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東三方ヶ森(ヒガシサンポウガモリ):1232.7m
    愛媛県東温市

 山の概要 東三方ヶ森は高縄半島を覆う山塊の中央に位置し、標高1233mの山である。
       この山は半島内の最高峰で、山頂部は東温、今治、西条の市境が交わる位置で、”三方”とは越智、周桑、久米の
       三地域を分ける頂だったことを表している。
       山頂から稜線にかけての花崗岩類は脆く、土砂崩落が度々見られる。 登山ルートに利用されている稜線・尾根の
       一部でも斜面が大雨などで崩落し、細く切り立った場所を通過しなければならないので足元には注意が必要だ。
       山域は周囲の集落から隔絶した最深部にあり、自然が濃いアリアとなっている。特に山頂付近には大規模なシャク
       ナゲの群生を見ることが出来る。
       主に利用されている登山口は南麓にあり、阿歌古(あかご)渓谷、林道関屋線の二箇所から登ることが出来る。
       
 Route Map:愛媛酒たる村から阿歌古渓谷に沿って林道を進み、竹林登山口から山頂を経て、林道関屋線へ縦走
 Raod Map :松山自動車道川内ICから国道11号線を左に進み、新横河原橋交差点から県道152号線に入る

            
 2012年4月10日(火曜日)  曇り一時晴れ
 ホーム4:45.。。。。 7:40酒たる村駐車場7:45 → 8:13崩落地8:20 → 8:43林道終点 → 9:28竹林登山口 →  

 10:33 第一ピーク(1014m峰)10:48 → 11:32 偽ピーク(1202m峰) → 12:12東三方ヶ森山頂(昼食)12:40 →

 13:23四等三角点 → 14:10林道登山口 → 14:50林道山之内線出会い → 15:14漣痕遺跡 → 15:34酒たる村15:40
 。。。。。。。18:35ホーム

 行動時間:7時間55分(休憩、昼食含む)
 昼食時間:28分
 
 桜が満開の重信川沿いを東に進み、「木地」バス停のある酒だる村のバス停広場に駐車し、出発する。

 「←阿歌古渓谷」の案内に従い丁字路を左折、閉鎖された酒だる村の脇を進んで行く。
 舗装路は村を出るとすぐ終わり、地道になる。 10分も歩くと林道終点の橋に着く。橋の周りは広くなっており、ここまでは車
 で入って来れそうだ。
 橋を渡ったところに阿歌古谷林道の起点がある。起点から15分ほど歩いた頃、大きな崩落が道を寸断している場所に出
 た。 迂回路を探すが見当たらず、乗り越えることにする。良く見ると赤いテープがルートを示しているようだ。ルートを辿って
 崩落地を無事通過したが、この先、林道はあっちこちで落石が散在し、荒れ果てた様相になってくる。
 約1時間で林道終点、ここからは道幅も狭くなり、本格的な山道になる。ザレた狭い道を河原に向かって下って行く。
 水がすごく綺麗な河原で一息入れ、ミソサザエの賑やかな歌声を聴きながら休憩する。
 ここからはルートハンティングしながら渓谷を遡行していく。赤いテープを頼りに、河原を横切り対岸へ。大きな岩がごろごろ
 した河原を歩いて、また渡渉し、植林帯の中へ。これを幾度か繰り返して進むと対岸に竹林を発見した。 やっと竹林登山口
 に到着した。ここが今日の最終目的地のような錯覚に陥る。
 出発してここまで1時間45分! すこし掛かり過ぎ?! すこし楽しみ過ぎたようだ。
    
愛媛酒たる村(木地バス停)駐車場 林道を阿歌古渓谷へ(マウス ON 標識拡大
樽を使った建物の横を進んで行く 橋を渡ると阿歌古谷林道の起点
目に付いた数少ない花
 
大規模な崩落地を越えて行く     
林道終点 ザレて細い道を沢に向けて下って行く
ルートハンティングをしながら沢を遡行する
 
 登山口には「松中OB山の会」の標識、さらに竹薮の中を少し行くと「松山ハイキングクラブ」の青い標識がある。
 ここは息つく暇もない急登が連続する、その入り口だ。目の前には小石の重なったガレ場のような急登が立ちはだかって
 いる。 出だしの急登が終ると雑木林の中、山の斜面を斜めに登って行く。 足を踏み外しそうな細い道を歩いて行くと
 やがてジグザグの急登で高度を稼いでいくようになる。 かなりきつい登りだ!
 竹林から30分ほどいったところに錆びた保安林の標識ある。直進する道があるがここで右折し、尾根を直登する。急登だ!
 めちゃくちゃに急な上りだ! 今までも急な道だったが、この登りに比べたら、可愛いものだ!
 急な尾根がまっすぐ上に伸びている。見上げる斜面を四つんばいになって必死に登って行く。
 竹林から1時間余り、ようやく標高1014mの第一ピークに到着。 ほっとするような穏やかな空間が広がっている。
 まだ先は長い! エネルギーを補給して、ゆっくり英気を養う大休憩に入る。
 
竹林登山口  登山口の標識 (マウス ON   青い標識
出初めの急登、細いトラバース道、そして長いジグザグの急登
直進の道があるがここから尾根に取り付く
錆びた保安林の標識が目印
一段と急さを増す尾根の直登
 
第一ピーク 1014m峰  東三方ヶ森の山影が木々の間から望める 
 第一ピークからは一旦下って、再び急登が始まる。 尾根の直登にも負けない急な登りだ。笹の中の急坂を笹や木を掴んで
 這い上がっていく。
 傾斜が緩くなった細い尾根には石楠花の木が目立ってきた。こんなにしんどい思いをして見に来る人がいるのだろうか?
 再び傾斜がきつくなった斜面を登り切ると標高122mの偽ピークに到着する。 木の間越しに東三方ヶ森が見え、これから
 挑戦する幾つかのピークの連なりも確認できる。
   
 
第一ピークから尾根道を下って行く
   
笹を掴んで登る急登が続く 偽ピークの1202m峰
 
 ここからがこの山のすごいところだ。 疲れた体に鞭打つようなアップダウンで四つのピークを越えて行かなくてはならない。
 偽ピークの頂点を左に曲がると、崩落したところから急降下、その先には松の根が蛸足のように岩を抱いている小さなコブ
 がある。 これが最初のピークだろう。二番目のピークはシャクナゲの林の中だ。どのピークも急激なアップダウンだ。 
 鞍部の細い尾根道を渡ると山頂に向かって最後の登りになる。 空が近くなり、ようやくピークに着くが、そこは山頂ではなく
 「東三方ヶ森→」の指導標がある。東三方ヶ森の頂稜は細長くて、すこし稜線を歩いて山頂に達する。
 山頂は東側が開けているが回りは樹木に囲まれて展望は余り良くない。それに高縄山系は初めての山域なので山の名前
 も判らない。
 軽い昼食後、下山。 と思っていると今治からの単独行のひとが登ってきた。 「キツイ山ですね」が合言葉のように・・・・・・
 
東三方ヶ森が木間から見える 笹を掴んで急降下する。 
 
最初は小さなコブ  シャクナゲの茂る二番目のコブ 
急激なアップダウンの繰り返し
 
山頂尾根の南端 初めての標識
 
山頂への緩やかな頂稜 東三方ヶ森山頂 

 下山は指導標まで戻り、直進して東側の尾根を降りて行く。指導標から数分で尾根分岐点に出る。字の消えた標識が木に
  掛かっている方向に進んで行く。15分程行くと急峻なこの山には似合わない平坦な場所に出る。
 なだらかな尾根道が続き、スズタケのトンネル道を下ると展望が開けた岩尾根に沿った細い道になる。右手にはきつかった
 コブの稜線が見えている。
 山頂から40分余りで四等三角点(1038.2m地点)に降りてきた。ここを過ぎると一気に急降下していく。植林帯の中をジグ
 ザグに下っていき、植林帯を抜けるとさらに傾斜がきつくなってくる。
 転ばないよう慎重に下って行く。水音が聞こえ出すと、もう登山口まで一息だ。 
 下山し始めて1時間30分関屋林道登山口に下りてきた。ここから約6kmの林道歩きになる。単独行の人も追いついてきた。
 関屋林道起点が丁度半分の3km、漣痕化石を過ぎるとゴールはもうすぐ。膝や足裏が痛くなってきた。
 15時30分 黄色いバスが停車している木地バス停に帰ってきた。

 キツい山だった! いつか思い出したとき良い山だったと・・・・・・・・
指導標のところまで引き返し直進する 尾根道分岐  字の消えたプレートが目印(マウス ON)
左は木地奥林道に繋がっているのだろうか?
 
 厳しいこの山の不思議な空間
   
スズタケのトンネル 岩尾根に沿った細い登山道
   
 登ってきたコブの連なる稜線 1038mの四等三角点 
 
 林道登山口 6kmの長い林道歩き 
   
林道歩きの中間点 山之内方面へ  駐車場に帰ってきた 
 ひとこと:山登りは楽しまなくては! だが楽しむ余裕の無い山もある!
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