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■10:25茶屋床から松ヶ峠の最高点
松ヶ峠への道は、植林された杉林の中を通っており、明治40年に模範林となった広島県営林であるとの看板があるが、現在は
荒れるがままの状態となっている。道はU字状となっており、その底はイノシシに掘り起こされて歩きにくいことこの上ない。
U字状の道を登り切ると平坦にならされた広い道となり、松ヶ峠の最高点に達する。
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■かごたて岩へ
広い平坦な道を緩やかに下っていくと「松ヶ峠へ0.1km」の標識があり、その先に津和野藩の参勤交代の一行が藩主の
乗った駕籠を降ろして休んだという大きな岩が道の真ん中に鎮座し、「かごたて岩」の看板が立っている。
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「三国横え」の案内 |
松ヶ峠のプレート |
松ヶ峠と案内板 |
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■地図上の松ヶ峠へ
「かごたて岩」のすぐ先に「三国横え」の案内板が掛かっている。
看板には 「横山の裏側700mの山腹を鉢巻き状に通るこのあたりを三国よこえという。中国山地の山並みが北に遠く望ま
れるが、それは安芸、周防、石見の山々なので、この名がある。」
その先が松ヶ峠で案内板が立っている。案内板には、佐伯郡廿ケ村郷邑記の一説が引用されている。
「悪谷津和野往還名の如く難所なり、夏分蜂多し。松ヶ峠、栗栖、中道の境なり、夏は熊が出て涼み居る。人に驚くときは
災いをなす。
依って山中を一人で行くには歌を歌うべし。人声を聞くときは、熊、狐、狸も去るなり。」
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■11:25 悪谷休憩所
なだらかな道が続いて頂上前後はあまり峠らしくない松ヶ峠だが、峠の看板を過ぎると、小瀬川の支流の一つ悪谷川の谷へと
向けて一気に下っていく。
林の中に小さなせせらぎのような川が現れると、ほどなく悪谷川へと出て、悪谷川に架けられた木橋を渡ると休憩舎のある悪谷
休憩所に着く。ここにも悪谷林道は全面通行止めの看板が立っている。
まずは昼食を採り、それから今後の行動を考えよう。
昼食タイムもそこそこに先を急ぐことにする。まず比丘尼ヶ淵を見て、悪谷林道の工事の様子を見ることにする。
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悪谷バス停1.8km 中道2.1km |
悪谷林道 |
比丘尼ヶ淵 |
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■比丘尼ヶ淵
悪谷バス停1.8kmの標識に従い悪谷林道を下り。広くて立派な林道だ。比丘尼ヶ淵を過ぎると工事現場が見えてくる。
重機が山肌を削り林道を新しく付け直しているようだ。とてもじゃないが通れそうにない。比丘尼ヶ淵まで引き返し、小さな
滝が連続する渓谷を眺める。比丘尼ヶ淵の上流は奥入瀬渓流の小型版のような雰囲気の渓谷になっている。
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津和野街道分岐 |
沢沿いの道 |
中間点の標識 |
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■12:30 悪谷休憩所から
悪谷休憩所まで戻り、悪谷林道の一部となっている区間を進んでいく。300mほど行くと林道は左に分かれていき、津和野
街道は右手のクマザサの茂ったなだらかな道へと続いている。間もなく沢と合流し、沢沿いの道を進んでいく。
沢から離れて、猪に荒らされた道を登っていくと「中道0.9km 悪谷0.9km」の中間点の標識がある。
ここでGPSが電池切れ、電池交換のついでに小休止する。
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■13:05越ヶ原
スギ林と雑木林の中の坂道を登り切ると、先方が明るく開け、ススキ等に覆われた荒れ野へと出る。ここが越ヶ原というところ
で、国土地理院の地形図には3軒の家屋が記されているが、今はその残骸さえ無い。荒れ野もかっては水田が広がっていた
のではなかろうか。
昔は津和野街道に面していたから、不自由なく生活できただろう。しかし、明治時代に羅漢渓谷沿いに道路が開設され、人の
往来も無くなったために、寂れた辺境の地となってしまい、ついにはここに住んでいた人々も離村を余儀なくされたのでは
ないかと思われる。
中道集落への標識に従い、右手の方向に進む。
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越ヶ原から中道への道 |
お地蔵さんと津和野街道の標識 |
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■ 越ヶ原から中道へ
越ヶ原から中道へと続く緩やかな道は美しい黄葉に囲まれ、秋の始まりが感じられる。途中、道沿いにお地蔵さんが祀られて
おり、かっての街道の様子が偲ばれる。
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中道 |
中道バス停まで0.7kmの標識 |
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■13:20 中道(今回の津和野街道終点)
坂道を下ると、中道川沿いに民家が点在する中道集落の南端、三島原に出る。今回の津和野街道歩きの旅はここで終わり。
江戸時代に津和野街道を参勤交代する藩士の大変さが実感できる街道歩きだった。
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■13:30 中道から国道186号線へ
三島原からは車道を歩き、栗栖への長い道のりになる。
三島原から300m程北に行くと生山峠に通ずる羅漢道の分岐がある。そこから1時間かけて国道186号線出会いまで緩やかに
下っていく。
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14:30国道186号線 |
14:38スパ羅漢14:55 |
15:15悪谷林道入口 |
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■14:30 国道186号線を下りスパ羅漢を経てスタート地点へ16:10
出会いから400mでスパ羅漢に着く。スパ羅漢の駐車場はほぼ満車の状態だ。トイレ休憩を兼ねゆっくり休憩する。
スパ羅漢を出て30分で悪谷林道入口に着く。案内板とベンチのある悪谷入口からも工事の槌音が聞こえている。
紅葉の始まった羅漢渓谷をを下り、小瀬川温泉で小休止。栗栖の駐車場まではもう一息だ。
16:10 長い街道歩きの旅は無事終わった。
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今回の歩行距離 19.5km |