春爛漫、瀬戸内海を眺めながら尾根歩き
この山域に車で行くには、まず駐車する場所が悩ましい。考えられるのは三原市街の駐車場、糸崎の御山公園それと鳴滝山
公園か尾道駅付近の駐車場だが、鳴滝山公園以外はバスかタクシーで登山口バス停まで行かなくてはならない。いろいろ考
えた結果、鳴滝山公園に駐車し最悪の場合引き返すことにして出発する。
尾道バイパスに入ってすぐ左の側道を進んでいくと鳴滝山登山道の標識がある。そこを左折し山に向かって上って行く。鳴滝
集落を過ぎると登山者用の駐車場があるがさらに上を目指して進んでいくと八注池(やつがいけ)の林道終点に着く。 そこ
にはトイレもあり、堰堤の下には大きな駐車場も完備している。
トイレの前を通って、まずは鳴滝山へ。先週の鬼ヶ城山と違い、今日は初夏の日差しだ。いっせいに孵化した虫が纏わりつい
て、煩わしい。遊歩道を歩いていくと標識の字は消えているが右に入る細い山道がある。この道を進んで行くと右手に入る分
岐に出る。 分岐には掛札があるが壊れていて直進を示しているように見えた。直進してみるが道が藪かかりどうも怪しい。
5分ほどロスして、先ほどの分岐から右手の踏み跡のしっかりした道に戻り山頂へ。
鳴滝山山頂は切り開かれて明るいが全く展望は無い。帰路は山頂から赤いテープに導かれ藪を漕ぎながら下っていくと
八注池の堰堤のところの飛び出した。 |
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林道終点、八注池に駐車 |
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トイレの前から遊歩道を進む |
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遊歩道から山道へ |
標識が壊れていて道迷い( 直進はX ) |
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展望の無い鳴滝山山頂 |
藪を漕いで真っ直ぐ下る |
青緑色の水を湛えた八注池の堰堤を渡り、遊歩道入り口から縦走スタート。緩やかな遊歩道が山を回り込み、稜線に出でると
眼下には美しい瀬戸内海の風景が広がっている。有名画家(小林和作)の写生地を過ぎると展望台の東屋が見えてくる。
展望台からの眺望を暫し堪能した後もパラグライダーのフライト場へとさらに空中散歩は続く。 フライト場から少し行くと八注
池の周回遊歩道の西端に達する。ここから山道を少し下って登り返すと408mピークの三角点が迎えてくれる。ここから見渡
す景色は一段と素晴らしい。 西にこれから向かう鉢ヶ峰や大平山、北には大峰山や竜王山、南には瀬戸内海の島々が・・・
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八注池 堰堤の先が縦走路の出発点 |
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遊歩道入り口 展望台まで400mの標識 |
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小林和作の写生地(マウス ON 四角い窓から見える風景) |
展望所の東屋 |
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パラグライダー フライト場 |
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フライト場からの展望 鳴滝城跡と尾道水道を一望 |
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遊歩道の西端から山道へ |
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408mピーク |
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408mピークより瀬戸の海を俯瞰する |
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408mピークよりこれから向かう鉢ヶ峰(左のピーク)、右端の山が大平山 |
408mピークから暫く進み、なだらかなピークを越えると鉢ヶ峰とその稜線が鮮明に見え出す。急な階段を下り、鞍部の十字
路を過ぎ、殆んど水平な道を進んでいくとミツバツツジが道を覆う春の里山満載の場所を通る。やがて道はUターンするように
東に向かい、さらに西に180度折り返し、逆S字を書くように鉢ヶ峰の北尾根に取り付く。短い急坂を登ると明るい斜面の道、
そして潅木の尾根道を進むと大平山への分岐が2度、3度と現れる。 ロープのある急坂を何度も山頂ピークと騙され登り、や
っと鉢ヶ峰の東西稜線の三叉路に出る。左は観音寺本堂、右は山頂まで30mの道程。大展望の鉢ヶ峰到着だ!
ここはもう三原、右手には三原市街、糸崎港の先には筆影山・葉田竜王山そして遠くには広島空港も見える。
ちょうど登ってきた地元の三人組の女性にバス便やタクシー情報など、いろいろ教えてもらい、日差しを避けて三叉路近くの
木陰で軽くエネルギーを補給する。 |
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鉢ヶ峰の稜線 一番高いピークが鉢ヶ峰 |
急な階段を下り鞍部へ |
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鞍部の十字路 |
ミツバツツジに覆われた登山道 |
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東に向かうと歩いてきた稜線が見える |
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Uターンして鉢ヶ峰の稜線へ |
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斜面についた狭い道を進み、やがて急登へ |
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何度も騙されながら急坂を登り、ピークを越えて・・・・ |
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大展望の鉢ヶ峰山頂 |
たっぷり休養した後は、いよいよ鉢ヶ峰から象山までの「みはらし連山」縦走だ。
山頂から急坂を下り、大平山分岐点(三箇所ある分岐点の一番鉢ヶ峰寄り)まで引き返し大平山へ。マムシグサの咲く斜面を
下る道はやがて急坂となって首無し地蔵を祀った鞍部に達する。明るく開けた鞍部から樹林の中の階段を登り、尾根上の小
刻みなアップダウンを越えて行くと山頂直下で車道と出会う。大平山の山頂は何本もの無線中継塔に占拠され、三角点はそ
の背後の藪の中に小さく埋もれている。山頂付近の桜の下で車道に座り込んで昼食にする。コンビニで買った酢飯に食後の
コーヒーだ。
トレイルランの若い人が登ってきた。すごい人だ!我々の歩くコースを往復するなんて・・・。
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みはらし連山の標識 |
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奥が鉢ヶ峰 |
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首無し地蔵のある鞍部 |
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マムシグサ |
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車道に突き当たり左へ |
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大平山(マウス ON 電波塔の裏に三角点) |
ガードレールの切れ目からササが綺麗に刈り払われた道を下っていくと山頂直下を巻いてきた車道に出る。のんびり車道を
5分ほど歩くと米田山への標識に出会う。車道から外れるとまた急な階段の下りが待ち受けている。鞍部にはベンチと「鉢ヶ
峰2.1km」の標識、開けた南側には瀬戸内海の眺望が広がっている。しばらくはゆるい登りが続くが山頂が近くなるにつれ
傾斜が増してくる。
開けた米田山山頂は真夏のような暑さで、眺望を楽しむことも無く頂上を後にする。 |
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ガードレールの切れ目から綺麗に刈り払われた道を下る |
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車道にはミツバツツジ |
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車道から外れ山道へ 米田山へノ標識 |
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鞍部の休憩場所にはベンチがあり、瀬戸内海が眺められる |
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ゆるやかな道も、急登前の静けさ |
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ハナモモ? |
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米田山山頂 |
長い縦走もあと一山残すのみ。米田山山頂から象山は左前方に見えるが稜線は右方向に大きく迂回している。標高差150m
程を一気に下り、急登を登り返すとマサ土のピークに上がる。そこから見える像山は採掘の傷跡を残す崖を越えた先にある。
崖に沿って付けられた登山道を辿り、連山最後のピーク、象山に達した。
振り返れば巡ってきた「みはらし連山」の全容が見て取れ、鉢ヶ峰の尖ったピークが遥かに霞んで見える。休憩しながら名残
を惜しんでいるとトレイルランの若者が登り返して来た。まだ元気一杯だ!
ここから下る270mの標高差は急坂の連続だ。逆コースを縦走しなくてよかった! 最後の鉄階段を降りると中ノ町清水橋の
登山口でお地蔵様が迎えてくれた。あとは糸崎駅に向かって歩くだけだ。糸崎駅で電話するまで途中でタクシーに遭うこともな
かった。 鳴滝山山麓ではけたたましいヘリコプターの音と共に沢山の警察や消防が何かを捜索していた。
「みはらし連山」は予想していた以上にアップダウンの厳しいタフな縦走路だった。
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ヤマツツジも咲いている |
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崩落した採石場跡 |
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鉢ヶ峰(尖ったピーク)は遥か彼方・・・ |
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象山山頂 |
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急な鉄製階段を下りると終点 |
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中ノ町の清水橋登山口 |
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ひとこと: 里山の厳しさを身にしみて感じた縦走だった! |