ひたすら登る急登の登山道
宝仏山は標高差800m以上で急坂の山といわれているが、昨夜は千屋温泉で千屋牛に舌鼓を打ち、温泉でゆっくりして英気を養ったから、今日の苦行も乗り越えられるだろう。
千屋温泉から根雨までは20分ほどの距離だ。市街地の手前から旧道に入り、宝仏山道入口の標識を右に入り、歴史民族資料館に入って行く。資料館下の駐車場は名札があり、個人の物のようなので、上の段の駐車場に車を停める。
杖が置かれている資料館の玄関で登山届に記入し出発する。資料館前には坊主石と呼ばれる丸い石が二つ展示してあり、これは江戸時代末期のたたら炉床の基礎となった石だと説明されている。
資料館の右手に進むと「宝仏山道」の石の標識があり、建物を回りこんで、沢沿いの道に入って行く。足下に群生している愛らしいミゾソバの花を後にして進むと木橋がある。橋を渡って杉林の中を登っていくと「宝仏山仮登山道」の標識に出会う。迂回路を左に進むと工事用の建物や車両が並ぶ林道に出る。林道を横切った先の長い梯子を登り再び杉の植林帯に入って行く。迂回路といえどもなかなか急な登山道だ。ジグザグに急な斜面を登り、右手の方に進んで行くと、やがて谷筋を上がってくる本来の登山道に合流すると工事現場が眼下に見える。
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資料館横の駐車場 |
日野町歴史民族資料館 |
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たたら製鉄の炉床に使われた坊主石 |
宝仏山登山口 |
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資料館横の登山口から |
足下に咲くミゾソバ |
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砂防ダムの工事の為、仮登山道を進み林道から長い梯子を登る |
ここから鬱蒼とした杉林の谷道をゆっくりと登っていく。薄暗い中、キバナアキギリの鮮やかな黄色が一際目立っている。谷底から左へ、急斜面を這い上がると明るい稜線に出る。登山口から30分、標高400mの標識を過ごすと植林帯を離れて、潅木の中を進んでいくとやがて平坦になり、笹原の中に「小平」の小さな標識を見つける。
ここから道は左に折れ、桧林の境目を少し下り、ジグザグに切られた道をゆっくりと登り返すとカヤトの広がる広く平坦な「大平」に到着する。この場所で昔は放牧などが行われていたそうだが、打ち捨てられた植林に囲まれ、今は雑木が茂るままの荒れた台地だ。
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植林帯を過ぎ、小平のなだらかな笹原へ さらに植林帯を登ると大平へ |
大平を過ぎ、笹の斜面を登っていると標高600mの標識に出会うが、この辺りは標高650mはあると思う。
登山道は、このあたりからぐっと傾斜を増してくる。宝仏山の本領発揮だ!急登、標高差とはこういうものだと思い知ることになる。
美しい植林帯を登り、尾根を乗り換えると間もなく標高800mに標識がある。登山道の角度は一段と増し、身体が後ずさりしそうだ。 尾根を真っ直ぐ登る踏み後と、山腹へ逃げていく踏み後もある。山腹をジグザグに折り返して登っていく道だろう。標高900mあたり、稜線を前についに休憩!
標高800mから20分のところを約40分もかかって、やっと稜線(標高955m)に辿り着いた。
休んだお蔭で元気いっぱいだ。もうこの先はたいした苦労も無く、緩やかな坂道を気持ちよく歩いていくと道の真ん中に二等三角点(標高1001.8m)に出会った。傍の木には「山頂まで100m」の看板が懸けてある。あと100mの標識に元気を貰って更に進むと登山道を塞ぐように大きな岩が立ちはだかっている。大きな岩の間を越えていくとその先には平坦な広場が広がり、正面には大きなブナの木が向かえてくれる。
山頂には大きなブナの木と立派な山頂標識が立ち、大山を正面に見据える雄大な眺望がある。生憎今日は大山は雲を被り、その素晴らしい山容を楽しむことはできなかったが・・・・・・
昼食を済ました頃、後から登ってきた地元の人と入れ違いに山頂を後にする。
大岩の遮る尾根道を下り、標高800m、600mと急勾配の坂を降り、大平・小平を通過し、鬱蒼とした植林帯を過ぎ下山口手前の小川に差し掛かったところで、思いがけずマムシが通せんぼしていた。
それにしても、今日の坂道は里山にしては凄かった!
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大平を過ぎると次第に傾斜が急になってくる |
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標高800m 傾斜の角度もピーク 急登を喘ぎながら登っていく |
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緩やかな尾根道を進むと宝仏山三角点に出る。山頂まで100mの標識を見て先に進むと大きな岩が行く手を遮る |
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大きなブナの木が迎えてくれる宝仏山山頂 残念ながら大山は雲の中 |
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地元の人と入れ違いに下山にかかる。 |
ひとこと:トイレの横が登山口とは!? 登山口付近はマムシに注意!・ |