山頂から中国山地の主稜を見渡す
広島・島根県境を越え、標高差500m余りを曲がりくねった国道を下り、美都町から「自然の森」に向かう名も無い峠の広場から見える春日山は豊かな濃い緑を蓄えたなだらかな山々を従え、薄く青い美しい姿で悠然と聳え訪れる人を呼んでいるようだ。
出発点の「みと自然の森」から春日山山頂までは5kmの道程だ。益田川に架かる久保橋を渡り、渓流沿いに林道を進んでいく。コアジサイは蕾を膨らませ今にも咲きそうだ。この道のもう一つの主役の花シライトソウが静かな木陰にその花言葉「ゆっくりとした、時間の流れ」そのままに咲いている。
渓流の音を聞きながら、のんびり歩くこと30分ほどで登山口に到着。登山口からは渓流を離れ、明るい林道を登っていく。ここはアザミやフタリシズカの縄張り場所だがシャガが一箇所陣取って咲いている。日向に出ると焼け付くような暑さだが杉の植林帯に入ると意外と涼しい。
一般車通行止めの看板と共に現れた林道を横切り直進し、杉林の中へ。どこまでも緩やかな道を登リ、「春日山頂上まで2000m」の標識を過ぎてササユリ発見。高津川と益田川の分水嶺の標識ある峠から下っていくと登山道を分断する真新しい林道に出会う。
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峠から見た春日山 |
みと自然の森に駐車 |
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キャンプ場に向かう橋を渡って林道を行く |
益田川の渓流に沿って登る |
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橋を渡ると登山口 右に曲がり、さらに林道を行く |
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車はここまで。 |
日差しの中は焼けるように暑い |
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明るい日差しの中にはアザミ、木陰にはシャガが咲いている |
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間伐された明るい杉の植林地を進んでいく |
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峠は高津川と益田川の分水嶺 |
峠を下ると真新しい林道が現れる |
木陰で一休みした後、林道を横切って急坂を下っていくと下りきったところに「春日山まで1500m」の標識があった。さらに暫く進むと匹見町八尾からのルートと合流した。明るい杉林の中を登っていくと「あと1000m」の標識。それを過ごすとトラバース道となり、やがて尾根を目指して直登すると水場に到着した。今年の空梅雨を象徴するように水は殆んど流れていず水溜りがあるだけだ。
水場の手前から右に曲がると道が二手に分かれている。ここは左手に進み、ロープの渡された急斜面を登り、自然林の中に入っていく。 「あと500m」辺りの苦しいところで岩国からのご夫婦に追いつき、お先に質礼する。
[あと200m][あと100m]と標識をクリアし、傾斜が少し緩むと小高いコブの上に山頂の鳥居が見え出す。
山頂には奈良春日大社の分神の祠と鳥居が祭られている。祠の周りは木陰が広がり、鳥居の前は西側、祠の後は南東側の中国山地の山並みが見渡せる。
鳥居の前の木陰に座り、遠く津和野の青野山まで見渡せる中国山地の絶景を見ながら昼食にした。
緑の森を抜けてくる風は涼しく、肌寒さを感じるほどだ。明るい山頂広場から眺める西中国山地の雄大な主稜は、青紫に輝き、双子峰の恐羅漢山に突き刺す亀井谷は眼前に深く沈み、東の天杉山塊をわたるブナの風、南方の五里山塊からはその果てに霞む吉和冠山、それに対峙する大神ヶ岳、そして大きな安蔵寺山の山並みには感動する。
ゆっくり山の眺めを楽しんで帰途に着く。下山は来た道を引き返すだけだ。
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林道から見た春日山 |
・・・ラン? |
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匹見コースと合流 |
「あと1000m」はまだ植林帯 |
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あと100mもう少し |
小高いコブの上に山頂が見えてきた |
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山頂には春日神社の祠と鳥居 |
山頂の木陰で食事をする岩国のご夫婦 |
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西方面の眺め |
南東方面の眺め |
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春日山から中国山地の眺め |
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下山はのんびり、渓流の音が聞こえたらやがて登山口。あと渓流沿いを20分で「みと自然の森」へ |
ひとこと:梅雨の合間に、気になる山へ!・ |