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 八甲田山(はっこうださん):1854.5m
     青森県青森市

 山の概要
  八甲田山はただ一峰をもって目立つ山ではない。それは「東遊記」の著者も言う通り「参差として指を立てたる
  如く」峰が群がっている。青森あたりからその群山を眺めて、その峰の名を一つ一つ指摘出切る人は稀である。
  八甲田という名称が、この山の性質を現している。前岳、田茂萢(たもやち)岳、赤倉岳、井戸岳、大岳、小岳、
  石倉岳、高田大岳の八つの峰と、その山中の所々に湿地、つまり田が多いので八甲田と名づけられたと伝えら
  れる。いずれも千五百米前後だから、山として高いとはいえないが、これら多くの峰々が頭状花序のように集
  まった山として見る時、やはり名山として推すに足りよう。 −「日本百名山」深田久弥著よりー  
 Route Map酸ヶ湯温泉登山口から仙人岱、八甲田大岳、毛無岱、酸ヶ湯温泉と反時計周りに周回
 Road Map十和田湖・子の口から県道102号線(奥入瀬)、103号線を経て酸ヶ湯温泉へ
 

 2014年7月5日(土曜日)
  晴

 酸ヶ湯キャンプ場6:13 → 6:20八甲田山登山口6:28  → 7:28沢ノ湯地獄 → 8:00八甲田清水 →

 8:04小岳分岐 → 8:47八甲田山頂9:15 → 9:39避難小屋 → 10:12ロープウェイ分岐 → 毛無岱 → 

 10:38階段10:43 → 10:58毛無岱終了 → 11:40酸ヶ湯温泉 →11:50酸ヶ湯キャンプ場

 行動時間:5時間12分(休憩時間含む)
 昼食時間:ー
天まで届く石段に圧倒される
 
酸ヶ湯キャンプ場から少し離れたところに、登山者用の酸ヶ湯公共駐車場がある。その脇にある仙人岱コースの
 登山口から歩き始める。草木が茂った登山口辺りを抜けるとすぐダケカンバノ樹林帯の良く整備された道になる。
 1時間ほど歩くと視界が開け、説明版に南八甲田の山々が見えるとあるが生憎雲に隠れて見えない。さらに進むと
 硫黄の臭いと共に赤茶けた土が露出し、大きな岩が転がる沢ノ湯地獄が見えてくる。
 角材の橋で沢を渡り、沢に沿って火山の石が積み重なった急登を登る。
沢を登り切ると平坦な笹原が開ける。澄ん
 だ湧き水がさらさら流れる仙人岱湿原に入って行く。湿原はアオモリトドマツの森に囲まれている。その樹林の向
 こうに仙人岱避難ヒュッテの屋根が見えている。小川の畔には八甲田清水という水場があり、 ベンチで休憩する
 登山者の姿がある。
 小岳への分岐を過ぎると、雪渓の残るなだらかな斜面に沿って登り、やがて岩場の急登へ。雪渓を渡りきるとアオ
 モリトドマツの樹林帯に入って行く。アオモリトドマツの花がガスの中で一段と白く光っている。
 アオモリトドマツの樹林帯を抜けると、森林限界となり視界が開けてくる。火山礫を金網で固定した急な斜面をジグ
 ザグに登っていく。
 途中で、一時平坦な場所になり、鏡沼という爆裂火口湖が水をたたえている。再び、横木の階段が付けられた急な
 斜面を登っていく。山頂近くの小さな祠が見えると、あと一息で山頂に着く。
 8:47 八甲田大岳山頂に到着。山を覆っていたガスがとれ、赤茶けた山頂広場には数人の登山客が展望を楽しん
 でいる。
 山頂からは360度のパノラマが拡がっている。北側を見れば、遥か彼方に陸奥湾、下北半島、東側には噴火口と
 雲に隠れる小岳と高田大岳の斜面が微かに見える。
 
酸ヶ湯公共駐車場 駐車場のビジターセンターとトイレ
仙人岱コース登山口                 草木が茂り、荒れた感じの登山口
湿った潅木帯を進む
酸ヶ湯から2.2km地点 南八甲田の山々が見えるはずですが生憎ガスに覆われている
沢ノ湯地獄が見えてきました 橋を渡って沢ノ湯地獄に入る
振り返ってみると谷の向こうに岩木山が見える。        沢に沿って、火山の石が積み重なった急登を登る 
沢ノ湯地獄を登り詰めると平らな千人岱湿原に出る 湿原にある八甲田清水 ベンチで休憩する登山者
雪渓の横からやがて岩場の急登へ
ガスに包まれた雪渓を登る アオモリトドマツ(オオシラビソ)の花
砂防俵に沿ってジグザグの急登が続く ヨツバシオガマの群生
石のごろごろした登山道に足をとられる苦しい登り 爆裂火口に水がたまった鏡沼
砂防を兼ねた木の階段 もう一息だ!
8:47八甲田山山頂に到着         山頂に着くとガスもとれ、広い山頂広場が明るく輝く
噴火口と雲に隠れる小岳と高田大岳 井戸岳、鞍部には大岳避難小屋がある

 山頂からの展望を十分楽しんだ後は、大岳の北面を大岳非難小屋に向かって下山開始する。下山道の向かいに
 聳えるのは井戸岳。山頂広場を離れると周りはお花畑が広がり、その急斜面の中を直線的に丸木の階段道がつ
 いている。傾斜が緩みと雪渓が現れ、アオモリトドマツの樹林の中へと入って行く。
 樹林帯を出て、井戸岳分岐を過ぎると大岳避難小屋に着く。小屋の前にはベンチがあるが、ここはパスして西に
 向かって下って行く。再び、アオモリトドマツの樹林帯に入り、展望の無い急な道を下って行くと一気に展望が開ける。
 毛無岱と呼ばれる広大な湿原だ。東西に長くのびる大湿原は、東の上毛無岱と西の下毛無岱からなる。湿原には
 池や沼が散在し、可憐なチングルマが最後の花を咲かせている。
 上毛無岱から樹林帯に入り、木製の長い階段を下って行く。上毛無岱と下毛無岱を結ぶ階段で、途中からは下毛
 無岱を一望出来る。
 下毛無岱を彩るのはヒメワタスゲだ。八甲田大岳をバックに一面の白い草原が広がっている。
 湿原の木道が左にカーブし、湿原から離れるとシャクナゲの木が木道の両側を囲っている。まだ花は蕾が多い。
 シャクナゲのトンネルからブナの森へ入り、小さな沢を渡りながら進み、城ヶ倉温泉への道を過ごす。
 毛無岱を出て、30分やっと眼下に酸ヶ湯温泉が見えてきた。急坂を下りると毛無岱コースの登山口に着いた。
 、
避難小屋に向かう下山道も急坂だ。 途中に雪渓もある。
井戸岳分岐と避難小屋        避難小屋から八甲田大岳を見る
避難小屋を過ぎると毛無岱の大湿原になる
ワタスゲ       八甲田大岳とチングルマの群生
 
長い階段を下り、下の段の下毛無岱へ ハクサンシャクナゲ
ヒメワタスゲの白さが美しい下段の毛無岱
ミツガシワ ハクサンシャクナゲ
酸ヶ湯温泉と駐車場が見えてきた 毛無岱コース登山口
登山口にある水場 辰五郎清水 酸ヶ湯温泉
 ひとこと:思った以上に変化に富んだ楽しい山だった!
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