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鬼ノ城山(きのじょうざん)397.0m〜犬墓山(いぬはかやま):443.3m
  岡山県総社市

 山の概要  鬼ノ城山は、岡山県吉備高原最南端にある標高397mの山。周辺は古代朝鮮式山城の城壁は平坦な
    頂上を3kmも巡っていて、城門や石塁、水門などが発掘されている。この城壁は白村江の戦いで大敗した
    大和朝廷が築きあげたとされる。
    また、吉備津彦命による「温羅」という鬼退治の舞台でもあり、古代ロマンに思いを馳せることが出来る。
    犬墓山は鬼ノ城山の西にある標高443mの山で散策道が整備され、岩屋地区の巨石群へ周回できる。

 Route Map:ビジターセンターから鬼ノ城山を巡り、岩屋を経て犬墓山へ周回
 Road Map :岡山道総社ICから
 
 2013年1月19日(土曜日)  晴れ
ホーム7:00......8:45鬼城ビジターセンター9:05→9:09鍵岩展望台9:12→9:16西門→ 9:23鬼ノ城山山頂→

9:42南門→ 9:58東門→ 10:18温羅遺跡10:23→ 10:48車道出会い→ 11:08岩屋休憩所→11:20岩屋の大桜→

11:32せせらぎ十字路→ 11:40重田池11:45→ 12:08鬼の酒盛り岩(昼食)12:40→ 12:47実僧坊山 →
13:08岩屋寺13:13→ 13:22馬頭観音→ 13:49犬墓山13:57→ 14:12鬼城ビジターセンター14:15........
吉備津神社.......... 17:15ホーム

 行動時間:5時間7分(休憩、昼食含む)
 昼食時間:32分
古代史のロマン漂う鬼ノ城山へ
古代の強国「吉備王国」、その中心地であった総社平野の北方に連なる標高400m前後の山頂に築かれた鬼ノ城からは足守川流域平野や足守川が注ぐ吉備の津、そして備中国分寺や造山古墳に代表される「吉備路」、さらには遠く瀬戸内海まで見渡せる。そんな鬼ノ城山を中心とした「北の吉備路」を歩いてみた。

鬼ノ城ビジターセンターの広い駐車場にはまだ数台しか駐車していない。ビジターセンターに寄り、地図(北の吉備路全体図は100円、鬼ノ城だけなら無料)を入手し、トイレを済まして出発する。何を急いだか資料館で下見をするのを忘れた。
舗装された遊歩道を登っていくと途中に鬼ノ城西門全景が見える学習展望台がある。ここからの眺めは鬼ノ城西門の全景ベストショットだ。
さらに遊歩道を登っていくと角楼が見えてくる。城壁に沿って角楼の下を通り西門入り口へ。間近で見上げると迫力がある。又、西門を取り囲むように敷き詰められた敷石が西門を風格あるものにしている。角楼に登り西門を振り返ると平野部を見下ろすその姿に感動を覚える。
「・・・その堂々たる威容は瀬戸内海を大和に向かって東進する敵船団や、総社平野に殺到するであろう敵軍を見据えるかのように、天空へとそびえ立ちます。」ーパンフレットより抜粋ー
角楼から鬼ノ城山山頂は数十メートルの距離。山頂からは吉備の津や瀬戸内海を挟んで遠く四国の山並みも望むことが出来る。
山頂から西門に引き返し、城壁に敷かれた敷石を通り、反時計回りに鬼ノ城を周遊する。
敷石通路が切れると第1・2水門のある石垣に出る。水門といっても場内の雨水等を処理する排水口だ。次に目にするのは南門。まだ復元途中だが西門のような城門は建てないのか四角な柱だけが立っている。
南門を過ぎ、しばらく歩くと見晴らしの良い尾根の先端に出る。前方には第2展望台(屏風折れの石垣)が聳え、その下には東門復元工事の青いビニールシートが見える。
岩切観音を左に見て、岩の多い道を下っていくと東門に着く。ここは丸太の柱が立っていて、城壁の復元中のようだ。東門の先には奥坂登山口への分岐があり、麓の登山口休憩所の駐車場には2,3台の車も見える。
礎石建物群跡の分岐を過ぎ、デコボコ岩だらけの道を登っていくと第2展望台(屏風折れの石垣)に到着する。絶壁に向かって舌を出したような広場だ。融けた霜柱でぬかるんだ広場の先端に立つと素晴らしい眺望が足下に広がっている。
広場の根元にある温羅遺跡の石碑の横を通り、遊歩道と平行してある尾根道を進んでいくといつの間にか遊歩道から遠ざかり、細い山道になってくる。この道が国土地理院の地図にある山道のようだ。道はやがて折り重なる岩場を下り、羊歯の被る荒れた場所を抜けて車道の傍に出る。北門には至らなかったが鬼ノ城周遊が終わり、岩屋に向かう。
 
鬼ノ城駐車場 鬼ノ城ビジターセンターの内庭
舗装された遊歩道を進む 学習展望台から望む鬼ノ城全景
マウス ON 拡大 西門左が角楼
西門&城壁(マウス ON 角楼からみた西門
鬼ノ城山山頂 城壁の上に敷き詰められた敷石
西門と同じ規模の南門 岩切観音
岩切観音のある尾根の張り出しから見る屏風折れの石垣
右下に見えるブルーシートが東門(マウスON拡大
復元工事中の東門
屏風折れの石垣展望台&温羅遺跡の碑
鬼ノ城の説明板 岩の多い道を進む
 
 遊歩道から離れ尾根の旧道を進むと、急な岩場になり、さらに羊歯の覆われた荒れた道になる
 
岩屋入り口には駐車場まで800mの標識。谷筋の広い遊歩道が緩やかに続いている。やがて頭上が開けてくると棚田が現れる。棚田の上部を右に曲がるとやがて岩屋集落のある岩屋休憩所の駐車場に出る。
駐車場に向かって左手の坂道を登ると 岩屋寺に達するが今日は駐車場の奥を右に進み「岩屋の大桜」へ。集落を過ぎると分岐が有り直進すると「岩屋の大桜」だ。幹周が3mの大きな山桜だ。
分岐まで戻り重田池へ。12分で「せせらぎ十字路」。血吸川の源流に沿って緩やかに登っていくと10分程で重田池に着く。
池全体が深い青色に凍って静寂に包まれている。神秘的な光景だ。
池のに沿った道(「ツツジの小径」と言うらしい)をしばらく進むと分岐が現れ左折して岩屋寺への道に入っていく。
潅木の茂る薄暗い道を標識に導かれて歩くこと20分余り「鬼の酒盛り岩」に到着。今日の昼食場所は鬼でなくとも酒盛りするには絶好の岩だ。今日はスープ&サンドイッチ、それにカップヌードルだ。
 
 
岩屋入り口 広い遊歩道を登っていく
棚田の上部を右に取れば岩屋休憩所に出る 岩屋休憩所の案内板の前を通り岩屋の大桜へ
マウスON 岩屋の大桜 )
岩屋の大桜から12分「せせらぎ十字路」へ 渓流(血吸川源流)に沿って登る
 
昭和十年の石碑が建つ重田池 神秘的なブルーに凍った重田池
 
重田池に別れを告げ潅木の茂る山道へ
鬼の酒盛り岩   三角点のある実僧坊山(461.7m)
 食後に背後にあるなだらかなピークに登ってみる。国土地理院の地図では「登竜山」となっているが総社市が作った地図 には「実僧坊山」になっている。ここでは総社市の表記に従うことにする。三角点のある山頂の山頂の掛札も「実僧坊山」になっている。次に目指すは登竜山だ。登竜山への指導標は無いが分岐からの谷道は広くて立派だ。谷を過ぎた辺りからUターンするように山に入っていく。テープを頼りに定かでない道を登っていくと木立の中に山頂標識の掛札が懸かっている。
展望も三角点も無い山頂だが今日登る最高峰だ。
分岐まで引き返し岩屋に向かう。ここまで来ると岩屋ももうすぐ。鬱蒼とした道で二組目の人にであった。やがて竹薮が現れ人の声が聞こえてきた。道が入り乱れて良く判らないが結局同じところに出るみたいだ。笹薮を抜けるとボルダリングしている高校生?がいた。先ほどの声の主のようだ。 スダジイの巨木を潜ると「鬼の差し上げ岩」の前に出た。その先に岩屋寺。
ここからは巨岩・奇岩巡りだ。「鬼の差し上げ岩」の横から岩屋寺の背後に回りこみ、「鬼の餅つき岩」を経て東西の尾根道を進む。大きな八畳岩から北側を振り返ると今しがた歩いてきた登竜山や実僧坊山が懐かしく見える。さらに尾根を進むと馬頭観音がある。尾根の直進コースはここが終点。ここからは南に下り、方位岩や汐差岩等の巨石群の側を通り犬墓山へ。
ルートから別れ犬墓山山頂展望台に出るとそこには総社平野を見据える鬼ノ城西門の雄姿が眼下に見下ろせる。
ここから見る鬼ノ城西門が一番のベストショットだと思うが・・・・・・
犬墓山の三角点を林の中に確認して尾根を下っていき、急な横木の階段が現れると間もなくビジターセンターに帰ってくる。
 
登竜山への分岐 標識は無し 木立の中の山頂 登竜山(466.4m)
岩屋寺&鬼の差し上げ岩 
 
八畳岩と 北側の眺め 歩いてきた実僧坊山や登竜山が見渡せる 
突き当たりが罵倒観音 馬頭観音
巨石群を巡りながら犬墓山へ 展望が開ける犬墓山山頂
犬墓山山頂から眺める鬼ノ城
犬墓山の三角点を確認して下山
桃太郎噺の主役「大吉備津彦命」を祀る「吉備津神社」
 ひとこと:桃太郎伝説をiいろいろ勉強しました。
     犬養毅の先祖犬飼健命が吉備津彦命の家来として温羅と戦ったなんて知らなかった! これ本当?!
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