |
三庄町分岐 山頂まで300m |
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もう一息 |
登山道と平行に走る旧道には石仏が並ぶ |
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葉を落とした楓のトンネルの先に山頂が見える |
奥山山頂に到着 |
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東屋もある広い山頂 |
石仏に囲まれ、今日は力うどん |
ぽかぽか陽気の山頂は芝生に根っころがって一眠りしたいところだが、そうもいかず帰途に着く。下山は山頂から
北に延びる尾根を下り奥山ダムに至るルートの予定だ。椋浦峠に向かう道から奥山ダムへの尾根道へ踏み込むと
落ち葉で踏み跡は見えないが、歩きやすく障害物も無く、登山道の面影は残っている。しかし、これでは登山道とは
言えず、猟犬に追われ、挙句の果て鉄砲で打たれてはたまらないと引き返すことにする。
我々の足音を聞きつけたか、そんなことはないだろうが2匹の猟犬が奥山山頂でしきりに辺りを嗅ぎまわっていた。
日曜日なのに、猟犬以外に人に会わないと思っていたが、帰り道では団体さんを初め、沢山のハイカーに出合った。
おそらく広い山頂も所狭しの大賑わいになるだろう。
大山峠までは30分、尾道猟友会の車が1台登ってきたが、特に駐車スペースはない。
県道まで1100mの標識。右折して県道120号線に進んでいく。濡れて滑り易い落ち葉に注意しながら林道を下っ
て行く。尾道猟友会の「イノシシのわなに注意」の看板があちこちにある。
池が見えてくると竹薮の端に「左が土生三庄道、右に田熊道」の石碑がある。右に田熊道を行くと大山峠と勘違い
した十字路に至るが、いたるところ倒れた竹が道を塞いでいるように見える。
池の下端には立派なお堂と石碑があり、その裏に落人の墓がある。その石碑には「落人の墓」と刻まれている。この
落人とは誰のことでしょうか?
大山峠から登山する人はこの辺りに駐車して登るのがいいのでは? 勝手に登山口にしました。
老人保健施設あおかげ苑を過ぎると間もなく県道120号線に合流する。駐車地までは後1kmほどです。 |
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椋浦峠に向かう道から奥山ダムへの尾根道は踏み跡無し |
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計画を変更して大山峠へ引き返す |
大山峠に尾道猟友会の車が1台 |
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林道を下り、登山口のある池へ |
ひとこと:イノシシ王国、イノシシに襲われたら・・・・・・!・ |