屋島を北から南へ余すところ無く?縦断の山旅
今回の山行きは観光とハイキングを兼ねて、のんびりと屋島を旅することにする。屋島は標高292mながら四国
百名山に名を連ねている山だ。
早めに家を出て、屋島神社の駐車場(広い駐車場は無料)へ。 駐車場にはハイキング姿の人も見かけられるが
屋島神社からタクシーで長崎の鼻へ。タクシーは県道150号線からさらに北に進み、長崎の鼻の駐車場?まで乗り
入れてくれた。階段を降りれば、江戸末期、高松の港を守る為築かれた砲台跡に立つことが出来る。最先端のこの
岬からは瀬戸内海の眺めが素晴らしく、島々の奥には小豆島も見ることが出来る。
砲台跡から眺める屋島は、まるで違った山容を見せる。鋭く尖った尖峰が、いまからの山行きが楽でないことを暗
示しているようだ。
長崎の鼻から車道を少し引き返し、長崎鼻古墳へ。長崎鼻古墳は標高50mにある全長45mの前方後円墳で海
上交通に関係の深い豪族の墓であろうと云われている。
ウバメガシの森をそのまま歩いていくと車道に出る。車道を横切ると北嶺への登山口がある。遊鶴亭まで820mの
標識の先は緩やかな横木の階段が山頂に向かって延びている。
静かな山道を15分ほど登ると洞窟が見えてきた。面白そうだが落石の危険があり立ち入り禁止になっている。
洞窟を過ぎると傾斜を増した登山道になり、いつの間にか頭上には北嶺の断崖が負い被さっている。断崖に沿って
トラバースしていくと「遊鶴亭まで70m」の標識があり、そこから左にUターンするように岩場に取り付く。岩場に付
けられた階段状の登山道を登っていくと「遊鶴亭まで30m」の標識。振り返れば遥か眼下に長崎鼻、島の間を行
きかうフェリーの白い船体が青い海に映えて美しい。見上げればUFOのような白い遊鶴亭の展望台。
遊鶴亭で休憩するが吹き抜ける風が冷たく寒くて、ゆっくりと素晴らしい展望を楽しむ余裕が無い。
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屋島神社入り口と駐車場 |
屋島案内板(マウス ON 長崎の鼻拡大図) |
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長崎の鼻 (マウス ON 標高8.5m四等三角点) |
長崎の鼻から見上げる屋島北端 |
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長崎鼻古墳入り口 |
長崎鼻古墳(5世紀の前方後円墳) |
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北嶺登山口 |
緩やかな横木の階段 |
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静かな歩きやすい道 |
洞窟(採石場の跡らしい) |
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岩壁に沿って登っていくと遊鶴亭まで70mの標識 左に曲がり岩場に取り付く |
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北嶺北端の岩壁を登る |
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見下ろせば遥か下に長崎鼻 |
UFOのような遊鶴亭 |
遊鶴亭を後にし、ウバメガシのトンネルを通り、談古嶺に向かう。
途中、魚見台や千間堂など見ながら遊歩道を進み、尾根が切れた所から岩場に取り付き岩尾根歩きをし、遊鶴亭
から45分(普通に歩けば30分程)で談古嶺に到着。
ここは屋島三大展望台の一つ。ここからは源平の古戦場「壇ノ浦」が一望でき、那須与一の扇の的、義経の弓流し、
平家軍船の「船隠し」など、平家物語に出てくる屋島の合戦の舞台が眼下に広がる。
談古嶺から山上駐車場までは5分程。さて昼の「うどん」にありつけると思いきや、駐車場の店は全て閉まっている。
途端に空腹感が増してきた。
駐車場内を進み四国84番札所屋島寺に入る。ここは四国霊場唯一鑑真和上が開基した寺で、国指定重要文化財
となっている。朱塗りの本堂に参拝し、辺りを見回すと本堂左手奥に幟が見える。これでやっと「うどん」にありつけ
る。うどんにはありつけたがすっかりほかの事は忘れてしまった。もうすこし辛抱してそのまま進み、「れいがん茶屋」
まで行けば、「うどん」にもかわらけ投げで有名な「獅子の霊巌」展望台にも出会えたのに・・・・・。
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バベのトンネル 尾根道の遊歩道 |
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屋島の中央部には平坦な自然道が |
千間堂跡広場で説明を受けるツアー客 |
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遊歩道から離れて岩場の尾根道へ |
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尾根道から遊歩道に出ると談古嶺のビューポイント |
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談古嶺から見下ろす古戦場跡と五剣山 |
展望広場から北嶺を振り返る |
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四国霊場84番札所屋島寺 |
昼食は釜揚げうどん、ダブルで |
満腹になり幸せな気分で山門を二つ潜り、その先の分岐を左の道に入りのんびり遊歩道を歩いていく。そのまま
直進し階段を降りると遍路道で下山することになる。途中の東屋でコーヒータイムなどしていると、またまた屋島の
一等三角点を見逃す。
暫く行くと屋島城跡、復元工事中で立ち入り禁止。さらに進むとケーブルカー乗り場が寂しい姿で立っている。辺り
には賑やかだった往時を思わす飲食店の姿も・・・・。
真新しいトイレの横に「冠ヶ嶽入り口」の小さな標識が立っている。ここから南嶺先端の冠ヶ嶽に向かう。
木漏れ日の漏れる静かな地道を歩いていくと10分もしないうちに冠ヶ嶽の展望台に着いた。
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山門を二つ潜って、左が南端への道
そのまま直進すると遍路道 |
カーブルカー乗り場跡
(マウス ON トイレの横に冠ヶ嶽への入り口) |
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南嶺先端への静かな道 |
南嶺先端・冠ヶ嶽の展望台 |
高松市街と五色台の展望を楽しんだ後下山。しかし冠ヶ嶽先端からの下山口が見当たらない。勿論屋島の案内図
にそんな道はないが屋島神社から登ったという報告はある。展望台から10mほど戻ったところに踏み後らしき所が
あり、その先には古びたガムテープも見える。意を決してガレ場の急坂に踏み込み、少し下ると絶壁の上の行き止
まりになった。左側を見ると谷底に向かってトラロープが垂れている。「えっ! この崖をこのロープで?」と一瞬たじ
ろぐがこのロープのことはネットで見たことがある、「道は間違っていない」と降りる決心をする。
まず、ロープを頼りに岩を左にトラバースし、谷の中央から木に掴まりながら滑り易いザレ場を慎重に下るとひと安
心。 後は次のロープでザレ場を下ると冠ヶ嶽の崖の下に着地する。
下山口に印の無かった理由が判った気がする。このルートは下山には使うべきではないと!
急なガレ場、そしてザレ場を下って一気に高度を下げていくと、やっと傾斜が緩くなって、歩きやすい山道になって
くる。冠ヶ嶽から40分、屋島神社の横に下山してきた。振り返り、仰ぎ見れば冠ヶ嶽が屋島神社の背後に厳かに
聳えている。最後に素晴らしいクライマックスが訪れ、屋島の山行きが終わった。
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下山口(目印は無し) |
ガレ場を下ると行き止まりに |
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スリル満点! 南嶺先端の崖を下る |
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さらにロープを使って下る |
降りてきたルートを振り返る |
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南嶺先端の崖の連なり |
急な坂を下り、やっと平坦な道へ |
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神社横に下山 |
屋島神社の背後に聳える冠ヶ嶽
(マウス ON 丸印が降りてきた場所) |
下山後、八栗寺へ、そして何時かは登りたい五剣山 |
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四国霊場85番札所八栗寺と背後に聳える五剣山 |
ひとこと:屋島といえば「イイダコのおでん」 うどんに夢中で食べ損なった! |